32 / 106
一年の巨体を一撃で倒しました
しおりを挟む
私達はそれから約三週間必死に訓練した。
そして、ついに、魔術大会当日を迎えた。
魔術学園は魔術を学ぶ学園で、年に一回の魔術大会は学園での一番の催し物だった。
そして、その大会は一週間の長丁場にわたって繰り広げられるのだ。
そして、今日は初日、前座というか一二年生主体の競技の日だった。
まずは全員が広い校庭に集合した。
13才になる年の生徒から18才になる生徒、前世で言う所の中学一年生から高校三年生まで揃って整列した。一学年三クラスで120名。それが六学年、総勢720名だ。720名もの魔術師の卵が勢揃いしたのだ。
その様は壮観だった。
「諸君、また、魔術大会の日が来た」
学園長の挨拶が始まった。
「君たちが日々訓練した成果を試すときが来たのだ」
大仰な言い回しから学園長のつまらない長いお話が始まった。
「今年の新入生の中には競技上を壊したり、決闘を申し込んで相手を気絶させたりと、元気なものも多いが」
その中で学園長が私を見ながら延々と三分くらい話してくれたのだ。
やるな!
余程叫びそうになった。
全員こちらを見てくれたし、クスクス笑うビアンカ達もいたし……皆の注目を浴びてしまったじゃない!
元からあんたは浴びているわよ!
ビアンカ達に言われてしまったが、皆の前で言われるのはまた別なんだけど……
「そういう行動は大会でこそ発揮してほしい」
学園長はこれが言いたかったみたいだけど……
本当に皆の前で言うのは止めてほしかった。
まあ、大会でも当然させてもらうけれど……
その後に偉そうな態度の生徒会長が壇上に上がった。
我が国の第一王子、ディートリヒだ。
「ディートリヒ様!」
「素敵!」
「格好良いです!」
女達からの黄色い声援が飛ぶ。
何でも、顔がいいので女達から人気も高いらしい。
私はその偉ぶった態度が最初から気に入らなかった。
「学生諸君。今日は君たちの日頃からの鍛錬の成果を発揮する魔術大会だ。
我が学園の基本方針は学園にいる間は身分関係なしに皆平等だそうだ。それに良いことにして最近、貴族をないがしろにする平民の生徒もいると聞く」
その言葉に場内がざわめいた。
貴族達の中にはチラチラ私を見る輩もいた。
この王子、初代や国王陛下が決められた学園にいる間は皆平等の原則を破るつもりなのだろうか?
「貴族の諸君。元々、君たちは圧倒的に魔力量も多いはずだ。本来は平民に対して圧倒しなければいけない。この大会では本来の貴族の力を是非とも示してほしい。以上だ」
「「「おおおお!」」」
「殿下!」
「ディートリヒ様、素敵!」
貴族を中心に歓声が上がった。
あれは完全に我がクラスに対して喧嘩を売ってきたんだ。
私はむっとした。
絶対にやってやる!
私はやる気満々になっていた。
式典が終わった後、私達はその場でエンジンを組んだ。
「皆、良いわね」
私は全員を見回した。
「任せて」
「絶対に負けないわ」
皆私に頷いてくれた。
こうなったら宣戦布告だ。
「絶対にお貴族様を倒すぞ!」
「「「おおおお!」」」
第一王子の言葉に反発した私達はシュプレヒコールを上げた。
皆から注目を浴びたし、
「おいおい、あいつら早速第一王子殿下に喧嘩売っているぞ」
「さすが、脳筋軍団」
「平民女は違う」
他の貴族達から白い目で見られたけれど、かまったものではなかった。
どのみち私は公爵家から睨まれているのだ。
それが王子になったところで変るまい。
王子に睨まれても王宮なんかで働くわけはないし、故郷に帰って冒険者になれば良いと私は割り切っていた。
折角二回目の人生送れているんだ。目一杯学園生活を楽しもうと心に決めていた。
王子だろうが公爵だろうが私の夢の学園生活を邪魔するものは許さなかった。
そして、私は剣術場に向かった。
「頼むから剣術場だけは壊さないでくれよ」
私が剣術で魔術大会に出場すると聞いて、学園長に呼ばれて言われた言葉だった。
魔術を放出しないのに壊すわけないでしょう!
