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魔導通信で救援を叫ぶ国境の領主が私達の前で斬られました
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「げっ、クリス!」
「クリスティーネ様!」
二人してひそひそお母様の話をしていたレオさんとリックの顔が青くなった。
「レオン! あなた、何をこそこそと私のことをリックに聞いているのです?」
「いや、クリス、これはだな……」
「言い訳は不要です!」
「はい!」
お母様の激怒した声にレオさんはあっさりと頷いた。
やはりお母様の方が強いらしい。
「リック、あなたもよ! まさか約束破ったりしていないでしょうね?」
お母様がきっとしてリックを睨み付けるんだけど……
「それは……」
リックは絶句していた。
そう言えばリックは私に自分が王子だと話すなと約束させられていたんだった。
でも、それは学園に行けば当然わかる話で、私はリックにつきまとう令嬢達からその話は聞かされていた。
「お母様。そんなの無理よ。私は学園に来たんだから、リックがこの国の第2王子様なことも、お母様が元公爵令嬢で陛下に婚約破棄されて断罪されたことも周りから全部聞いたわよ」
私の声を聞いて、お母様は頭を抱え込んだ。
「だからあなたには学園に行くなって言ったのに! これで判ったでしょう。お貴族様と関わっても碌な事がないのよ。あなたなんて単細胞の脳筋はえん罪を着せられて処刑されるのが落ちよ。すぐにアンハームに帰っていらっしゃい」
お母様が超上から目線でものを言ってくれたんだけど、誰が単純で頭がお花畑令嬢なのよ!
私の上を行く単純ですぐに切れるお母様に言われたくないわよ!
「何言っているのよ。家から出て行けって言ったのはお母様じゃない。私は絶対に家に帰らないんだから」
私はお母様を睨み返した。
「家に帰ってこなくても横の納屋に寝起きするのは許して上げるわ」
「はああああ! お母様はうら若き淑女の私に馬小屋で生活しろと言っているの?」
「昔はここで寝るって言ってゲオルクを困らせていたじゃない! でもその後怖くなって泣いて帰って来たけれど」
お母様が笑いながら話してくれたけど、
「それは小さい子供の時の話でしょう。そんな黒歴史蒸し返さないで! 私は絶対に家には戻らないんだから!」
私は宣言したのよ。
「ふんっ、この頑固なところは誰に似たんだか」
お母様がブツブツ文句を言い出したんだけど、
「それはクリスに似たんじゃろうて」
いつの間に現れたのかヨーゼフ先生が呟いて、それにレオさんとリックが大きく頷いていた。
「ヨーゼフ先生、何かおっしゃいまして?」
ニコリとお母様が笑ってヨーゼフ先生を見た。この笑みは笑みじゃない! お母様の噴火する一秒前の笑みだ……目が怒り狂っている……
「いや、儂は何も言っておらんぞ……そうじゃ、言ったのはレオじゃよ」
ヨーゼフ先生がしれっと隣のレオさんに振ってくれたんだけど……
「レオ!」
「ヨーゼフ先生、私に振るのは止めて下さい。リック君でしょう」
「ちょっとレオさん。俺にも振らないで下さいよ」
「ええい、もう煩い!」
「ギャー」
「痛い、痛いですから」
お母様が頭を踏む力を強くして、踏まれている二人が叫んでいた。
「ほんに相変わらず凶暴じゃの」
ヨーゼフ先生がぼつりとこぼした独り言に私は大きく頷いた。
その後お母様に睨まれて慌てて二人して視線をそらしていたけど……
「粗茶です」
そう言って私達の前にリックがお茶を入れてくれた。
私が入れたのに比べてとてもかぐわしい香りがするんだけど……何故に?
その香りを楽しみつつ、皆一口、口にした。
「おおおお、まともなお茶じゃよ」
「さすが、雑用、よくしつけられているぞ」
「帝国の下僕に比べたら月とすっぽんね」
皆好き勝手に言ってくれるたけれど、王子にお茶なんて入れさせて良かったのか?
最初は身分と言うか立場が一番弱いヒューゲルが入れてくれたのよ。
それを一口飲んだお母様がヒューゲル目がけて吹き出してくれた。
「何よ、このまずいお茶は! アミの入れたお茶の方がまだまともに思えるわ」
お母様はめちゃくちゃむかつく一言を言ってくれたんだけど。
今まで散々人に家事やらせておいて、それを人に言うか?
二度とお茶を入れてやらない!
