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とある公爵夫人視点 あの方の娘が誘拐されたと知って直ちに捜索に入りました
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「何卒、公爵様にお会いさせて頂く訳にはいかないでしょうか?」
私がその男の声を聞いたのはたまたまだった。
私はその日、息子がアミちゃんを連れてくるのを今か今かと待っていた。
アミちゃんからクリスティーネ様の最新の状況が詳しく聞けると楽しみにしていたのよ。
それは私だけではないわよ。私の実家の近衛騎士団長の妻のブリギッタや息子の婚約者の母親のコルネリアなど100名近いクリスティーネ様親衛隊の大半の面々が集まっていたのよ。
私は2週間も前から息子に頼んでいたから当然息子がアミちゃんを連れて帰ってくるものだと信じ切っていたわ。
「奥様。フランツ様の馬車が帰って参りました」
執事のセバスチャンが教えてくれた。
「皆様、迎えに行きますわよ」
私達は全員で玄関に並んでアミちゃんを迎えようとしたの。
出来たらアミちゃんにも私達がどれだけクリスティーネ様のお帰りをお待ちしているのか、クリステイーネ様に伝えてもらおうと思っていたのよ。
最初に息子のフランツが降りてきて、次に息子が女の子を下ろそうとしたからそれがアミちゃんだと思って声をかけようとしたら、髪色が黒くなかったわ。
「カサンドラ!」
その母親のコルネリアの驚いた声がした。
確かに降りてきたのは息子のフランツの婚約者のコルネリアだ。
「お母様!」
カサンドラは自分の母達がいるのに驚いたみたいだったが、
「おば様、お久し振りです」
私を見つけるとカーテシーをしてくれた。
「お久しぶりね。ところでアミちゃんはどこ?」
私は挨拶もそこそこに尋ねていた。
でも、馬車の中にはこれ以上の人が乗っている気配はしなかった。
「それが母上、アミはクラスの連中と先約があったみたいで」
歯切れの悪い言い方でフランツが答えてくれた。
「フランツ。私は2週間前からあなたに頼んでいましたよね」
私は完全に切れていたが、怒鳴り散らすのは周りの手前ぐっと我慢して、代わりにフランツを睨み付けるに留めた。その私の視線にフランツはぎょっとしてくれたが、ここに100人も集めた私のメンツはどうなるのよ。
「はい、だからノートに書いてアミに渡したのですが……」
「直接頼んでくれなかったの!」
フランツに対する私の声の冷たさが氷点下まで下がった。
「いえ、あのう、申し訳ありません」
女性陣の非難の視線を一身に集めてフランツはたじろいでくれたけれど、たじろぐぐらいなら最初からきちんと約束を取れと私は言いたかった。
「はあ、皆様。申し訳ありません。息子がもう少しきちんとアミちゃんを誘ってくれているとばかり思っていたものですから」
私は一同に謝罪した。
「まあ、アリーナ。フランツ様は男性ですから女性を誘いにくい面もおありだったのでしょう。カサンドラ、何故あなたがフランツ様をお助けして、アミちゃんをここまで連れてこなかったの?」
コルネリアが娘に注意してくれたけれど、
「お母様。私はそこまであの平民と親しくありませんし」
「カサンドラ! どなたが平民ですって!」
コルネリアの氷のような声が辺りに響いた。
「えっ、いえ、あのお母様……」
全員から非難囂々の視線を浴びてカサンドラはタジタジだった。
「アミちゃんは私達の信奉するクリスティーネ様のお嬢様なのよ。判っているの? クリスティーネ様はこの公爵家のご令嬢だから、当然そのお嬢様のアミちゃんもこの公爵家のご令嬢なのよ。いい加減に理解なさい」
コルネリアの声にカサンドラはカクカクと頷くことしか出来なかった。
「カサンドラさん。あなた、この公爵家に嫁ぐ身の上なのでしょう。何故そこの所を理解していないのかしら」
思わず私もそう言ってしまった。
「……」
もうカサンドラは今にも泣きそうだった。
私も言いたくなかったが、本来、フランツが足りないところは理解していた。フランツがいい加減にしていたら、そこをカサンドラがカバーしてほしかったのよ。
「母上、それ以上はカサンドラが可哀想です」
そこにしたり顔でフランツがカサンドラを庇ってきたのが更に私の怒りに火をつけた。
「フランツ! 誰のお陰でこうなっていると思っているのです! そもそもあなたがアミちゃんをちゃんと誘えていたらこんなことにならなかったんでしょう。それを何ですか? 私を鬼姑のようにいうなんて……」
怒りに火がついた私は止まらなくなっていた。
「まあまあ、アリーナ、ここは子供達に任せた私達が悪いと言うことで」
横からブリデッキが取りなしてくれた。
「そうね。次の終業式は私達がアミちゃんを直接誘えば良いのね」
「そうよ。せっかく集まったのだから、クリスティーネ様に王都にお帰り頂くのにどうすれば良いか、これから相談すればどうかしら」
「そうね。せっかくだからフランツさんとカサンドラさんにもご意見を聞いたらいかがかしら?」
「そうね。お二人ともいらっしゃい」
逃げたそうなフランツとカサンドラを捕まえて私達はそれからお茶会を兼ねてクリスティーネ様をいかにして王都に連れ戻すか、夕方遅くまで喧々諤々意見の交換をしたのだった。
そして、皆を送ろうと玄関に行ったときだ。
私は男が執事の一人に冒頭の頼んでいるのをみたのだ。
その男は学園から娘が帰ってこないと告げていたのだ。
誘惑か何かされたのだろうか?
