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ヒーローが、来た
7:いざゆかん、お茶かいへ!
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「ミーシャ、お兄さまとのお約束は?」
「はい!はしらない、お手洗いははやめに申告、お菓子たべすぎない、リディ兄さまのそばから離れない!」
「うん、よし。ちゃんと守ろうね」
兄さまの言葉にこくこくと頷きをかえす。やる気はじゅうぶんです、ふんすふんす。
今日はまちにまったお茶かいとやら!我が家をひっとうにこの国のゆうりょく貴族の令息令嬢が集まっているらしい。でも、年齢層はちょっとたかめ。リディ兄さまとおなじくらいの子たちばかりみたいだ。
おさっしの通り、ぼくはあまりにもアウェイである。でも、お父さまのごめいれいだから仕方ない。因みに主催は、マクガレン侯爵家だそうです。
「さぁミーシャ、行こう」
自然な動作で差し出される兄さまのてを取り、ぼくたちは会場にあしをふみいれた。
今回は立食形式のガーデンパーティーがコンセプトみたいで、色鮮やかな花々がさきほこる庭園はそれはもうみごとだった。このお庭をみるだけでも価値があると思わせられる。きっと、今日のお茶かいの為にものすごく気合をいれたんだろう。
まずはじめに主催であるマクガレン侯爵令嬢に兄弟そろって挨拶をする。ふわふわとやわらかそうなブロンドに桃色の瞳をもった美人さんであるご令嬢は、兄さまに熱烈なしせんをおくっていた。
そこでようやく気付く。そうか、今日のお茶かいは婚活パーティー的なやくわりももっているのか!と。じぶんが鈍すぎてちょっといやになる。
もしかしたら今日、ぼくのお姉さまがきまるかもしれないってことだ!あわわ、どうしよう!
「ミーシャ、どうしたの?」
「えっと、あの、そのですね」
「うん。ゆっくりで良いから教えてごらん」
その場にスッと屈んでぼくとめせんを合わせてくれる兄さまに、一生懸命につたえる。ぼくは兄さまの恋路のじゃまはしませんと。
兄さまはゆるく首をかしげたままうごきを止めた。一部始終を見ていたマクガレン嬢はまぁ、と驚いた声をあげたけれどニコニコ笑ってくれている。どうやら、マクガレン嬢にはぼくのねついが伝わったらしい!
ふんすとちいさく鼻を鳴らしていきごむと、兄さまはプルプルと小刻みに震えていた。もしかして、ぼくの兄思いの言葉に感動してくれているのだろうか?
そうだったら良いなぁなんてのほほんとしていれば、兄さまはマクガレン嬢に軽くえしゃくをした後ぼくを抱き上げてからはやあるきで会場の隅にいった。
「ミーシャ、いい?俺はミーシャが一番なんだよ。わかる?」
「はい!でも、弟ばなれしてけっこんなさらないと駄目だと思います!」
「そうじゃなくてね。あぁもう、難しいな」
困ったようにうんうん唸っている兄さま。困り顔もかっこいいなんてずるいなぁなんて考えていたら、ぼくたちに近づいてくる人物がひとり。
陽光をはんしゃしてキラキラと輝くハニーブロンドの髪に、ぼくとは違って海を思わせるような深いあおいろの瞳。
何でぼくは、こんなに大事なことを忘れていたんだろう。主人公が公爵家に引き取られた後はじめて参加するお茶かいが、ヒーローであるダニエルと初めて出会うばしょなんだと。
ダニエルは侯爵家の次男で、今現在は騎士見習い。本格的に物語が始まるころには、王家につかえる近衛騎士にまでのぼりつめている。とってもつよいんだ。
「……かっこいい」
「は?」
思わずつぶやいた言葉に、兄さまが低い声でうなる。しまった、ダニエルは兄さまの運命のひとなのに!
慌ててふるふると首を左右に振り、一生懸命兄さまにしゃくめいする。大丈夫です、ぼくは兄さまからダニエルを奪ったりしませんからね!
「兄さま、違います!ぼくはじゅんすいに、おとことして彼がかっこいいとおもったんです!」
「純粋に、男として…?」
「はい!そこに恋愛かんじょうはいっさいありません!」
ダニエルはぼくの言葉にぽかんとしているけれど、今は兄さまへのいいわけのほうが先決だ!だって、ぼくがダニエルを好きだと勘違いされたままでは、謎の死一直線だから!それは避けたい!
