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勇者から逃げましたが、捕まりました。
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「おめでとうございます、妊娠三ヶ月です」
医者の言葉に愕然とする。体中から血の気が失せて、ぶるぶると手が震えた。
妊娠?誰が?僕が?誰の子を?
そんなの一人しかいない。僕が肉体関係を持ったのは、パーティーの仲間兼幼馴染であるジャックだけだ。
然も丁度三ヶ月前。妊娠した時期とも重なるし、お腹の子の父親は間違いなくジャックだろう…どうしよう、僕がジャックとの子を授かるなんて。
嬉しい以上に、恐ろしい。僕が、母親なんて務まるわけがない。だって、まともな一般家庭さえ知らずに育ったのだから。
それに彼は眉日秀麗で、僕は平凡。輝くような金髪にエメラルドみたいに輝くジャックの瞳に対し、僕はありきたりな黒髪に黒い瞳だ。容姿も釣り合っていない。
そんな僕はジャックはきっと結ばれない。魔王を討伐した勇者ジャックには、現在進行形でこの国の姫との婚約話が進められている。
そんなの、僕が邪魔するわけにはいかない。輝かしいジャックの栄光を、僕は絶対に汚したくない。
ジャックは、昔から勇者になることが夢だった。それが叶ったのに、僕は何て事を…。
「…逃げよう、何処か遠くへ。子育てできるかは分からないけど、愛情込めて一人で育てよう」
ずっと、ずっと血の繋がった家族が欲しかった。こんな形で叶うとは思ってなかったけど、ジャックと繋がった幸せなひと時の思い出があれば頑張れる。
頑張れる、大丈夫…本当は物凄く不安だけど、自分にそう言い聞かせた。だって、そうしないと今にも泣いてしまいそうだったから。
僕の方が、ずっとずっと昔からジャックの事が好きだった。小さい頃、僕の手を引いてくれた姿が鮮明に思い浮かぶ。
でもきっと、ジャックはお姫様の方が好きだろう。だって、僕達は恋人同士なんかじゃない。
酔った勢いで身体を繋げてしまった。ただ、それだけだ。一晩の過ちなんて話、ありふれすぎている。
そんな僕は、ジャックを縛れない。これ以上色々考え込んでとんでもない事を仕出かす前に、王都から出て行かないと。
そうだ、カトリーヌにだけ言っておこう。彼女は口が堅いし、僕の事を理解してくれている。
医者に貰った母子手帳を鞄の中に大事にしまい込み、カトリーヌの住む家へと向かった。
◇
「はぁ!?王都から出て行く!?」
「か、カトリーヌッ…しぃ!」
急に訪ねてきたにも関わらず、快く家に上げてくれた彼女に近々王都を離れる事を告げる。
僕の突拍子もない予定に驚いたカトリーヌは、机をバンッと勢いよく叩きながら立ち上がった。
余りにも大きな声にびっくりして、肩が跳ねる。慌てて声を潜めるように促せば、彼女は大きなため息を吐き出しながらどさりと椅子に座り込んだ。
眉間をぐりぐりと揉み解し、考え事をしている。何だか、申し訳ない。
「それ、ジャックは勿論知ってるんでしょうね?まさか言ってないとは言わせないわよ。ジャックが、ルークの事をどれだけ大事にしてるか自覚くらいはしてるでしょ?」
「え、えぇっと、その…言ってない。ジャックにだけは、言えないんだ」
「…どういうこと?」
僕の曖昧な回答をいぶかしんだカトリーヌが、神妙な顔で問いただしてくる。
本当は、彼女にも理由は話さないつもりだった。でも、カトリーヌの目には僕への心配がとめどなく溢れていて。
そんな大事な友達に、隠し事をしているのが苦しくなってしまった。僕はどうにか声を振り絞って、ジャックとの子供を身篭った事を伝える。
