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側妃視点 ついにあの平民女の生んだ第二王子と傲慢女の娘を処分するときが来ました
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「何ですって? あの小娘に逃げられたというのですか?」
第三騎士団はせっかく第一王子に対する不敬罪で捕らえた傲慢女の娘の平民女を逃してしまったというのだ。なんたることだ。
それも小娘は第三騎士団の建物諸共壊して逃亡してくれたそうだ。第三騎士団のメンツも何もないではないか!
「お父様。第三騎士団は何をしていたのですか? 逃げられただけでなく、建物諸共壊されるとは」
私は呆れてしまった。
ちょっと最近太平が続いたので、士気がなっていないのではないかと思わず思ってしまった。
高々小娘一人に何をしているのだと。
「まあ、そう言うな、エミール。平民娘は第三騎士団の庁舎を破壊したのだ。これは王国に対する反逆と同等だ。陛下にも反逆罪で調査をするとはっきりと申し上げてきた。これで煩いヨーク公爵家とその取り巻きの連中ももう手助け出来なくなったはずだ」
お父様はそう言って笑ってくれた。
確かに平民娘を助けようとするアリーナ達は邪魔だった。反逆罪が適用されるとなるとさすがにアリーナ達も堂々と小娘を助ける訳にはいかなくなるだろう。
連中が周りにいなくなるだけで随分事は運びやすくなるはずだ。
「そのクリスティーナの娘だが、魔術学園の魔術の塔にどうやら潜んでいるらしい」
お父様が教えてくれたんだけど、
「魔術の塔にですか?」
「そうじゃ。第三騎士団の連中が学園をくまなく探そうとしたところ、魔術の塔だけが騎士団の入るのを拒んだというのじゃ」
「でも、あそこには偏屈じいさんのヨーゼフがいるのではありませんか」
私はそれは眉唾物だと思った。ヨーゼフは何をするにも反対する分からず屋だと周りからは見られていた。
「騎士団がまた権力を笠に着てごり押しで推し進めたので、ヨーゼフの機嫌を損ねてしまっただけではありませんの?」
私が訝しそうに父を見たが、
「学園の中でそこだけが捜査できなかったのじゃ。クリスティーネもその小娘もヨーゼフの弟子じゃ。それにその魔術の塔に新しい男までいたというのじゃ。絶対にそこにいるに違いない。そう思っての。その魔術の塔に出入りしている学生を捕まえて訊問させたのじゃ。そうしたらほとんど手間取らせずにの、その男は第三騎士団から逃亡した女学生2人を匿っていると吐きおったわ」
お父様がそう言って笑ってくれた。
「それにその男によると中には何と第二王子のヘンドリックまでいるというのじゃ」
「第二王子までいるのですか!」
それなら確実だろう。何故か第二王子はクリスティーネの娘に御執心だそうだから。
「ならば上手くいけば2人ともまとめて処分できるのね」
私は目を輝かせた。ヘンドリックを処分できればもうこの国を継げるのはディートリヒ一人になる。確実にディートリヒが王太子になって国王になるのよ。
「後はクリスティーネが邪魔をしに帰ってこないかどうかが気になるけれど」
私は唯一の懸念事項を父に伝えた。
「そこは手を打った。魔導公国にアンハームを攻撃してくれるように依頼したのじゃ」
「よく魔導公国が頷きましたわね」
私はお父様の言葉に驚いた。
「ふんっ、アンハームとその辺りの土地を餌に与えた」
「領土の割譲でございますか」
私は不満げに父を見た。この国をディートリヒが継げば全ての領土はディートリヒのものになるのだ。その領地を勝手に魔導公国に与えるなどなんて事なんだろう!
「致し方あるまい。どのみちその地は第一王子殿下に反対する領主の領地だ。多少は我が国の領地が減るが、いずれ取り戻せば良かろう」
「まあ、さようでございますわね。ディートリヒが国王になれないとどうしようもありませんもの」
認めたくなかったが、今反対派の勢力が急激に拡大していた。事は急を要するのだ。
そこは致し方ないとこの場では諦めよう。
ディートリヒが王になれば反故にしても良いのだから。
私は頷いた。
「でも、魔術の塔に攻め入るのは大変なのではありませんか?」
私は尋ねていた。ヨーゼフは老いたとはいえ、まだある程度の魔術は使えるだろう。
「それは心配ない。魔導公国から100名の魔術師を貸してもらうことになった」
「100名もの魔術師をですか?」
私は目を見開いた。
「そんなに多くの魔術師を貸してくれるなんて、魔導公国の狙いは何なのですか? 我らに協力だけしてくれる訳はありますまい」
「公王は平民女をもらい受けたいそうじゃ」
「平民女? クリスティーネの娘でございますか?」
「違うわ。王妃じゃ」
「ディアナですか?」
初代平民娘か? 確かに私の前に王妃として立ち塞がってくれたディアナにはどれだけ煮え湯を飲まされたことか。それを公王のおもちゃに差し出すことに躊躇はない。
「ディアナが欲しいとは公王も物好きですのね」
「何でも学園の頃からご執心だそうで、その平民女さえ手に入れば後はアンハームの周りの領地の割譲だけで良いそうじゃ。まあ、ディアナが公王に抱かれてヒイヒイ言わされるのを見られ無いのが残念じゃがな」
「本当にお父様も公王様も悪趣味でしてよ」
私達はお互いの顔を見て笑ったのだ。
ついに長年の夢、我が子が王太子になるときが来たのだ。
その日は期待に震えて私は一睡も出来なかったのよ
******************************************
ついにハウゼン派が決起します。
でも、魔術の塔にいるはずのアミもリックもいないのですが……
どうなるか?