私は学園長に反論した。
「そんなの判ったことではないわ。何をやるか判らないのが貴様だからな」
といわれてしまったけれど……私も全競技場を壊した女として母の記録を更新するつもれりはなかった。
でも、母は学園ではどんな母だったんだろう?
この大会が終われば少しは暇になるから、皆に聞いてみようと私は思った。
私は剣術では一回戦の第一試合になっていた。
「一年C組アマーリア・フルフォード」
「はい!」
私が呼ばれて競技場の真ん中に歩き出す。
「アミ!」
「頑張って!」
第一試合だから大半のクラスメートが応援に来ていた。
「一年B組シュンデル・マルクス」
絶対に一年生ではないだろうと言う巨体が中に入ってきた。
こいつはバッヘムの取り巻きの一人だった。
「ええええ!」
「アミ、あんな大きな者とやるの?」
ビアンカ等の悲鳴が聞こえた。
「シュンデル! そんな小娘一撃でやってしまえ」
「バッヘムの仇討ちは頼んだぞ」
B組の連中から声援が飛ぶ。
「任しておけ」
シュンデルは皆に手を振ってくれた。
身長は180センチはあるだろう。どう見ても騎士を目指している生徒だ。
こいつといきなりやるのか……私はうんざりした。
まあ、誰でも一緒だけれど……
「小娘。逃げるのならば逃げても良いぞ」
シュンデルは私の前に対峙すると私にそう勧めてくれた。
「ふんっ、同じ言葉を返してあげるわ。あなたもバッヘムみたいになりたくなかったらさっさと降参しなさい」
私も剣を抜いて構えつつ、一応勧告してあげた。
「わっはっはっはっは。これは笑える。お前は知っているのか? これは剣術競技だぞ。放出系の魔術は使った瞬間失格だ。いきなり失格するつもりなのか?」
「馬鹿ね。剣術であなたを沈めてあげるのよ」
「ほお、減らず口だけは相変わらすだな。その減らず口を聞けないようにしてやるわ」
シュンデルはそう叫ぶと私に斬りかかってきた。
その瞬間だ。私は身体強化魔術をかけるや、前に向けて斬りかかった。
大上段に構えて、思いっきり下に振り下ろした。
ヨーゼフ先生にはこの一ヶ月ただひたすらこれをさせられたのだ。
ただ一撃、これを倒すのみ!
毎日毎日これをさせられた。
そのお陰で強化魔術で強化した私の斬り込みは神速を極めた。
一瞬だった。
斬りかかろうとしたシュンデルに私の怒濤の一撃が直撃した。
ドシーーーーーン!
その瞬間、巨体が吹っ飛んでいた。
ドカーーーーン
剣術場の壁にシュンデルが激突した。
「えっ」
皆唖然としてそれを見ていた。
「やった、アミが勝ったわ」
「本当だ」
「アミ!」
「「「わあああああ!」」」
大歓声が競技場に響いた。
私は皆に手を振っていた。
********************************
ここまで読んで頂いて有難うございます
ただ一撃で倒す。特化したアミは無敵でした。
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
そして、ついに、魔術大会当日を迎えた。
魔術学園は魔術を学ぶ学園で、年に一回の魔術大会は学園での一番の催し物だった。
そして、その大会は一週間の長丁場にわたって繰り広げられるのだ。
そして、今日は初日、前座というか一二年生主体の競技の日だった。
まずは全員が広い校庭に集合した。
13才になる年の生徒から18才になる生徒、前世で言う所の中学一年生から高校三年生まで揃って整列した。一学年三クラスで120名。それが六学年、総勢720名だ。720名もの魔術師の卵が勢揃いしたのだ。
その様は壮観だった。
「諸君、また、魔術大会の日が来た」
学園長の挨拶が始まった。
「君たちが日々訓練した成果を試すときが来たのだ」
大仰な言い回しから学園長のつまらない長いお話が始まった。
「今年の新入生の中には競技上を壊したり、決闘を申し込んで相手を気絶させたりと、元気なものも多いが」
その中で学園長が私を見ながら延々と三分くらい話してくれたのだ。
やるな!