ふすん。鼻息荒く言いきると、兄さまは男として…恋愛かんじょう…?とぶつぶつ呟いていた。なんだか少しだけ怖いです。
「…初めまして、ミーシャ様。かっこいいと言っていただけて光栄です。ダニエル・ガードナーと申します」
「え、あ、はじめまして!ミーシャ・ルリアンです…」
目の前に膝をつき、目線をあわせながら騎士の礼をしてくれるダニエル。はわ、や、やっぱりかっこいい…!
勿論兄さまもだいすきだけど、ぼくはダニエルもだいすきだった。男らしく、強くてかっこいいダニエルが憧れだった。
そんなダニエルが、今、目の前にいるなんて…!感動…!
さっきから興奮しっぱなしな自覚はあるから落ち着こうとすはすは深呼吸してたら、ダニエルは楽しそうにニコニコと笑ってくれていた。かっこいい上にやさしいなんて、さすがヒーロー!
「ミーシャ様のような高貴なお方の目に止まり、とても光栄です。今度一緒に、お出かけでも…」
「うわ、え、兄さま…?」
ぼくの手を取り甘くめもとをたわませていたダニエルがかっこよくてあまり話は聞いていなかったけど、突然の浮遊感にハッとする。
兄さまがぼくを抱き上げたからだ。すっぽりと腕の中に収まりながら兄さまを見上げると、とても不機嫌そうにみけんに皺を寄せてダニエルを睨んでいた。
そうだ、そう言えばお話の序盤はそんなに仲良くないんだった。家族に愛されて育ったダニエルに、リディが嫉妬していただけだったんだけど。
…あれ?でも兄さまは、今はぼくと仲良しだから嫉妬する必要なんて…?
「ミーシャ、帰ろう。礼儀知らずなど無視すればいいからね」
「礼儀知らずはそちらでは?幾ら兄君とは言え、弟様の外部交流を邪魔するのはいかがなものかと」
「侯爵家の次男、ましてや騎士見習い如きにそんな事言われる筋合いはないな」
至極ふゆかいそうにそう吐き捨てた兄さまにされるがまま、ぼくたちはお茶かいの会場を後にした。ぼくは兄さまがとても不機嫌な理由がよく分からなかった。
「はい!はしらない、お手洗いははやめに申告、お菓子たべすぎない、リディ兄さまのそばから離れない!」
「うん、よし。ちゃんと守ろうね」
兄さまの言葉にこくこくと頷きをかえす。やる気はじゅうぶんです、ふんすふんす。
今日はまちにまったお茶かいとやら!我が家をひっとうにこの国のゆうりょく貴族の令息令嬢が集まっているらしい。でも、年齢層はちょっとたかめ。リディ兄さまとおなじくらいの子たちばかりみたいだ。
おさっしの通り、ぼくはあまりにもアウェイである。でも、お父さまのごめいれいだから仕方ない。因みに主催は、マクガレン侯爵家だそうです。
「さぁミーシャ、行こう」
自然な動作で差し出される兄さまのてを取り、ぼくたちは会場にあしをふみいれた。
今回は立食形式のガーデンパーティーがコンセプトみたいで、色鮮やかな花々がさきほこる庭園はそれはもうみごとだった。このお庭をみるだけでも価値があると思わせられる。きっと、今日のお茶かいの為にものすごく気合をいれたんだろう。
まずはじめに主催であるマクガレン侯爵令嬢に兄弟そろって挨拶をする。ふわふわとやわらかそうなブロンドに桃色の瞳をもった美人さんであるご令嬢は、兄さまに熱烈なしせんをおくっていた。
そこでようやく気付く。そうか、今日のお茶かいは婚活パーティー的なやくわりももっているのか!と。じぶんが鈍すぎてちょっといやになる。
もしかしたら今日、ぼくのお姉さまがきまるかもしれないってことだ!あわわ、どうしよう!
「ミーシャ、どうしたの?」
「えっと、あの、そのですね」
「うん。ゆっくりで良いから教えてごらん」
その場にスッと屈んでぼくとめせんを合わせてくれる兄さまに、一生懸命につたえる。ぼくは兄さまの恋路のじゃまはしませんと。
兄さまはゆるく首をかしげたままうごきを止めた。一部始終を見ていたマクガレン嬢はまぁ、と驚いた声をあげたけれどニコニコ笑ってくれている。どうやら、マクガレン嬢にはぼくのねついが伝わったらしい!