切れた私に代わって
「じゃあ、俺が入れますよ」
「王子様が入れられるの?」
「趣味で少しやりましたので」
趣味でってここは前世の日本の茶道の世界では無いんだけど……
でも、そう言うだけあって、リックの入れたお茶は本当に美味しかった。
ずぶ濡れになったヒューゲルは端で足を抱えて拗ねているし……
「まあ、王子がお茶入れられても仕方がないけれどな」
レオさんが馬鹿にしていたけれど……
「あら、でも、野営の時とか便利じゃない」
「はい。どこにでもついて行かせて頂きます」
「いや、ちょっとリック、それは危険だから止めた方が良いわ」
私がリックのために言って上げたのに、
「何言っているのよ! 好きな女の横にいようとするなら、私についてこれるくらいじゃないとね」
「いや、待て! 俺はそんなことは許さんぞ」
お母様が訳のわからない事を言いだしてくれて、レオさんがその横で更に訳の判らない事を言いだしてくれたいるんだけど……
「はああああ! レオは黙っていなさい」
「何でだ! 俺はアミの……」
「レオ!」
何か言いそうだったレオさんにお母様の声が一オクターブ上がった。
これは危険な兆候だ。
私はリックの手を掴んでさっとお母様から離れる。
「おい、貴様、どさくさに紛れて何故アミの手を引いている」
レオさんが怒り出したんだけど……
「いや、俺は……」
「良いのよ! お母様からリオを守るのは昔から私の役目なんだから」
「アミ、何か言った?」
「そうだぞ、アミ、そんな男の手は離してお前のおと……ギャーーーー」
お母様の雷撃を受けてレオさんが叫んでいた。
私が離れたときに離れないからこうなるのよ! でも、レオさんは何が言いたかったんだろう?
「ところでクリス、ここに来たのはレオを雷撃するためか? 他に用があったのではないのか?」
ヨーゼフ先生がのんびりとお母様に尋ねていた。
「ああ、そうだったわ。アンハームの領主から緊急で救援依頼が来ていたのよ」
「えっ、救援依頼ってまた古代竜でも出たの?」
「それはどうかは知らないけれど、ランフォース王国と魔導公国が共同で攻め込んできたみたいよ」
世間話のようにお母様が言うんだけど……
「ええええ!」
「隣国が攻め込んできたのですか?」
私とリックは思わず立ち上がっていた。
「まあ、大したことは無いと思うけれど」
お母様はそう言うとね指をならした。
いきなり目の前に戦場の大画面が現れた。
これはアンハームの国境の砦だ。
目の前に目の前で我が国の兵士と隣国の兵士が戦っているんだけど……
「ちょっとお母様、のんびりして良いの?」
私が悲鳴を上げた時だ。
「これはクリスティーネ様!」
向こうの世界で画面にアンハーム子爵が現れた。
「お願いです。すぐにお助けください」
頭を下げて懇願してきた。
「高々敵の一万や二万、あなた方で防げないの?」
面倒くさそうにお母様が言うんだけど、
「敵はランフォース、魔導公国、それに帝国までいるのです。何卒、何卒……ギャーーーーー」
その瞬間だ。
アンハーム伯の悲鳴が画面から響いて、画面が血に染まったのだった……
********************************************
目の前で領主が斬られました。
次のクリスティーネの行動はいかに?
続きをお楽しみに!
本日後一話更新します
この物語のサイドストーリー始めました。
『愛しい娘になんとか「お父様」と言われたい』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/492032793
10センチ下に直リンク張っています。
皇帝視点です。
「クリスティーネ様!」
二人してひそひそお母様の話をしていたレオさんとリックの顔が青くなった。
「レオン! あなた、何をこそこそと私のことをリックに聞いているのです?」
「いや、クリス、これはだな……」
「言い訳は不要です!」
「はい!」
お母様の激怒した声にレオさんはあっさりと頷いた。
やはりお母様の方が強いらしい。
「リック、あなたもよ! まさか約束破ったりしていないでしょうね?」
お母様がきっとしてリックを睨み付けるんだけど……
「それは……」
リックは絶句していた。
そう言えばリックは私に自分が王子だと話すなと約束させられていたんだった。
でも、それは学園に行けば当然わかる話で、私はリックにつきまとう令嬢達からその話は聞かされていた。
「お母様。そんなの無理よ。私は学園に来たんだから、リックがこの国の第2王子様なことも、お母様が元公爵令嬢で陛下に婚約破棄されて断罪されたことも周りから全部聞いたわよ」
私の声を聞いて、お母様は頭を抱え込んだ。
「だからあなたには学園に行くなって言ったのに! これで判ったでしょう。お貴族様と関わっても碌な事がないのよ。あなたなんて単細胞の脳筋はえん罪を着せられて処刑されるのが落ちよ。すぐにアンハームに帰っていらっしゃい」
お母様が超上から目線でものを言ってくれたんだけど、誰が単純で頭がお花畑令嬢なのよ!
私の上を行く単純ですぐに切れるお母様に言われたくないわよ!