僕の話を最後まで聞いてくれたカトリーヌは、頭をかかえてしまった。
「まさか、まさか此処まで拗れて…いや、この場合ジャックが悪いの?そうよね、先に手を出したのはジャックだし…ううん…」
「ち、違うよ。酔った勢いで僕が誘っちゃったんだと思うんだ…その、僕はジャックがずっと好きだったし、魔王討伐後で気が緩んでたというか…」
「だとしても!避妊しなかったのはジャックも一緒よ。責任の半分は、ジャックにもあるわ」
真っ直ぐ僕を見つめる瞳に耐えられなくて、ふいと視線をそらしてしまう。
僕も、カトリーヌみたいな強さがあったら良かったのに。そしたら、妊娠をジャックに告げられたかもしれない。
だけど、僕は僕だ。弱虫臆病で、一人で何も出来ない愚図。魔王討伐だって、パーティーの皆に迷惑かけてばかりだった。
「ねぇルーク。このこと、ジャックに話しましょうよ」
カトリーヌのその言葉に、ふるふると首を左右に振る。それだけは、絶対に出来ない。
「駄目だよ、カトリーヌ…ジャックはこの国のお姫様と結婚して、将来は王様になるかもしれないんだ。今妊娠が明らかになったら、お姫様との結婚が破談になっちゃう」
「破談にしちゃえばいいのよ、姫様との結婚なんて!ルーク、このままじゃ絶対駄目よ…ジャックから逃げないであげて、一度二人で話し合ってみて」
カトリーヌの提案に、僕は頷けないまま家へと帰った。
◇
「よし、もう出よう…王都を出て、そのまま国境へと向かう。大丈夫、きっと上手くいく」
空間拡張魔法をかけ鞄に一週間分の食料や旅に必要な小道具を纏め、担ぎ上げる。
自分への暗示もだ。大丈夫、大丈夫…魔王がいなくなった今、魔物の数も減っていて世界はとても平和だ。例え道中魔物に遭ったとしても、魔王城クラスの魔物じゃない限り僕一人でどうにかなる。
伊達に勇者パーティーにいた訳じゃない。他の皆よりは弱いけど、そこらの魔術師に比べたら僕の実力はマシな方だ。
ガチャリ、自宅の扉を開ける。玄関の目の前に仁王立ちしていた人物に、僕の身体がびくりと跳ねた。
「え、なんで…ここに、」
「カトリーヌに言われて、この間から家を見張ってた。まさか、本当に王都から出て行くつもりか?」
ジャックが一歩距離を詰める度、僕も一歩後ずさる。じっと此方を見る眼差しには怒りや戸惑い、悲哀が含まれていた。
僕だって、ジャックから離れたくない。このまま冒険者家業でも続けて、ずっと彼の隣に居たい。
幼かった頃みたいに無邪気に笑って、美味しいご飯を食べて…でも、無理なんだ。ジャックはお姫様と幸せになって、この国を立派に導いていかなきゃ。
だってそれが、ジャックの幸せなんだから。
「そうだよ。王都を出て、一人で生きていく…魔王討伐も終わったし、僕が王都に留まる理由はもう無い」
「忘れたのか?ずっと一緒にいようって、俺と約束したじゃないか」
幼い頃、まだジャックが勇者だと判明する前の約束。
幼かった僕らは夢見てた。ずっと二人で一緒に、幸せに添い遂げるんだって。憧れて、信じて疑わなかった輝かしい未来だ。
忘れたわけがない。あの約束があったから、どんなに怖い魔物にあっても立ち向かえた。ジャックが傍にいてくれたから、頑張れた。
今も昔も、これからも…ジャックは僕の光だ。暗闇を照らしてくれる、道しるべ。
「…そんな約束、したっけ?」
「ルーク…!」
ジャックの顔が悲しみで歪む。その表情をみて、僕の心臓が切なく痛む。
ごめん、ごめんね。忘れてないよ、覚えてるよ…これからもずっと一緒にいようと言えたら、どれだけ幸せだろうか。
呆然としているジャックの横をすり抜けて、今のうちに逃げ出してしまおうと画策する。