でも、そういう事は騎士団に行けば良いのではないかと通り過ぎようとしたときだ。
「アマーリアさんも一緒でして……」
その言葉に私ははたと足を止めた。
「ちょっとお待ちなさい。アマーリアというのは当家のアミちゃんのこと?」
「はい。そう、公爵夫人がおっしゃっていらっしゃるアマーリア・フルフォードさんのことです」
「はああああ! アミちゃんが行方不明ってどういう事ですの?」
帰ろうとしていた者達が騒然とした。
「詳しいことをお教えになって。セバスチャン、非常事態よ。直ちに屋敷にいる動ける全ての者を招集して」
私は指示を出した。
アミちゃんが王都で誘拐されるなんて信じられなかった。
こんなことがクリスティーネ様に知れたら二度と危険な王都なんて帰るものかと言われるかもしれないし、唯一の絆のアミちゃんをすぐに連れ帰るとおっしゃられるかもしれない。どんなことがあっても早急に見つけないと、私は持てる力を全てかき集めて探索に乗り出したのよ。
****************************************
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
直ちに動き出したおば様連合の前に、夫や息子、弟たちはかり出されることに!
第一王子派対おば様連合 この後どうなるか?
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
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私はその日、息子がアミちゃんを連れてくるのを今か今かと待っていた。
アミちゃんからクリスティーネ様の最新の状況が詳しく聞けると楽しみにしていたのよ。
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私は2週間も前から息子に頼んでいたから当然息子がアミちゃんを連れて帰ってくるものだと信じ切っていたわ。
「奥様。フランツ様の馬車が帰って参りました」
執事のセバスチャンが教えてくれた。
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最初に息子のフランツが降りてきて、次に息子が女の子を下ろそうとしたからそれがアミちゃんだと思って声をかけようとしたら、髪色が黒くなかったわ。
「カサンドラ!」
その母親のコルネリアの驚いた声がした。
確かに降りてきたのは息子のフランツの婚約者のコルネリアだ。
「お母様!」
カサンドラは自分の母達がいるのに驚いたみたいだったが、
「おば様、お久し振りです」
私を見つけるとカーテシーをしてくれた。
「お久しぶりね。ところでアミちゃんはどこ?」
私は挨拶もそこそこに尋ねていた。
でも、馬車の中にはこれ以上の人が乗っている気配はしなかった。
「それが母上、アミはクラスの連中と先約があったみたいで」
歯切れの悪い言い方でフランツが答えてくれた。
「フランツ。私は2週間前からあなたに頼んでいましたよね」
私は完全に切れていたが、怒鳴り散らすのは周りの手前ぐっと我慢して、代わりにフランツを睨み付けるに留めた。その私の視線にフランツはぎょっとしてくれたが、ここに100人も集めた私のメンツはどうなるのよ。
「はい、だからノートに書いてアミに渡したのですが……」
「直接頼んでくれなかったの!」
フランツに対する私の声の冷たさが氷点下まで下がった。
「いえ、あのう、申し訳ありません」
女性陣の非難の視線を一身に集めてフランツはたじろいでくれたけれど、たじろぐぐらいなら最初からきちんと約束を取れと私は言いたかった。
「はあ、皆様。申し訳ありません。息子がもう少しきちんとアミちゃんを誘ってくれているとばかり思っていたものですから」
私は一同に謝罪した。
「まあ、アリーナ。フランツ様は男性ですから女性を誘いにくい面もおありだったのでしょう。カサンドラ、何故あなたがフランツ様をお助けして、アミちゃんをここまで連れてこなかったの?」
コルネリアが娘に注意してくれたけれど、
「お母様。私はそこまであの平民と親しくありませんし」
「カサンドラ! どなたが平民ですって!」
コルネリアの氷のような声が辺りに響いた。
「えっ、いえ、あのお母様……」
全員から非難囂々の視線を浴びてカサンドラはタジタジだった。
「アミちゃんは私達の信奉するクリスティーネ様のお嬢様なのよ。判っているの? クリスティーネ様はこの公爵家のご令嬢だから、当然そのお嬢様のアミちゃんもこの公爵家のご令嬢なのよ。いい加減に理解なさい」
コルネリアの声にカサンドラはカクカクと頷くことしか出来なかった。
「カサンドラさん。あなた、この公爵家に嫁ぐ身の上なのでしょう。何故そこの所を理解していないのかしら」
思わず私もそう言ってしまった。
「……」
もうカサンドラは今にも泣きそうだった。
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「母上、それ以上はカサンドラが可哀想です」
そこにしたり顔でフランツがカサンドラを庇ってきたのが更に私の怒りに火をつけた。
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「まあまあ、アリーナ、ここは子供達に任せた私達が悪いと言うことで」
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「アマーリアさんも一緒でして……」
その言葉に私ははたと足を止めた。
「ちょっとお待ちなさい。アマーリアというのは当家のアミちゃんのこと?」
「はい。そう、公爵夫人がおっしゃっていらっしゃるアマーリア・フルフォードさんのことです」
「はああああ! アミちゃんが行方不明ってどういう事ですの?」
帰ろうとしていた者達が騒然とした。
「詳しいことをお教えになって。セバスチャン、非常事態よ。直ちに屋敷にいる動ける全ての者を招集して」
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アミちゃんが王都で誘拐されるなんて信じられなかった。
こんなことがクリスティーネ様に知れたら二度と危険な王都なんて帰るものかと言われるかもしれないし、唯一の絆のアミちゃんをすぐに連れ帰るとおっしゃられるかもしれない。どんなことがあっても早急に見つけないと、私は持てる力を全てかき集めて探索に乗り出したのよ。
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