ふんすとちいさく鼻を鳴らしていきごむと、兄さまはプルプルと小刻みに震えていた。もしかして、ぼくの兄思いの言葉に感動してくれているのだろうか?
そうだったら良いなぁなんてのほほんとしていれば、兄さまはマクガレン嬢に軽くえしゃくをした後ぼくを抱き上げてからはやあるきで会場の隅にいった。
「ミーシャ、いい?俺はミーシャが一番なんだよ。わかる?」
「はい!でも、弟ばなれしてけっこんなさらないと駄目だと思います!」
「そうじゃなくてね。あぁもう、難しいな」
困ったようにうんうん唸っている兄さま。困り顔もかっこいいなんてずるいなぁなんて考えていたら、ぼくたちに近づいてくる人物がひとり。
陽光をはんしゃしてキラキラと輝くハニーブロンドの髪に、ぼくとは違って海を思わせるような深いあおいろの瞳。
何でぼくは、こんなに大事なことを忘れていたんだろう。主人公が公爵家に引き取られた後はじめて参加するお茶かいが、ヒーローであるダニエルと初めて出会うばしょなんだと。
ダニエルは侯爵家の次男で、今現在は騎士見習い。本格的に物語が始まるころには、王家につかえる近衛騎士にまでのぼりつめている。とってもつよいんだ。
「……かっこいい」
「は?」
思わずつぶやいた言葉に、兄さまが低い声でうなる。しまった、ダニエルは兄さまの運命のひとなのに!
慌ててふるふると首を左右に振り、一生懸命兄さまにしゃくめいする。大丈夫です、ぼくは兄さまからダニエルを奪ったりしませんからね!
「兄さま、違います!ぼくはじゅんすいに、おとことして彼がかっこいいとおもったんです!」
「純粋に、男として…?」
「はい!そこに恋愛かんじょうはいっさいありません!」
ダニエルはぼくの言葉にぽかんとしているけれど、今は兄さまへのいいわけのほうが先決だ!だって、ぼくがダニエルを好きだと勘違いされたままでは、謎の死一直線だから!それは避けたい!
ふすん。鼻息荒く言いきると、兄さまは男として…恋愛かんじょう…?とぶつぶつ呟いていた。なんだか少しだけ怖いです。
「…初めまして、ミーシャ様。かっこいいと言っていただけて光栄です。ダニエル・ガードナーと申します」
「え、あ、はじめまして!ミーシャ・ルリアンです…」
目の前に膝をつき、目線をあわせながら騎士の礼をしてくれるダニエル。はわ、や、やっぱりかっこいい…!
勿論兄さまもだいすきだけど、ぼくはダニエルもだいすきだった。男らしく、強くてかっこいいダニエルが憧れだった。
そんなダニエルが、今、目の前にいるなんて…!感動…!
さっきから興奮しっぱなしな自覚はあるから落ち着こうとすはすは深呼吸してたら、ダニエルは楽しそうにニコニコと笑ってくれていた。かっこいい上にやさしいなんて、さすがヒーロー!
「ミーシャ様のような高貴なお方の目に止まり、とても光栄です。今度一緒に、お出かけでも…」
「うわ、え、兄さま…?」
ぼくの手を取り甘くめもとをたわませていたダニエルがかっこよくてあまり話は聞いていなかったけど、突然の浮遊感にハッとする。
兄さまがぼくを抱き上げたからだ。すっぽりと腕の中に収まりながら兄さまを見上げると、とても不機嫌そうにみけんに皺を寄せてダニエルを睨んでいた。
そうだ、そう言えばお話の序盤はそんなに仲良くないんだった。家族に愛されて育ったダニエルに、リディが嫉妬していただけだったんだけど。
…あれ?でも兄さまは、今はぼくと仲良しだから嫉妬する必要なんて…?
「ミーシャ、帰ろう。礼儀知らずなど無視すればいいからね」
「礼儀知らずはそちらでは?幾ら兄君とは言え、弟様の外部交流を邪魔するのはいかがなものかと」
「侯爵家の次男、ましてや騎士見習い如きにそんな事言われる筋合いはないな」
至極ふゆかいそうにそう吐き捨てた兄さまにされるがまま、ぼくたちはお茶かいの会場を後にした。ぼくは兄さまがとても不機嫌な理由がよく分からなかった。
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