だけど、それは上手くいかなかった。
「うっ…!」
「ルーク!?おい、大丈夫か!?」
こみ上げる吐き気…悪阻だ。何てタイミングが悪いんだろう。
鞄の中にしまい込んだ水筒を取り出そうと手を突っ込む。今にも胃の中身を吐き出してしまいそうで、焦った。
蹲って苦しむ僕の姿にジャックは戸惑いおろおろしてて、でもそんなジャックに構ってる場合じゃなくて。
水筒を漸く取り出し、水を含む。少しして漸く吐き気がおさまり、一息ついた。
「…ルーク、どういうことだ?」
「え?…あっ、それ、は」
低く唸るようなジャックの声に、びくりと肩が跳ねる。この声は、本気で怒っている時の声だ。
彼を見上げ、視線の先の何かを確認する。ジャックの手には、僕の母子手帳が握られていた。
慌てて立ち上がり取り返そうと手を伸ばす。だけどジャックの素早さに敵うわけもなく、僕の手は宙を切った。
その反動でよろけ、彼の腕の中に抱き留められる。
「っやだ、ジャック!返して!」
「ちゃんと話してくれるまで返さない。誰の子だ?父親のせいで王都を出ようとしてるんだな?」
「ち、父親は言えないし、妊娠と王都を出る事は関係ない!」
必死にそう訴えるけど、ジャックの言っていることは当たっている。
ジャックに迷惑かけたくないから、王都を出る。静かな場所に移住して、お腹の子を育てたい。
僕に似てくれれば良いと思う。ジャックに似てしまったら、きっと詮索は免れない。良くも悪くも、僕もジャックも国中に顔が知られている。
言えるわけない。だってジャックと僕は、恋人でもなんでもない。
「ルーク、お願いだから父親を教えてくれ。そうじゃなきゃ俺は、っ…」
ジャックの顔が苦しげに歪む。違う、そんな顔させたいわけじゃない。
君には笑っていて欲しい。幸せに、楽しそうに。僕の事なんか忘れて、ただ自分の幸せを求めて欲しい。
…でも、浅ましい僕も居る。もし父親が自分だと知ったら、君は全てを投げ出して僕と共に生きてくれるだろうか。
どろり、真っ黒な感情が溢れ出てくる。だめだ、言いたくない。相反する気持ちが喉を引き攣らせた。
「…この子の、父親は…その、」
喉がカラカラに乾いて、うまく言葉が出てこない。
その間もジャックはずっと僕のことを見つめていて、それが居心地いいのか悪いのか分からなくてぐちゃぐちゃで。
でも、やっぱり言いたくない。でも、ジャックと一緒に居たい。
『ルークはもう少し、自分を大事にしたほうが良いわ』
昨日の帰り際、カトリーヌに言われた言葉が頭に響く。
自分を、大事に。確かに僕は、今までジャックの為にって生きてきた。
魔王討伐の旅に出たのも、今王都に住んでいるのも…ジャックがそばにいて欲しいって希うから。僕はその気持ちが嬉しくて、ジャックと一緒にいたくって。
なら今度は、僕がジャックにわがままを言っても良いんじゃないだろうか。
「…ジャック、」
「あぁ、なんだ?」
「この子の、父親は…君なんだ、ジャック」
震える声で告げた。数秒の沈黙の後、僕の身体が持ち上がる。
驚いて瞬きを繰り返していると、目をキラキラと輝かせているジャックの顔が目に入った。
口元に笑みを浮かべていて、もにょもにょ動かしている。嬉しさを隠そうとして、失敗しているみたいだ。
ジャックが歓喜する理由が分からなくて、僕は動揺しっぱなしだった。
「ほ、本当に?本当に俺とルークの赤ちゃん?」
「う、うん…本当。僕、ジャック以外とした事ないし…」
「夢みたいだ。俺と、俺とルークの赤ちゃん…!」
ゆっくりと地面に降ろされた後、ぎゅうと抱き締められる。
降ろせと、言われるかと思ってた。迷惑だと、二度と目の前に現れるなと。
