母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
94 / 106

私に癒やし魔術をかけてくれた人と幼なじみが一職即発の状態になりました

しおりを挟む
 レオさんが第三騎士団を一掃してくれて少ししてエーレンも目を覚ましてくれた。

「エーレン、良かった! あなたが目を覚ましてくれて本当に良かった」
 私はエーレンに抱きつかんばかりに迫ってエーレンを驚かせた。
 今までのいきさつをかいつまんで説明した。
「エーレンごめんね。あんな酷い目に遭わせて」
 私はエーレンに頭を下げると、
「ううん、私は大丈夫よ。それよりもあなた第三騎士団の詰め所から脱出したって、まさか、第三騎士団に公然と逆らっていないわよね」
 白い目でエーレンが見てくれるんだけど……
 言えない。騎士団の建物まるごと燃やしてしまったなんて……
「いや、まあ、少しだけ」
 私はしらを切ることにした。

「少しだけって、絶対に違うでしょう! あなたの事だから騎士団の建物ごとぶっ壊してきたでしょう!」
 エーレンは何故私がやったことが判るのだろう?
 私は笑って誤魔化すことにした。

「あなたは良いかもしれないけれど、私はどうなるのよ。完全にあなたと一緒にお尋ね者になったのよ」
 エーレンがとんでもないことを言うんだけど、私は何も悪いことをしていないのにお尋ね者になるなんて……

「ああ、やっと目を覚ましたのか」
 そこに美味しい匂いを漂わせてレオさんが食事を誰かに持たせて入ってきた。
 男はレオさんの指示で食べ物の入ったお皿を机のの上に置いていく。

 その男を見て私は驚いた。

「えっ、あなた、確か帝国の」
 後ろの男に見覚えがあった。私を友達にしてやると超上から目線で私に話しかけてきた確か帝国の男爵令息だったと思う。帝国と王国の男爵では位が違うとか宣ってくれていた奴だ。

「いえ、あの時は失礼しました。私の事はヒューゲルとお呼びください」
 なんかその子は180度態度が変わっていて、私にとても恭しい態度なんだけど……傲慢な態度はどこに行ったんだろう?

「えっ、あなた、どうしたの? 私には『お前を友達にしてやる』とか上から目線で言ってくれていたのに」
「あっあっあっあっ!」
 男はとても慌てて私の口を止めようとしてくれた。
「ほおおおお、ヒューゲル、貴様、俺のアミにそんなことを言ってくれたのか?」
 なんかレオさんがいきなり魔王モードになっているんだけど……それに俺のアミって何なの? 私別にレオさんの物になった覚えは全然ないんだけど……
 私が少しむっとした時だ。

「も、申し訳ございません。こうて……ギャッ!」
「お前は黙っていろ!」
 そのヒューゲルちゃんは慌ててその場に土下座して何か言おうとしたら、レオさんに口を押さえられて、すごまれていた。

 ヒューゲルちゃんのレオさんを恐れること神のごとしって感じなんだけど……
 まあ、醸し出すオーラは凄いけど、やはり帝国でもそこそこの地位にあるひとのようだ。そのくせヨーゼフ先生の事はちゃんと先生と呼んでいるし、この学園の卒業生か何かなんだろう。帝国から偉い人が留学してくるなんてこのノルトハイム王立魔術学園もなかなかの学園みたい。在校生としても鼻が高い。

 ヒューゲルちゃんはレオさんの命令にコクコク頷くと食べ物を机の上に置くと
 黙って一礼して出て行こうとした。

「ヒューゲル、貴様は口がないのか。挨拶していけ!」
 ぎょっとした顔をヒューゲルがした。
 今話すなと命じておきながらそれはない。

「レオさん、今黙っていろって命じたのに酷い!」
 流石にヒューゲルが可哀想になって私が庇ってあげた。

「ん、そうだったか? 判った。出て行って良いぞ」
 レオさんは手をふってヒューゲルちゃんを追い払ったんだけど……なんかとても偉ぶっていて人に対する態度ではない。
「はい。失礼します」
 90度に直角に礼をすると慌ててヒューゲルは出て行った。

