母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
39 / 106

決勝に残ったら貴族の令嬢達に囲まれました

しおりを挟む
 魔術大会一年の部決勝はまず剣術の部から始まった。
 私が勝ってC組は異様なまでに盛り上がった。
 しかし、次の剣術部に所属するアーベルはA組で騎士団長の息子で伯爵家令息のゲッツ・ラムブレヒトの剣に翻弄されて、負けてしまった。

 その後は魔術対戦の決勝でベスト八の対決だ。我がクラスは3人が残っていた。
 一人くらいは残れるかと期待したんだけど、流石に決勝に残れる者は魔力が多かった。
 我がクラスの付け焼き刃の攻撃は悉く障壁で遮られて我がクラスの面々は完敗してしまった。

「ああああ、駄目だったわね」
 ビアンカ達はががっかりしてくれたが、
「まあ、仕方が無いじゃ無い。ここまで皆よくがんばったわよ」
 私が負けた面々を慰めた。

「うううう、アミ!」
「ありがとうアミ」
「ここまでこれたのはアミのお陰よ」
「でも、結局アミの足手まといになったし……」
「悔しい」
 皆、特に準々決勝で負けた面々は最後は悔しそうにしていた。

「皆の思いを背負って準決勝、頑張ってくる」
 私はそう言うと準決勝の舞台に立った。
 私も魔術戦の皆と一緒だ。
 慣れない剣術でなんとかヨーゼフ先生に教えてもらったこのただ一撃という付け焼き刃でここまで来たのだ。
 そろそろ破られても仕方がない。
 ただ、皆の悔し涙を流していたからそう簡単に負けるわけには行かなかった。

 私の対戦相手は剣術部の一年B組の子爵令息だ。
 バッヘムとつるんでいたランセルだ。

「ははははは、平民娘。ここまでよくこれたな。しかし、これ以上先へは一年B組のメンツにかけてさせんぞ」
「それはそうだよね。もう決勝にはあなた一人しか残っていないし、私に負けたら優秀な一年B組の負けが決まるんだもの。というかここまでの皆の頑張りであなたが例え私に勝ったところで総得点では我がC組がB組に勝のはもう決まっているんだけど……」
 私は親切にも教えてあげた。

「嘘をつくな平民女。我が貴族クラスの一年B組が平民クラスの一年C組に負けるわけはないわ」
 必死にランセルは主張しているが、エーレンにもうC組の勝ちが決まったと言われたから、いくらランセルが主張したところで逆転できるわけはないはずだ。

「ランセルさん。算数の計算、もう一度基礎からやり直した方が良いですよ」
「なんだと、脳筋の貴様に言われたくないわ」
 私の親切な一言はランセルの怒りに火をつけたみたいだった。

「見ておけよ。絶対に今回は我がB組が勝ってやるからな」
「ランセル、頑張れよ」
「死んでも負けるな」
「ランセル様」
「お願いします」
「B組最後の希望の星!」
 男達の声援に、女達の悲鳴も混ざっていた。

「「「アミ!」」」
「アミ、頼んだわよ」
「あなたが最後の頼みの綱よ」
「俺たちの分まで頼むぞ」
 でも、こちらもC組の皆の夢を背負っているのだ。
 私も負けるわけにはいかなかった。

 魔術対戦はベスト四は全部A組になっていた。
 おそらく、我がC組はいくら私ががんばったところでもう勝ち目はないはずだ。
 でも、私はここで投げ出すわけには行かない。来年に向けて頑張るんだから。

「両者よろしいか?」
 審判の先生が私達を見た。
 私達は剣を構えた。
 精神を集中する。
「貴様には負けん」
 ランセルが宣言してくれた。
 まあ、なんと言われようと私はもうただ一撃をやるだけだ。

「始め!」
 先生の合図で私は上段に構えた。

 そして、
「喰らえ!」
 かけ声と共に全ての力を全身に渡らせて、一気に剣を振り下ろした。
「行くぞ!」
 ランセルはそんな私に横から剣をなぎ払ってくれた。

 しかし、その途中で私の剣がランセルの肩に激突した。
「ギャッ!」
 ランセルは叫び声と共に体ごと私のただ一撃に吹っ飛ばされたのだった。

 ドシーーーーーン

 特設会場に振動が響き渡り、障壁に叩きつけられたランセルは気絶していた。

「勝者一年C組アマーリア」
「「「おおおお!」」」
「やったー」
「「「アミ!」」」
「凄いわよアミ!」
「やったな!」
 C組の声援が会場に響いた。

「凄いな」
「一年は平民クラスが勝っているぞ」
「でも、あいつ魔術で決闘してヨーク公爵家の令息にも勝ったっていう女の子だろう」
「剣術も出来るんだ」
「伝説の悪役令嬢、クリスティーナばりだな」
 驚きの声が会場内で響いている中、私はクラス席に帰ると周りからもみくちゃの歓迎を受けた。

「もうここまで来たらアミが優勝するしかないわ」
「絶対に頑張ってね」
 皆の期待値が嫌が応にも高まった。


 そんな私が決勝前にトイレに行ったときだ。

 トイレから出てきて席に戻ろうとしたときだ。
 私はいきなり、貴族の令嬢達に囲まれたのだ。
「ちょっと、そこの平民女、待ちなさいよ」
 私は言われても無視して歩き去ろうとした。
「ちょっと待ちなさいよ!」
 すぐ傍の女が私の肩に手を置いて止めてくれた。

「何か用なの?」
 私はむっとして聞き返した。
「何かじゃないでしょ。あなた、いまクッツアー伯爵令嬢様に呼ばれたのに無視したでしょう。いくら勝っているからっていい気になりすぎなんじゃない?」
 その令嬢が言ってくれたが、
「私は平民女なんて名前ではありません。人を呼ぶときは名前くらい調べてから呼んでもらえませんか?」
「なんですって、あなた、伯爵令嬢に逆らうって言うの? どこまで礼儀知らずなの」
 その女が更に激高したが、
「礼儀知らずは人の名前も知らずにただ平民女と蔑んだ呼び方で呼び止めようとしたそこの伯爵令嬢でしょう。あなたのことを私がおい、人参少し待てと言っても良いのならばそう言いますけれど」
 私が平然と言い返すと
「な、なんですって、あなた平民女の分際で良くもそこまで言ってくれたわね」
 そう言うと、その女は手を振り上げたくれたのだった。

 これは引っ叩かれる。
 私が身構えたときだ。
 衝撃はいくら待っても私を襲ってこなかった。

「何をしている!」
 その代わり氷のように冷たい声が廊下に響いた。
**************************************
ここで王子様登場か?
この男は誰でしょう。
続きが気になる方はお気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
続きは明日です。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由

冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。 国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。 そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。 え? どうして? 獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。 ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。 ※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。 時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。

BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。 父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した! メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―

ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。 後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。 「公爵家は私たちが守ってあげる」 ――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。 やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。 だが―― 「その公爵令嬢、偽物ですわ」 静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。 血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。 爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。 男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。 救済はない。 情もない。 あるのは責務のみ。 「公爵は、情より責務です」 本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。 偽物は消え、本物だけが残る。 これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。

処理中です...