そう言われたら、離れる決心がつくかもしれないって思って。だけどジャックは、正反対の反応を返してきた。
状況がいつまで経っても飲み込めなくて、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
「ルーク、ありがとう。大好きだ!一緒に大事に育てよう!」
「…迷惑じゃないの、赤ちゃんなんて。だって、ジャックはお姫様との縁談が…」
じわり、自分で言ってて涙が込み上げてくる。良かった、降ろせって言われなくて。
嫌われなくて、良かった。迷惑だって言われなくて良かった。お腹の子は、ジャックも望んでくれてるって分かって良かった。
そう思ったらもう、だめだった。ぼろぼろ涙が止まらなくて、そんな僕をジャックはずっと抱きしめてくれてて。
王都を出ようとした僕の計画は、大好きでたまらない勇者様に阻止されてしまったのだった。
◇
あの後ジャックの家へと場所を移し、今僕はソファの上で彼に後ろから抱き締められている。
ホットミルクの入ったカップに口を付けつつ、ゆっくりと話し合いだ。
ジャックがしきりに僕のお腹を撫で回しているのが凄く気になるけど、無視しないと何も進まない。
ふうと一息つき、恐る恐る口を開いて問いを口にした。
「ジャックは、その…僕の妊娠は迷惑じゃない?産んで欲しい?」
「当たり前だ!ずっと、ずっとルークと本当の家族になりたかった…だから王家を説得して、姫との縁談を断ってる最中だったんだ」
「え、え!?縁談、断ってたの!?」
「あれ、言ってなかったか?」
ごめんごめん、そう言って笑うジャックの頭を思わずぺちんと叩いてしまった。
どれだけ僕が悩んだと思ってたんだ!それさえ教えてくれていれば、僕だってこんな……いや、どっちにしろ身を引いてたかもしれない。
ジャックに僕は相応しくないと。お姫様との結婚の方が、幸せになれるだろうと。
自分勝手に決めつけて、ジャックを酷く傷つけていたかも知れない。
打って変わってしょんぼりし始めた僕の頭を、ジャックの大きな掌が撫で始めた。
「姫様さ、意中の人が居るんだよ。それ知ってたから手を組んで、どうしても勇者との縁談を欲しがった陛下を諦めさせるのに四苦八苦してたんだ」
「そっか…僕、そんな大変だとも知らずに、勝手に出て行こうとしてたんだね」
「…カトリーヌがさ、ちゃんと話せって。黙って行動するより、ルークの気持ちも考えてやれって…俺さ、ルークは俺とずっと一緒に居てくれるって思い込んでた」
俺こそ傲慢だった、ごめん。そう謝るジャックに、僕は首を左右に振る。
僕も、話し合いが足りなかった。全部一人で抱え込もうとして、失敗して…とんだ大馬鹿者だ。
最初からジャックに相談していれば、こんなすれ違い起きなかったのに。たらればばかりで嫌になる。
でももう、一人でどうにかしようとはしない。何かあったら、大好きな彼に相談すれば良いんだ。
「ジャック、ごめんね…もう、一人でどうにかしようとしないって誓う。さっきは嘘ついちゃったけど、あの時の約束だってちゃんと覚えてるよ」
「ルーク…!あぁ、俺も、これからは沢山話すって約束する!どうか、どうか俺と結婚してくれ!」
「…うん、よろしくね」
まさか、ジャックと恋人を通り越して結婚するなんて思ってもなかった。
でも本当に幸せで、ぽかぽかして…お腹の子を、二人で愛して育てていける未来に想いを馳せて。
嬉しい、嬉しい嬉しい!あぁ、僕は世界一の幸せものだ。
ジャックを見上げ、口付けを交わす。今までで一番甘くて幸せなキスだった。
医者の言葉に愕然とする。体中から血の気が失せて、ぶるぶると手が震えた。
妊娠?誰が?僕が?誰の子を?
