母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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都合が悪くなった母に転移させられたら、侯爵の館でした

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「うううう、私のステーキが……」
 私は古代竜を取り逃がしてショックのあまり涙目になってしまった。


「アミ、いきなり古代竜に襲いかかるって、心臓に悪いから」
「本当だぞ。いきなり、『ステーキだ!』とか古代竜目指して訳の判らない事を叫んで駆け出すから驚いたぞ」
 そこにやっとリックとレオさんが追いついてきた。

「いやあ、さすがアミちゃん」
「普通の人間は古代竜から必死に逃げるのに、アミちゃんの場合は古代竜が必死にアミちゃんから逃げていたよね」
 来なくても良いのにジムさん達が来て後ろでむかつくことを言ってくれているんだけど……

「いやあ、さすがアミ様は違いますな。公国の騎士達をお一人でやってしまわれるとは」
 追いついたランフォース国王が周りの惨状を見回して感心してくれたんだけど……

 何故か周りには倒れ込んで傷ついた騎士達が多数呻いていた。
 私が古代竜目がけて必死に放ったファイアーボールが命中したらしい。私も少し古代竜に熱くなりすぎたみたい。
 悪いことをしたかな?

 帝国の騎士やラフォースの騎士達が倒れている魔導公国の騎士達を拘束していく。

「いやあ、陛下、このような優秀な魔術師のお子様がいらっしゃるとは帝国も安泰ですな」
「いや、そうなの……」
 レオさんとラフォース国王の横を爆裂魔術が通り過ぎたんだけど。
 レオさんもラフォース国王も固まっていた。

「お二人とも何かおっしゃいましたか」
 そこにお母様がにこやかにやってきた。でも、目が笑っていないんだけど……
 そう言えば私の本当のお父様がレオさんかどうか、まだ確認できていなかった。

「お母様。私のお父様は……」
「アミ、何か言った?」
 そこには何故か怒髪天のお母様がいたんだけど……
「いやだから」
「レオ、魔導公国がまだまだ良からぬ事を企んでいるかもしれないわ。レオもラフォース国王も、あの逃げた古代竜を今度は帝国やラフォース王国に向けられたら大変でしょう。今すぐに大本を叩いてしまわないと」
 お母様がいきなり話題を変えてくれた。
 絶対に怪しい。

「それは確かにそうだな、ラフォース国王」
「さ、さようでございますね」
 二人ともとてもお母様を恐れているんだけど……

「いや、そんな事よりも……」
「何を言っているの、アミ! この事よりも大切なことなんかないわ」
私の言葉を途中でぶったぎって、お母様が言い出した。
「えっ、でも、私のお父様が誰かというのは私に取って……」
「取りあえずアンハームの危機も救えたから貴方たちはもう帰りなさい」
「ちょっと、お母様!」
「クリスティーネ様!」
 私とリックは叫んだが、次の瞬間二人して転移させられた。信じられなかった。
都合が悪くなると私をどこかに追いやるのはお母様の常套手段だ。本当にむかつく!
 周りが真っ白になる。

 そして、真っ暗なところに転移していた。
「ギャーーーー」
 誰かの悲鳴が聞こえたような気がしたが、真っ暗でよく判らない。

「痛い!」
 私が動こうとしたら何かを踏みつけたみたいだった。
「えっ?」
「君はヒューゲル!」
「えっ、ヒューゲルなの?」
 私は驚いて私の下敷きになっている男を改めて見た。

 顔中あざだらけの男はヒューゲルだとは判らなかった。
「どうしたの、その顔。ヨーゼフ先生にしごかれたの?」
 驚いて私が聞くと、
「違いますよ。ハウゼン侯爵に捕まって拷問されたんです」
「何ですって」
 私が叫んだ時だ。

「煩いぞ小僧!」
 大きな音ともに鉄格子の中に外から光が浴びせられた。
 一瞬明るすぎて周りが見えなくなる。
「な、何だ? いつの間にか三人になっているぞ、どうなっているんだ?」
 男が驚いた声を出した。

「ギャッ」
 男はリックが投げた剣の鞘が当たって昏倒してくれた。

 鉄格子にとりついて開けようとしたが、中々がっしりして振ってもびくともしなかった。
「こうなったら爆裂魔術で」
「ちょっと待ってアミ」
 魔術で破壊しようとしたらリックに止められた。
 リックは気絶した男を剣でたぐり寄せるとその腰につけていた鍵束から鍵を探して鍵穴に次々に入れている。でも、なかなか開かなかった。

「おい、何か音がしたぞ」
「こっちだ」
 外から駆けつける音がした。

「もう時間切れよ」
 私はそう言うと強化魔術で鉄格子を曲げたのだ。
 ぐにゃりと人が通れるだけ、開いたのだ。

「げっ、化け物か」
 ヒューゲルが私を恐怖に満ちた目で見てくれるんだけど……
「リック、ヒューゲルを背負って。私が戦うわ」
 私は外に出ると肩を軽く回した。

「おい、こっちだぞ」
 男達が駆けてきた。

 そちらに向かってそり合えず、傍にあった盾を投げつけた。

「ギャーーーー」
 男達が倒れる。

「行くわよ」
 私は駆け出した。
 ヒューゲルを背負ったリックがそれに続いた。


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