推しは未来の魔王様！？

原作開始前

15:初めてあれこれ＊

「っあ、も…くろさま、」
「こらこら、だーめ…初めてだからゆっくり、ね？」
「ひ、ぁっ…も、はやくぅ、」


ねっとりと首筋を舐め上げられ、ぢゅうと強めに吸い上げられる。
小さく走る僅かな痛みに、また痕をつけられたのだと理解すると何故か心が満たされた。
きっと今頃、俺の首元はクロ様の痕でいっぱいだろう。


それはそれで嬉しい、けど。
焦れに焦らされた身体が疼いて仕方ない…俺のそれは既に下衣を押し上げ主張している。
恥ずかしいし、ある意味辛い。


「レオの身体、どこも甘くて美味しいね…癖になりそうだよ」
「っあ！う…っ」


かぷり。尖る胸の突起を軽く食まれ、思わず悲鳴じみた声を上げた。
熱い舌肉で乳首を転がされ、思わず軽く腰が浮いてしまう。
どこもかしこもクロ様に触れられる度、甘い痺れが駆け抜ける。これは、大分やばい。


胸元に埋まる頭をそっと撫でると、顔を上げたクロ様に口付けられる。
触れ合うだけのそれですら、気持ち良い。
頭が馬鹿になりそうだ。与えられる快感に段々何も考えられなくなってきた。


「可愛い私のレオ…いっぱい感じて、声を聞かせて」


低く甘い声で囁かれた台詞に、俺の理性はぷっつりと切れてしまった。




「あ、っぁあ！ きもち、もっとぉ…！」


ぐちゅぐちゅと響く淫らな水音、俺の口から出る甘い嬌声。
時折聞こえるクロ様の熱を帯びた吐息…全てに、酷く興奮を掻き立てられる。
前もって解しておいた後孔は、既にクロ様の指を3本も咥え込み、きゅうきゅうと強く締め付けている。


恥ずかしさは既に消え、与えられる快楽に身を委ねる。


不意にぐりぐりと前立腺を押し上げられ、突然の強い快感に思わず軽い絶頂を迎える。
ゆっくりと引き抜かれていく指に、思わず肉襞を吸い付かせた。
生理的な涙で潤んだ瞳でクロ様を見上げると、欲情した視線とかち合った。思わず背筋が震える。


「レオ…痛かったらちゃんと言うんだよ」


そう言って充てがわれたクロ様の熱に、どうしようもなく胸が高鳴る。
あぁ、俺は今からこの人と繋がるんだ…。
クロ様に優しい気遣いに、俺はこくりと頷く。その様子に彼は笑みを浮かべると、そっと俺の腰を掴んだ。


ぐぷぷ、ゆっくりと熱く大きな質量が俺の中へと埋まっていく。
指とは比べ物にならない圧迫感に、思わず身体が強ばりそうになる…ゆっくりと深呼吸を繰り返した。
そんな俺を気遣う様に、クロ様はゆっくりゆっくりと腰を進める…痛みは全く、感じない。


そんな何処までも優しい行為に、思わず涙が溢れる。


「レオ、ごめん。痛かった？大丈夫？」
「だいじょぶ、です…すき、クロさまだいすき…」


彼の謝罪にゆるゆる首を左右に振る。
思ったままを口に出すと、安心した様に微笑まれた…ああ、すきだなぁ…。
顔中に唇を落としながら、ゆっくりと引かれるクロ様の腰。


熱で胎内を擦られる強い快感に、自然と声が溢れ出る。
これはやばい、何度目かの台詞を脳内で呟く。


「っはぁ…レオのナカ、熱くて狭くて溶けそうだよ…」


少し擦られただけでとんでもなく気持ちいのに、熱っぽい吐息と一緒にそんな事言われたら、たまらないに決まってる。
思わずクロ様のそれを締め付けた。


「っも、いわないで…っ、」
「かわいいレオ、もっと気持ち良くなって…」


ずりゅ、緩やかな律動が開始される。
熱い塊に奥を擦り上げられるのが気持ち良すぎて、もう何も考えられなかった。
ただただ、クロ様に溺れていく。


どれくらいの時間が経っただろうか？
数十分かもしれないし、数時間かもしれない…時間の感覚なんて、既にない。
分かるのは、クロ様に愛されているという事実。


互いの肌が打つかる音、接合部から聞こえる卑猥な水音…2人の、甘い吐息。
全てが愛おしくて、嬉しくて、気持ちよくて。
何度目か分からないキスをした。


「あっあ！ くろ、さまっ…も、いく、いくっ…！」
「っは…レオ、レオッ…私も、もう…！」
「んあ、アッ…おくごりごりしちゃッ…ひぅ、～～っ！」


ぐりり、クロ様が先端で最奥を抉じ開けようと腰を押し付ける。
ちかちかと目が眩む様な強い快楽に、俺は呆気なく熱を放った。
頭上で聞こえたクロ様の切羽詰まった声に、彼もほぼ同時に達したのだと気づいた瞬間、胎内で熱が弾ける…最奥に、クロ様の熱が注がれた。


初めてなのに、こんなに良くていいのだろうか？
癖になってしまいそう…クロ様の熱も、優しさも、快楽も…全て。
急激に襲った眠気に抗えず、俺はそっと瞼を閉じた。


翌朝、昨夜の行為が恥ずかしすぎてクロ様の顔が見れなかったのはご愛嬌だと思って欲しい。