そんなの一人しかいない。僕が肉体関係を持ったのは、パーティーの仲間兼幼馴染であるジャックだけだ。
然も丁度三ヶ月前。妊娠した時期とも重なるし、お腹の子の父親は間違いなくジャックだろう…どうしよう、僕がジャックとの子を授かるなんて。
嬉しい以上に、恐ろしい。僕が、母親なんて務まるわけがない。だって、まともな一般家庭さえ知らずに育ったのだから。
それに彼は眉日秀麗で、僕は平凡。輝くような金髪にエメラルドみたいに輝くジャックの瞳に対し、僕はありきたりな黒髪に黒い瞳だ。容姿も釣り合っていない。
そんな僕はジャックはきっと結ばれない。魔王を討伐した勇者ジャックには、現在進行形でこの国の姫との婚約話が進められている。
そんなの、僕が邪魔するわけにはいかない。輝かしいジャックの栄光を、僕は絶対に汚したくない。
ジャックは、昔から勇者になることが夢だった。それが叶ったのに、僕は何て事を…。
「…逃げよう、何処か遠くへ。子育てできるかは分からないけど、愛情込めて一人で育てよう」
ずっと、ずっと血の繋がった家族が欲しかった。こんな形で叶うとは思ってなかったけど、ジャックと繋がった幸せなひと時の思い出があれば頑張れる。
頑張れる、大丈夫…本当は物凄く不安だけど、自分にそう言い聞かせた。だって、そうしないと今にも泣いてしまいそうだったから。
僕の方が、ずっとずっと昔からジャックの事が好きだった。小さい頃、僕の手を引いてくれた姿が鮮明に思い浮かぶ。
でもきっと、ジャックはお姫様の方が好きだろう。だって、僕達は恋人同士なんかじゃない。
酔った勢いで身体を繋げてしまった。ただ、それだけだ。一晩の過ちなんて話、ありふれすぎている。
そんな僕は、ジャックを縛れない。これ以上色々考え込んでとんでもない事を仕出かす前に、王都から出て行かないと。
そうだ、カトリーヌにだけ言っておこう。彼女は口が堅いし、僕の事を理解してくれている。
医者に貰った母子手帳を鞄の中に大事にしまい込み、カトリーヌの住む家へと向かった。
◇
「はぁ!?王都から出て行く!?」
「か、カトリーヌッ…しぃ!」
急に訪ねてきたにも関わらず、快く家に上げてくれた彼女に近々王都を離れる事を告げる。
僕の突拍子もない予定に驚いたカトリーヌは、机をバンッと勢いよく叩きながら立ち上がった。
余りにも大きな声にびっくりして、肩が跳ねる。慌てて声を潜めるように促せば、彼女は大きなため息を吐き出しながらどさりと椅子に座り込んだ。
眉間をぐりぐりと揉み解し、考え事をしている。何だか、申し訳ない。
「それ、ジャックは勿論知ってるんでしょうね?まさか言ってないとは言わせないわよ。ジャックが、ルークの事をどれだけ大事にしてるか自覚くらいはしてるでしょ?」
「え、えぇっと、その…言ってない。ジャックにだけは、言えないんだ」
「…どういうこと?」
僕の曖昧な回答をいぶかしんだカトリーヌが、神妙な顔で問いただしてくる。
本当は、彼女にも理由は話さないつもりだった。でも、カトリーヌの目には僕への心配がとめどなく溢れていて。
そんな大事な友達に、隠し事をしているのが苦しくなってしまった。僕はどうにか声を振り絞って、ジャックとの子供を身篭った事を伝える。
僕の話を最後まで聞いてくれたカトリーヌは、頭をかかえてしまった。
「まさか、まさか此処まで拗れて…いや、この場合ジャックが悪いの?そうよね、先に手を出したのはジャックだし…ううん…」
「ち、違うよ。酔った勢いで僕が誘っちゃったんだと思うんだ…その、僕はジャックがずっと好きだったし、魔王討伐後で気が緩んでたというか…」
「だとしても!避妊しなかったのはジャックも一緒よ。責任の半分は、ジャックにもあるわ」
真っ直ぐ僕を見つめる瞳に耐えられなくて、ふいと視線をそらしてしまう。
僕も、カトリーヌみたいな強さがあったら良かったのに。そしたら、妊娠をジャックに告げられたかもしれない。