「何言っているのよ。家から出て行けって言ったのはお母様じゃない。私は絶対に家に帰らないんだから」
私はお母様を睨み返した。
「家に帰ってこなくても横の納屋に寝起きするのは許して上げるわ」
「はああああ! お母様はうら若き淑女の私に馬小屋で生活しろと言っているの?」
「昔はここで寝るって言ってゲオルクを困らせていたじゃない! でもその後怖くなって泣いて帰って来たけれど」
お母様が笑いながら話してくれたけど、
「それは小さい子供の時の話でしょう。そんな黒歴史蒸し返さないで! 私は絶対に家には戻らないんだから!」
私は宣言したのよ。
「ふんっ、この頑固なところは誰に似たんだか」
お母様がブツブツ文句を言い出したんだけど、
「それはクリスに似たんじゃろうて」
いつの間に現れたのかヨーゼフ先生が呟いて、それにレオさんとリックが大きく頷いていた。
「ヨーゼフ先生、何かおっしゃいまして?」
ニコリとお母様が笑ってヨーゼフ先生を見た。この笑みは笑みじゃない! お母様の噴火する一秒前の笑みだ……目が怒り狂っている……
「いや、儂は何も言っておらんぞ……そうじゃ、言ったのはレオじゃよ」
ヨーゼフ先生がしれっと隣のレオさんに振ってくれたんだけど……
「レオ!」
「ヨーゼフ先生、私に振るのは止めて下さい。リック君でしょう」
「ちょっとレオさん。俺にも振らないで下さいよ」
「ええい、もう煩い!」
「ギャー」
「痛い、痛いですから」
お母様が頭を踏む力を強くして、踏まれている二人が叫んでいた。
「ほんに相変わらず凶暴じゃの」
ヨーゼフ先生がぼつりとこぼした独り言に私は大きく頷いた。
その後お母様に睨まれて慌てて二人して視線をそらしていたけど……
「粗茶です」
そう言って私達の前にリックがお茶を入れてくれた。
私が入れたのに比べてとてもかぐわしい香りがするんだけど……何故に?
その香りを楽しみつつ、皆一口、口にした。
「おおおお、まともなお茶じゃよ」
「さすが、雑用、よくしつけられているぞ」
「帝国の下僕に比べたら月とすっぽんね」
皆好き勝手に言ってくれるたけれど、王子にお茶なんて入れさせて良かったのか?
最初は身分と言うか立場が一番弱いヒューゲルが入れてくれたのよ。
それを一口飲んだお母様がヒューゲル目がけて吹き出してくれた。
「何よ、このまずいお茶は! アミの入れたお茶の方がまだまともに思えるわ」
お母様はめちゃくちゃむかつく一言を言ってくれたんだけど。
今まで散々人に家事やらせておいて、それを人に言うか?
二度とお茶を入れてやらない!
切れた私に代わって
「じゃあ、俺が入れますよ」
「王子様が入れられるの?」
「趣味で少しやりましたので」
趣味でってここは前世の日本の茶道の世界では無いんだけど……
でも、そう言うだけあって、リックの入れたお茶は本当に美味しかった。
ずぶ濡れになったヒューゲルは端で足を抱えて拗ねているし……
「まあ、王子がお茶入れられても仕方がないけれどな」
レオさんが馬鹿にしていたけれど……
「あら、でも、野営の時とか便利じゃない」
「はい。どこにでもついて行かせて頂きます」
「いや、ちょっとリック、それは危険だから止めた方が良いわ」
私がリックのために言って上げたのに、
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「いや、待て! 俺はそんなことは許さんぞ」
お母様が訳のわからない事を言いだしてくれて、レオさんがその横で更に訳の判らない事を言いだしてくれたいるんだけど……
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「何でだ! 俺はアミの……」
「レオ!」
何か言いそうだったレオさんにお母様の声が一オクターブ上がった。
これは危険な兆候だ。
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「おい、貴様、どさくさに紛れて何故アミの手を引いている」
レオさんが怒り出したんだけど……
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「アミ、何か言った?」
「そうだぞ、アミ、そんな男の手は離してお前のおと……ギャーーーー」
お母様の雷撃を受けてレオさんが叫んでいた。
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世間話のようにお母様が言うんだけど……
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「まあ、大したことは無いと思うけれど」
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これはアンハームの国境の砦だ。
目の前に目の前で我が国の兵士と隣国の兵士が戦っているんだけど……
「ちょっとお母様、のんびりして良いの?」
私が悲鳴を上げた時だ。
「これはクリスティーネ様!」
向こうの世界で画面にアンハーム子爵が現れた。
「お願いです。すぐにお助けください」
頭を下げて懇願してきた。
「高々敵の一万や二万、あなた方で防げないの?」
面倒くさそうにお母様が言うんだけど、
「敵はランフォース、魔導公国、それに帝国までいるのです。何卒、何卒……ギャーーーーー」
その瞬間だ。
アンハーム伯の悲鳴が画面から響いて、画面が血に染まったのだった……
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目の前で領主が斬られました。
次のクリスティーネの行動はいかに?
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