エリート社長は転生返りしたい?オメガバースを調べたばっかりに・・・、オメガ―バースの世界に転生。よりにもよってΩかよ。

風魔小太郎

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社長編

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「んでだね、この前のゴルフのスコアなんて98だよ。いやー、僕も成長しちゃってねぇ。そうそう成長したと言えば、うちの孫なんかがさー」

 この企業に来て取引についての話はすでに決着がついて、およそ10分。
 やはり、話が長くなる社長だったので、早々に契約の話を済ませて正解だった。これが、契約の話もこんな感じだったら、3時間以上時間を費やしたかもしれない。

「へぇ、そうなんですね」

 気持ち的にはもうこの社長の話には興味はない。
 だが、エリートである俺様はこういった雑談の情報も瞬間記憶能力によって、覚えることができる。数千の社長と顔を合わせてきたが、全ての社長の名前と、こういった雑談の内容も混同することなくはっきりと覚えている。

 ある若い女性社員がメガネをかけた中年男性の違いがわからないと言ったり、中年男性社員が、若い女の子は化粧をして同じような顔をしてわからないなんて言っているが、俺様には、自分は無能ですと主張しているようにしか感じない。

「お孫さんは、お琴までやっているなんてすごいですね」

 こんな風に頭の中で別なことを考えていても、ちゃんと会話ができるのが俺様ベースでは当たり前。ただ、本当に長すぎる。

「黒沢社長、そろそろ次のご予定の時間になります」

「むっ」

 田島くんが会話に割って入ると、向こうの社長がとても不機嫌な顔になった。

「おい、田島くん。今大事な話をしているのがわからんのか?無駄に水を差して・・・失礼じゃないか!!」

 俺様は激しく怒鳴る。

「ですが・・・」

「ですがじゃないっ!!」

「まぁまぁ、黒沢社長。僕はいいですから、許してあげてください」

「ですが・・・・・」

 俺様は申し訳なさそうな顔で相手の社長の顔を伺うと、頷いた。

「わかりました。では、この続きは後日」

 俺様と田島くんは頭を下げて、そして、早歩きでエレベーターへと向かう。
 俺様は怒った表情で、田島くんは申し訳なさそうな顔で。

 そして、エレベーターが1階につき、車に乗る。

「お願いします」

 田島くんがそう言うと、運転手が出発する。
 車が動き出して、会社が見えなくなると、お互い表情を普通に戻して次の仕事の話をする。
 運転手がいる前だからというのもあるし、もうこれが平常運転ということもあるが、長話をする相手には、俺様が会話を切らず、秘書の田島くんに切らす。そして、相手が引くくらいに俺様が田島くんを怒って、雰囲気を悪くして、田島くんのせいにして、帰らせてもらう。

 茶番だと思うかもしれないし、漫画などの作り話の世界だけだと思うかもしれないが、これが、意外と年配の社長などには効くのだ。会社及び、会社の代表である俺様の評価を落とさずに名も知らない社員が差し出がましいことをしたという状況はとても素晴らしいのでぜひ参考にしてもらいたい。参考にすれば、キミもブラック企業の社長の仲間入りだ。

 そこら辺、優秀な田島くんはわかっていて快く進んでやってくれる。だから、ビジネスパートナーとして好きなのだが。これは俺様の妄想ではない。一度田島くんに聞いたら、彼女は任侠ものの映画とか、時代劇、悲劇が好きで、その役を演じているみたいなので、楽しんでいると回答してくれた。ちゃんと、言質を取ってある。ボイスレコーダーに。

 そこら辺の社員なら、人前で恥をかきたくないだろうし、ハラスメントで訴えてもおかしくない。しかし、この手法は嘘みたいに使えるので、田島くんは必要不可欠なのだ。
 だから、生理休暇など、与えることは・・・・・・絶対にできない。
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