だけど、僕は僕だ。弱虫臆病で、一人で何も出来ない愚図。魔王討伐だって、パーティーの皆に迷惑かけてばかりだった。
「ねぇルーク。このこと、ジャックに話しましょうよ」
カトリーヌのその言葉に、ふるふると首を左右に振る。それだけは、絶対に出来ない。
「駄目だよ、カトリーヌ…ジャックはこの国のお姫様と結婚して、将来は王様になるかもしれないんだ。今妊娠が明らかになったら、お姫様との結婚が破談になっちゃう」
「破談にしちゃえばいいのよ、姫様との結婚なんて!ルーク、このままじゃ絶対駄目よ…ジャックから逃げないであげて、一度二人で話し合ってみて」
カトリーヌの提案に、僕は頷けないまま家へと帰った。
◇
「よし、もう出よう…王都を出て、そのまま国境へと向かう。大丈夫、きっと上手くいく」
空間拡張魔法をかけ鞄に一週間分の食料や旅に必要な小道具を纏め、担ぎ上げる。
自分への暗示もだ。大丈夫、大丈夫…魔王がいなくなった今、魔物の数も減っていて世界はとても平和だ。例え道中魔物に遭ったとしても、魔王城クラスの魔物じゃない限り僕一人でどうにかなる。
伊達に勇者パーティーにいた訳じゃない。他の皆よりは弱いけど、そこらの魔術師に比べたら僕の実力はマシな方だ。
ガチャリ、自宅の扉を開ける。玄関の目の前に仁王立ちしていた人物に、僕の身体がびくりと跳ねた。
「え、なんで…ここに、」
「カトリーヌに言われて、この間から家を見張ってた。まさか、本当に王都から出て行くつもりか?」
ジャックが一歩距離を詰める度、僕も一歩後ずさる。じっと此方を見る眼差しには怒りや戸惑い、悲哀が含まれていた。
僕だって、ジャックから離れたくない。このまま冒険者家業でも続けて、ずっと彼の隣に居たい。
幼かった頃みたいに無邪気に笑って、美味しいご飯を食べて…でも、無理なんだ。ジャックはお姫様と幸せになって、この国を立派に導いていかなきゃ。
だってそれが、ジャックの幸せなんだから。
「そうだよ。王都を出て、一人で生きていく…魔王討伐も終わったし、僕が王都に留まる理由はもう無い」
「忘れたのか?ずっと一緒にいようって、俺と約束したじゃないか」
幼い頃、まだジャックが勇者だと判明する前の約束。
幼かった僕らは夢見てた。ずっと二人で一緒に、幸せに添い遂げるんだって。憧れて、信じて疑わなかった輝かしい未来だ。
忘れたわけがない。あの約束があったから、どんなに怖い魔物にあっても立ち向かえた。ジャックが傍にいてくれたから、頑張れた。
今も昔も、これからも…ジャックは僕の光だ。暗闇を照らしてくれる、道しるべ。
「…そんな約束、したっけ?」
「ルーク…!」
ジャックの顔が悲しみで歪む。その表情をみて、僕の心臓が切なく痛む。
ごめん、ごめんね。忘れてないよ、覚えてるよ…これからもずっと一緒にいようと言えたら、どれだけ幸せだろうか。
呆然としているジャックの横をすり抜けて、今のうちに逃げ出してしまおうと画策する。
だけど、それは上手くいかなかった。
「うっ…!」
「ルーク!?おい、大丈夫か!?」
こみ上げる吐き気…悪阻だ。何てタイミングが悪いんだろう。
鞄の中にしまい込んだ水筒を取り出そうと手を突っ込む。今にも胃の中身を吐き出してしまいそうで、焦った。
蹲って苦しむ僕の姿にジャックは戸惑いおろおろしてて、でもそんなジャックに構ってる場合じゃなくて。
水筒を漸く取り出し、水を含む。少しして漸く吐き気がおさまり、一息ついた。
「…ルーク、どういうことだ?」
「え?…あっ、それ、は」
低く唸るようなジャックの声に、びくりと肩が跳ねる。この声は、本気で怒っている時の声だ。
彼を見上げ、視線の先の何かを確認する。ジャックの手には、僕の母子手帳が握られていた。
慌てて立ち上がり取り返そうと手を伸ばす。だけどジャックの素早さに敵うわけもなく、僕の手は宙を切った。
その反動でよろけ、彼の腕の中に抱き留められる。
「っやだ、ジャック!返して!」
「ちゃんと話してくれるまで返さない。誰の子だ?父親のせいで王都を出ようとしてるんだな?」