余程叫びそうになった。
全員こちらを見てくれたし、クスクス笑うビアンカ達もいたし……皆の注目を浴びてしまったじゃない!
元からあんたは浴びているわよ!
ビアンカ達に言われてしまったが、皆の前で言われるのはまた別なんだけど……
「そういう行動は大会でこそ発揮してほしい」
学園長はこれが言いたかったみたいだけど……
本当に皆の前で言うのは止めてほしかった。
まあ、大会でも当然させてもらうけれど……
その後に偉そうな態度の生徒会長が壇上に上がった。
我が国の第一王子、ディートリヒだ。
「ディートリヒ様!」
「素敵!」
「格好良いです!」
女達からの黄色い声援が飛ぶ。
何でも、顔がいいので女達から人気も高いらしい。
私はその偉ぶった態度が最初から気に入らなかった。
「学生諸君。今日は君たちの日頃からの鍛錬の成果を発揮する魔術大会だ。
我が学園の基本方針は学園にいる間は身分関係なしに皆平等だそうだ。それに良いことにして最近、貴族をないがしろにする平民の生徒もいると聞く」
その言葉に場内がざわめいた。
貴族達の中にはチラチラ私を見る輩もいた。
この王子、初代や国王陛下が決められた学園にいる間は皆平等の原則を破るつもりなのだろうか?
「貴族の諸君。元々、君たちは圧倒的に魔力量も多いはずだ。本来は平民に対して圧倒しなければいけない。この大会では本来の貴族の力を是非とも示してほしい。以上だ」
「「「おおおお!」」」
「殿下!」
「ディートリヒ様、素敵!」
貴族を中心に歓声が上がった。
あれは完全に我がクラスに対して喧嘩を売ってきたんだ。
私はむっとした。
絶対にやってやる!
私はやる気満々になっていた。
式典が終わった後、私達はその場でエンジンを組んだ。
「皆、良いわね」
私は全員を見回した。
「任せて」
「絶対に負けないわ」
皆私に頷いてくれた。
こうなったら宣戦布告だ。
「絶対にお貴族様を倒すぞ!」
「「「おおおお!」」」
第一王子の言葉に反発した私達はシュプレヒコールを上げた。
皆から注目を浴びたし、
「おいおい、あいつら早速第一王子殿下に喧嘩売っているぞ」
「さすが、脳筋軍団」
「平民女は違う」
他の貴族達から白い目で見られたけれど、かまったものではなかった。
どのみち私は公爵家から睨まれているのだ。
それが王子になったところで変るまい。
王子に睨まれても王宮なんかで働くわけはないし、故郷に帰って冒険者になれば良いと私は割り切っていた。
折角二回目の人生送れているんだ。目一杯学園生活を楽しもうと心に決めていた。
王子だろうが公爵だろうが私の夢の学園生活を邪魔するものは許さなかった。
そして、私は剣術場に向かった。
「頼むから剣術場だけは壊さないでくれよ」
私が剣術で魔術大会に出場すると聞いて、学園長に呼ばれて言われた言葉だった。
魔術を放出しないのに壊すわけないでしょう!
私は学園長に反論した。
「そんなの判ったことではないわ。何をやるか判らないのが貴様だからな」
といわれてしまったけれど……私も全競技場を壊した女として母の記録を更新するつもれりはなかった。
でも、母は学園ではどんな母だったんだろう?