「ちょっと、レオさん。態度が酷すぎ!」
 私がむっとして言うと、
「ちょっとアミ、こちらの方は帝国の」
「ああああ、君はランガー商会のお嬢さんだよね。最近帝国に店も出した」
 いきなり大声でレオさんがエーレンの言葉を止めたんだけど……
「えっ、はい。ご存じなんですか?」
「当然、だから判っているよね」
 なんかいきなり二人でこそこそ話しだしてくれたんだけど……何なのよ、二人で内緒話して!

「ということだから、よろしく頼むよ」
「はい、判りました。レオ様。また、父がお邪魔すると思います」
「そうだな。その時はエグモントの所にくるようにしてくれ」
「エグモント様ですね」

 急にエーレンはニコニコしだしたんだけど、何か商売絡みの話みたいだ。まあ、エーレンが喜んだのならそれで良いか。
 私が納得したときだ。

 グー
 私のおなかがなったのだ。

「おお、アミの腹時計か」
 余計な事を言いながらヨーゼフ先生も階段を降りてきた。

「腹が空いたのか。是非とも食べてくれ」
 レオさんが私達に勧めてくれた。

「この食事はどうしたんですか?」
 私が聞くと
「食堂に俺が通っていたときのおばちゃんがまだいてな。そのおばちゃんからもらって来たんだ」
 しれっとレオさんが言ってくれたけれど、昔から美形だと思えるレオさんはさぞや、食堂のおばちゃん達からも人気があったのだろう。良いのかと思いつつ、お腹の減った私はあっさりとスプーンに手を伸ばしていた。
「「「頂きます」」」
 皆して食べだした。

 久々の食事はとても美味しかった。
 私が幸せを噛みしめていたときだ。

 ドンドンドンドンと大きな音で扉が叩かれた。

 また、騎士団の連中だろうか?
 私がうんざりしたときだ。

「アミ、いるんだろう! 開けてくれ!」
 その声はリックだった。どうしてここにいるのが判ったんだろう?

「アミ、客だぞ」
 ヨーゼフ先生は我関せずと食事に集中しだした。

 やむを得ず私は立ち上って玄関に向かった。

「許可の無い人は入れません」
 玄関ではヒューゲルが塩対応していた。
「何を言う。俺はアミの友人で」
「友人だろうが無かろうが、ヨーゼフ先生かレオ様の許可のないものは入れません」
 何故かここに入るのに、レオさんの許可がいることになっているんだけど……

「リック、何故私がここにいるのが判ったの?」
 私が後ろから声をかけると、
「アミ! 大丈夫だったのか?」
 ヒューゲルを退けて、リックが慌ててこちらに駆け寄ろうとした。

「おっと、アミに勝手に近寄るのは止めてもらおうか」
 いきなり、私とリックの間にレオさんが入ってリックの邪魔をしてくれた。

「な、何だ、お前は」
 邪魔されたリックが怒り顔でレオさんを睨み付けた。
 それをレオさんが怖い顔で睨み返してくれた。

 二人は一触即発の空気になっているんだけど、何で?

 それをみた私も固まってしまった。
********************************
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
2人の男の戦いになるのか?
明日は皆様のご要望を受けて1日3更新します
お楽しみに!
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由

冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。 国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。 そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。 え? どうして? 獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。 ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。 ※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。 時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。

BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。 父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した! メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―

ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。 後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。 「公爵家は私たちが守ってあげる」 ――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。 やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。 だが―― 「その公爵令嬢、偽物ですわ」 静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。 血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。 爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。 男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。 救済はない。 情もない。 あるのは責務のみ。 「公爵は、情より責務です」 本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。 偽物は消え、本物だけが残る。 これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。

処理中です...