「ち、父親は言えないし、妊娠と王都を出る事は関係ない!」
必死にそう訴えるけど、ジャックの言っていることは当たっている。
ジャックに迷惑かけたくないから、王都を出る。静かな場所に移住して、お腹の子を育てたい。
僕に似てくれれば良いと思う。ジャックに似てしまったら、きっと詮索は免れない。良くも悪くも、僕もジャックも国中に顔が知られている。
言えるわけない。だってジャックと僕は、恋人でもなんでもない。
「ルーク、お願いだから父親を教えてくれ。そうじゃなきゃ俺は、っ…」
ジャックの顔が苦しげに歪む。違う、そんな顔させたいわけじゃない。
君には笑っていて欲しい。幸せに、楽しそうに。僕の事なんか忘れて、ただ自分の幸せを求めて欲しい。
…でも、浅ましい僕も居る。もし父親が自分だと知ったら、君は全てを投げ出して僕と共に生きてくれるだろうか。
どろり、真っ黒な感情が溢れ出てくる。だめだ、言いたくない。相反する気持ちが喉を引き攣らせた。
「…この子の、父親は…その、」
喉がカラカラに乾いて、うまく言葉が出てこない。
その間もジャックはずっと僕のことを見つめていて、それが居心地いいのか悪いのか分からなくてぐちゃぐちゃで。
でも、やっぱり言いたくない。でも、ジャックと一緒に居たい。
『ルークはもう少し、自分を大事にしたほうが良いわ』
昨日の帰り際、カトリーヌに言われた言葉が頭に響く。
自分を、大事に。確かに僕は、今までジャックの為にって生きてきた。
魔王討伐の旅に出たのも、今王都に住んでいるのも…ジャックがそばにいて欲しいって希うから。僕はその気持ちが嬉しくて、ジャックと一緒にいたくって。
なら今度は、僕がジャックにわがままを言っても良いんじゃないだろうか。
「…ジャック、」
「あぁ、なんだ?」
「この子の、父親は…君なんだ、ジャック」
震える声で告げた。数秒の沈黙の後、僕の身体が持ち上がる。
驚いて瞬きを繰り返していると、目をキラキラと輝かせているジャックの顔が目に入った。
口元に笑みを浮かべていて、もにょもにょ動かしている。嬉しさを隠そうとして、失敗しているみたいだ。
ジャックが歓喜する理由が分からなくて、僕は動揺しっぱなしだった。
「ほ、本当に?本当に俺とルークの赤ちゃん?」
「う、うん…本当。僕、ジャック以外とした事ないし…」
「夢みたいだ。俺と、俺とルークの赤ちゃん…!」
ゆっくりと地面に降ろされた後、ぎゅうと抱き締められる。
降ろせと、言われるかと思ってた。迷惑だと、二度と目の前に現れるなと。
そう言われたら、離れる決心がつくかもしれないって思って。だけどジャックは、正反対の反応を返してきた。
状況がいつまで経っても飲み込めなくて、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
「ルーク、ありがとう。大好きだ!一緒に大事に育てよう!」
「…迷惑じゃないの、赤ちゃんなんて。だって、ジャックはお姫様との縁談が…」
じわり、自分で言ってて涙が込み上げてくる。良かった、降ろせって言われなくて。
嫌われなくて、良かった。迷惑だって言われなくて良かった。お腹の子は、ジャックも望んでくれてるって分かって良かった。
そう思ったらもう、だめだった。ぼろぼろ涙が止まらなくて、そんな僕をジャックはずっと抱きしめてくれてて。
王都を出ようとした僕の計画は、大好きでたまらない勇者様に阻止されてしまったのだった。
◇
あの後ジャックの家へと場所を移し、今僕はソファの上で彼に後ろから抱き締められている。
ホットミルクの入ったカップに口を付けつつ、ゆっくりと話し合いだ。
ジャックがしきりに僕のお腹を撫で回しているのが凄く気になるけど、無視しないと何も進まない。
ふうと一息つき、恐る恐る口を開いて問いを口にした。
「ジャックは、その…僕の妊娠は迷惑じゃない?産んで欲しい?」
