母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
23 / 106

私の魔石を食べてくれたサラマンダーを退治しました

しおりを挟む
 折角金貨10枚ゲット出来る所だったのに、調子に乗って全て燃やしてしまった。
 最悪だ!
 私は肢体を投げ出して泣きたい気分だった。

「ギャー!」
「助けてくれ!」
 その時、少し先で助けを求める声がした。

「何だ?」
「行くわよ!」
 私は慌てて駆け出した。
「おい、アミ、待てよ」
 私の後をリックが追いかけてきた。

 駆けつけた先ではフェンリルの群れに冒険者達が襲われていた。
 剣を持って三人が、戦っているが、二人倒れている。このままでは全滅してしまうだろう。

 フェンリルは確かCランクの魔物だ。
 今度は魔石まで燃やさないようにしないと、

「やっ!」
 私は気合いを込めてウィンドカッターを先頭の今まさに冒険者に襲いかかろうとしたフェンリルに浴びせた。今度は力を弱めたはずだ。やっ、としか叫ばなかったし……
 私は掛け声で気分が乗るタイプなので、掛け声を少なくすれば魔力も小さくなるはずだ。

 ズバッ、
 フェンリルは真っ二つに切れた。
 良かった。微塵切りにはならなかった。
 今度は魔石が落ちる。
 よしよし、私がほくそ笑んだ時だ。

 その魔石を横のフェンリルが、パクリと咥えてくれたのだ。

「ちょっと、何するのよ!」
 私はそれを見て切れてしまった。
「私の魔石を食べるんじゃないわよ!」

 パシーン!
「キャィーン!」
 私はフェンリルを思いきり張り倒していた。フェンリルは地面に倒れて、魔石を吐き出したが、今度は隣のフェンリルが、パクリとそれを口に咥えてくれたのだ。
 こいつらは完全に私を舐めている。

「いい加減にしなさい!」
 パシーン!
 私はそのフェンリルも張り倒していた。
 吹っ飛んだフェンリルは魔石を吐き出したが、魔石は遠くに吹っ飛んでいった。
「あっ、私の魔石が……」
 その飛んでいる魔石をちょうど飛んできた鳥形の魔物がパクリと咥えてくれたのだ。
 ハーピーだ!
 ハーピーはそれを飲み込んでくれた。
「ちょっと、何するのよ!」
 ハーピーは私の方を見て、ニヤリと笑うと、
「アホー、アホー!」
 と鳴いてくれたのだ。
 それを聞いて、私は完全にプッツンと切れてしまった。

「何ですって!」
「おい、アミ、落ち着けって」
 でも私は止めようとしたリックの言葉を聞いていなかった。
「絶対に許さないわ! 喰らえ!」
 私は逃げようとしたハーピー目掛けて雷撃を放っていた。

 ピカピカドシーン!

「ギャーーーー!」
 ハーピーの絶叫が聞こえたが、知ったことではない。
 私を馬鹿にしたから天罰が落ちたのだ。
 黒こげになったハーピーが、遠くの方に落ちて行ったんだけど、

「ちょっと待ちなさいよ! 私の魔石!」
 私は落ちていくハーピー目掛けて全力疾走に入った。

「おい、アミ、危ないから、待ってって!」
 リックの声が聞こえたが私はそれどころではなかった。
 なんとしても私の魔石を他の魔物にやるわけにはいかない。

「退け退け退け退け!」
 私は叫んで駆けた。

 走っている途中で二、三魔物を引っ掻けたようだけど……。一応忠告したし、全力で走る私の前に現れる魔物が悪いと思う!
 まあ、魔物にとっては、飛んだ災難だと思うけれど……
 私は障壁で強化していたので、ぶつかった魔物は悉く弾き飛ばして、必死にハーピーの落下地点に駆けた。

 しかし、私はハーピーの落下点で大きな口を開けて待っている火蜥蜴を見つけた。
 サラマンダーだ!
「また私の魔石を食べるつもりなの?」
 私には許せなかった。

「退きなさい!」
 私が大声でさけんだが、サラマンダーは私をチラリと見て、ぷいっと無視してくれた。
 良い根性をしている。

 私は必死に走ったが、間に合いそうにもなかった。
 そして、サセマンダーはパクリと黒こげのハーピーもろとも私の魔石も口に咥えてくれたのだ。

 そのまなまごくりと飲み込んでくれた。
 嘘! ここまで必死に駆けてきたのに!
 私の努力は水の泡?

 おのれ、絶対に許さない!
 私は火蜥蜴、すなわちA級魔物のサラマンダーの馬鹿にしたような横顔に飛び蹴りを浴びせていた。

 ダーーーーン!
 でも、相手は流石爬虫類、鈍いのだ!
 何事も無かったようにのほほんとしてくれていた。

 なんて事?
「爬虫類の分際で私に逆らうって言うの?」
 私が叫んだが、サラマンダーはプイッと無視してくれたのだ。
 それどころか私目がけて火炎放射を放ってくれたのだ。
 私は障壁で防いだ。
 でも、中々強力で次の一撃を食らったら、障壁は持ちそうになかった。

 もう許さない!
 こうなったら火には水だ。

「食らえ!」
 私はサラマンダーの上から大量の水を落とした。

「ギャーーーー」
 流石のサラマンダーも堪えたみたいだった。
 水しぶきともうもうと立ちこめた水蒸気が消えたら、そこには火が消えた、ただの大きな蜥蜴がいたのだ。

 しかし、次の瞬間、サラマンダーはぶるぶる震えるてくれた。
「ギャオーーーー」
 そして、咆哮をあげると再び体から火が吹き出して、火達磨になった。

 怒り狂っている。
 でも、怒り狂っているのは私も同じだ。
 サラマンダーが火炎放射をしようとしたときだ。
「いっけーーーー!」
私が全力で水魔術をサラマンダー目がけて放っていた。
その水はまさに今火炎を放とうとしていたサラマンダーの大きな口の中に吸い込まれたのだ。

「ギャーーーー」
サラマンダーの絶叫が響いた。
勢い余った水は槍のようにサラマンダーの体に突き刺さって体内を突き破って飛び出した。

ドシーン!
そして、大きな音を立ててサラマンダーは倒れたのだった。
**********************************
怒りのアミの前に魔物は飛び出してはいけません。
サラマンダーも怒りのアミの前に一撃でした。
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由

冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。 国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。 そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。 え? どうして? 獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。 ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。 ※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。 時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。

BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。 父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した! メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―

ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。 後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。 「公爵家は私たちが守ってあげる」 ――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。 やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。 だが―― 「その公爵令嬢、偽物ですわ」 静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。 血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。 爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。 男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。 救済はない。 情もない。 あるのは責務のみ。 「公爵は、情より責務です」 本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。 偽物は消え、本物だけが残る。 これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。

処理中です...