続きをお楽しみください。
第三騎士団はせっかく第一王子に対する不敬罪で捕らえた傲慢女の娘の平民女を逃してしまったというのだ。なんたることだ。
それも小娘は第三騎士団の建物諸共壊して逃亡してくれたそうだ。第三騎士団のメンツも何もないではないか!
「お父様。第三騎士団は何をしていたのですか? 逃げられただけでなく、建物諸共壊されるとは」
私は呆れてしまった。
ちょっと最近太平が続いたので、士気がなっていないのではないかと思わず思ってしまった。
高々小娘一人に何をしているのだと。
「まあ、そう言うな、エミール。平民娘は第三騎士団の庁舎を破壊したのだ。これは王国に対する反逆と同等だ。陛下にも反逆罪で調査をするとはっきりと申し上げてきた。これで煩いヨーク公爵家とその取り巻きの連中ももう手助け出来なくなったはずだ」
お父様はそう言って笑ってくれた。
確かに平民娘を助けようとするアリーナ達は邪魔だった。反逆罪が適用されるとなるとさすがにアリーナ達も堂々と小娘を助ける訳にはいかなくなるだろう。
連中が周りにいなくなるだけで随分事は運びやすくなるはずだ。
「そのクリスティーナの娘だが、魔術学園の魔術の塔にどうやら潜んでいるらしい」
お父様が教えてくれたんだけど、
「魔術の塔にですか?」
「そうじゃ。第三騎士団の連中が学園をくまなく探そうとしたところ、魔術の塔だけが騎士団の入るのを拒んだというのじゃ」
「でも、あそこには偏屈じいさんのヨーゼフがいるのではありませんか」
私はそれは眉唾物だと思った。ヨーゼフは何をするにも反対する分からず屋だと周りからは見られていた。
「騎士団がまた権力を笠に着てごり押しで推し進めたので、ヨーゼフの機嫌を損ねてしまっただけではありませんの?」
私が訝しそうに父を見たが、
「学園の中でそこだけが捜査できなかったのじゃ。クリスティーネもその小娘もヨーゼフの弟子じゃ。それにその魔術の塔に新しい男までいたというのじゃ。絶対にそこにいるに違いない。そう思っての。その魔術の塔に出入りしている学生を捕まえて訊問させたのじゃ。そうしたらほとんど手間取らせずにの、その男は第三騎士団から逃亡した女学生2人を匿っていると吐きおったわ」
お父様がそう言って笑ってくれた。
「それにその男によると中には何と第二王子のヘンドリックまでいるというのじゃ」
「第二王子までいるのですか!」
それなら確実だろう。何故か第二王子はクリスティーネの娘に御執心だそうだから。
「ならば上手くいけば2人ともまとめて処分できるのね」
私は目を輝かせた。ヘンドリックを処分できればもうこの国を継げるのはディートリヒ一人になる。確実にディートリヒが王太子になって国王になるのよ。
「後はクリスティーネが邪魔をしに帰ってこないかどうかが気になるけれど」
私は唯一の懸念事項を父に伝えた。
「そこは手を打った。魔導公国にアンハームを攻撃してくれるように依頼したのじゃ」
「よく魔導公国が頷きましたわね」
私はお父様の言葉に驚いた。
「ふんっ、アンハームとその辺りの土地を餌に与えた」
「領土の割譲でございますか」
私は不満げに父を見た。この国をディートリヒが継げば全ての領土はディートリヒのものになるのだ。その領地を勝手に魔導公国に与えるなどなんて事なんだろう!
「致し方あるまい。どのみちその地は第一王子殿下に反対する領主の領地だ。多少は我が国の領地が減るが、いずれ取り戻せば良かろう」
「まあ、さようでございますわね。ディートリヒが国王になれないとどうしようもありませんもの」
認めたくなかったが、今反対派の勢力が急激に拡大していた。事は急を要するのだ。
そこは致し方ないとこの場では諦めよう。
ディートリヒが王になれば反故にしても良いのだから。
私は頷いた。
「でも、魔術の塔に攻め入るのは大変なのではありませんか?」
私は尋ねていた。ヨーゼフは老いたとはいえ、まだある程度の魔術は使えるだろう。
「それは心配ない。魔導公国から100名の魔術師を貸してもらうことになった」
「100名もの魔術師をですか?」
私は目を見開いた。
「そんなに多くの魔術師を貸してくれるなんて、魔導公国の狙いは何なのですか? 我らに協力だけしてくれる訳はありますまい」
「公王は平民女をもらい受けたいそうじゃ」
「平民女? クリスティーネの娘でございますか?」
「違うわ。王妃じゃ」
「ディアナですか?」
初代平民娘か? 確かに私の前に王妃として立ち塞がってくれたディアナにはどれだけ煮え湯を飲まされたことか。それを公王のおもちゃに差し出すことに躊躇はない。
「ディアナが欲しいとは公王も物好きですのね」
「何でも学園の頃からご執心だそうで、その平民女さえ手に入れば後はアンハームの周りの領地の割譲だけで良いそうじゃ。まあ、ディアナが公王に抱かれてヒイヒイ言わされるのを見られ無いのが残念じゃがな」
「本当にお父様も公王様も悪趣味でしてよ」
私達はお互いの顔を見て笑ったのだ。
ついに長年の夢、我が子が王太子になるときが来たのだ。
その日は期待に震えて私は一睡も出来なかったのよ
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ついにハウゼン派が決起します。
でも、魔術の塔にいるはずのアミもリックもいないのですが……
どうなるか?
続きをお楽しみください。
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