「当たり前だ!ずっと、ずっとルークと本当の家族になりたかった…だから王家を説得して、姫との縁談を断ってる最中だったんだ」
「え、え!?縁談、断ってたの!?」
「あれ、言ってなかったか?」
ごめんごめん、そう言って笑うジャックの頭を思わずぺちんと叩いてしまった。
どれだけ僕が悩んだと思ってたんだ!それさえ教えてくれていれば、僕だってこんな……いや、どっちにしろ身を引いてたかもしれない。
ジャックに僕は相応しくないと。お姫様との結婚の方が、幸せになれるだろうと。
自分勝手に決めつけて、ジャックを酷く傷つけていたかも知れない。
打って変わってしょんぼりし始めた僕の頭を、ジャックの大きな掌が撫で始めた。
「姫様さ、意中の人が居るんだよ。それ知ってたから手を組んで、どうしても勇者との縁談を欲しがった陛下を諦めさせるのに四苦八苦してたんだ」
「そっか…僕、そんな大変だとも知らずに、勝手に出て行こうとしてたんだね」
「…カトリーヌがさ、ちゃんと話せって。黙って行動するより、ルークの気持ちも考えてやれって…俺さ、ルークは俺とずっと一緒に居てくれるって思い込んでた」
俺こそ傲慢だった、ごめん。そう謝るジャックに、僕は首を左右に振る。
僕も、話し合いが足りなかった。全部一人で抱え込もうとして、失敗して…とんだ大馬鹿者だ。
最初からジャックに相談していれば、こんなすれ違い起きなかったのに。たらればばかりで嫌になる。
でももう、一人でどうにかしようとはしない。何かあったら、大好きな彼に相談すれば良いんだ。
「ジャック、ごめんね…もう、一人でどうにかしようとしないって誓う。さっきは嘘ついちゃったけど、あの時の約束だってちゃんと覚えてるよ」
「ルーク…!あぁ、俺も、これからは沢山話すって約束する!どうか、どうか俺と結婚してくれ!」
「…うん、よろしくね」
まさか、ジャックと恋人を通り越して結婚するなんて思ってもなかった。
でも本当に幸せで、ぽかぽかして…お腹の子を、二人で愛して育てていける未来に想いを馳せて。
嬉しい、嬉しい嬉しい!あぁ、僕は世界一の幸せものだ。
ジャックを見上げ、口付けを交わす。今までで一番甘くて幸せなキスだった。
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僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 一月十日のアルファポリス規約改定を受け、サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をこちらへ移しましたm(__)m サブ垢の『バウムクーヘンエンド』はこちらへ移動が出来次第、非公開となりますm(__)m)
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
推しのために自分磨きしていたら、いつの間にか婚約者!
木月月
BL
異世界転生したモブが、前世の推し(アプリゲームの攻略対象者)の幼馴染な側近候補に同担拒否されたので、ファンとして自分磨きしたら推しの婚約者にされる話。
この話は小説家になろうにも投稿しています。
片思いの練習台にされていると思っていたら、自分が本命でした
みゅー
BL
オニキスは幼馴染みに思いを寄せていたが、相手には好きな人がいると知り、更に告白の練習台をお願いされ……と言うお話。
今後ハリーsideを書く予定
気がついたら自分は悪役令嬢だったのにヒロインざまぁしちゃいましたのスピンオフです。
サイデュームの宝石シリーズ番外編なので、今後そのキャラクターが少し関与してきます。
ハリーsideの最後の賭けの部分が変だったので少し改稿しました。
イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
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