この大会が終われば少しは暇になるから、皆に聞いてみようと私は思った。
私は剣術では一回戦の第一試合になっていた。
「一年C組アマーリア・フルフォード」
「はい!」
私が呼ばれて競技場の真ん中に歩き出す。
「アミ!」
「頑張って!」
第一試合だから大半のクラスメートが応援に来ていた。
「一年B組シュンデル・マルクス」
絶対に一年生ではないだろうと言う巨体が中に入ってきた。
こいつはバッヘムの取り巻きの一人だった。
「ええええ!」
「アミ、あんな大きな者とやるの?」
ビアンカ等の悲鳴が聞こえた。
「シュンデル! そんな小娘一撃でやってしまえ」
「バッヘムの仇討ちは頼んだぞ」
B組の連中から声援が飛ぶ。
「任しておけ」
シュンデルは皆に手を振ってくれた。
身長は180センチはあるだろう。どう見ても騎士を目指している生徒だ。
こいつといきなりやるのか……私はうんざりした。
まあ、誰でも一緒だけれど……
「小娘。逃げるのならば逃げても良いぞ」
シュンデルは私の前に対峙すると私にそう勧めてくれた。
「ふんっ、同じ言葉を返してあげるわ。あなたもバッヘムみたいになりたくなかったらさっさと降参しなさい」
私も剣を抜いて構えつつ、一応勧告してあげた。
「わっはっはっはっは。これは笑える。お前は知っているのか? これは剣術競技だぞ。放出系の魔術は使った瞬間失格だ。いきなり失格するつもりなのか?」
「馬鹿ね。剣術であなたを沈めてあげるのよ」
「ほお、減らず口だけは相変わらすだな。その減らず口を聞けないようにしてやるわ」
シュンデルはそう叫ぶと私に斬りかかってきた。
その瞬間だ。私は身体強化魔術をかけるや、前に向けて斬りかかった。
大上段に構えて、思いっきり下に振り下ろした。
ヨーゼフ先生にはこの一ヶ月ただひたすらこれをさせられたのだ。
ただ一撃、これを倒すのみ!
毎日毎日これをさせられた。
そのお陰で強化魔術で強化した私の斬り込みは神速を極めた。
一瞬だった。
斬りかかろうとしたシュンデルに私の怒濤の一撃が直撃した。
ドシーーーーーン!
その瞬間、巨体が吹っ飛んでいた。
ドカーーーーン
剣術場の壁にシュンデルが激突した。
「えっ」
皆唖然としてそれを見ていた。
「やった、アミが勝ったわ」
「本当だ」
「アミ!」
「「「わあああああ!」」」
大歓声が競技場に響いた。
私は皆に手を振っていた。
********************************
ここまで読んで頂いて有難うございます
ただ一撃で倒す。特化したアミは無敵でした。
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
179
あなたにおすすめの小説
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由
冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。
国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。
そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。
え? どうして?
獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。
ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。
※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。
時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。
【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。
BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。
父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した!
メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!
【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!
山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」
夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』
しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」
――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。
塩は海から来るもの。
白く精製された粉こそ本物。
岩塩など不純物の塊に過ぎない。
そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。
だが――
王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。
供給が止まった瞬間、王国は気づく。
塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。
謝罪の席で提示された条件はただ一つ。
民への販売価格は据え置き。
だが国家は十倍で買い取ること。
誇りを守るために契約を受け入れた王太子。
守られたのは民。
削られたのは国家。
やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。
処刑はない。
復讐もない。
あるのは――帰結。
「塩は、穢れを流すためのものです」
笑顔で告げるヴィエリチカと、
王宮衛生管理局へ配属された元王太子。
これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。
---
もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。
それとも、
・タグもまとめる?
・もっと煽る版にする?
・文学寄りにする?
どの方向で仕上げますか?
婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?
ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」
華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。
目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。
──あら、デジャヴ?
「……なるほど」
『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―
ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。
後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。
「公爵家は私たちが守ってあげる」
――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。
やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。
だが――
「その公爵令嬢、偽物ですわ」
静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。
血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。
爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。
男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。
救済はない。
情もない。
あるのは責務のみ。
「公爵は、情より責務です」
本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。
偽物は消え、本物だけが残る。
これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる