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はじまり
009 バスに揺られて
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バスに揺られる圭の視界に、今日も変わらぬ校舎の姿が見えてきた。
叉葉山高等学校。
理事会が所有する小高い山の南側斜面に大きく手を加え、麓から中腹へとかけて建造された校舎の全景は、趣と同時に威容も兼ね備えている。
南側の麓から緩やかな曲線を描く車道と、稲妻を模したかのように幾重にも折れ曲がった複数の石段。
いずれも中腹よりもやや下に位置する校舎広場へと続いており、朝は学生の発する賑々しい喧騒に包まれている。
時間に余裕をもって登校する者は車道に併設されている歩道をハイキング気分で楽しみ、逆に追われる者は呪いの言葉を吐きながら石段を駆け上がってゆく。
バスの本数はそんなに多くはないので、逃してしまった者は必然的に後者の仲間入りとなるのだ。
そんな光景は叉葉山高の朝の風物詩となっている。
特徴的な外観もさることながら、叉葉山高は特異な学校として全国にその名を知られていた。
国内で初めて『退魔師養成科』を特設した学校である事だ。
退魔師。
その名の通り、世に跋扈する魔を祓う事を生業とした者達の総称である。
魔。日本人に耳馴染みのある言い方をすれば、妖怪や魑魅魍魎といったものになるが、近年においては『侵蝕者』と呼んだ方が人々の理解を得られやすい。
元来、歴史の陰に隠れるように血筋を繋いできたという退魔師。その存在は絵物語かという御時世だったのはほんの数年前まで。
政府が侵蝕者の存在を隠しきれなくなり公の場で認めざるを得なくなるや否や、退魔師もその姿を表舞台へと移す事となったのだ。
それほどまでに、侵蝕者は現代人を脅かす巨大な存在へと成長してしまったと言える。
圭も俄には信じ難かったが、なにしろ身近にいた者が退魔師の家系だったというのだ。
それが緋美佳だ。
信頼のおける人物から詳細を説明されれば一笑に伏す訳にもいかず、なにより侵蝕者の存在を視野の外に置いておける程に圭は楽観的な性格ではなかった。
叉葉山高が擁する退魔師養成科の生徒は総勢二百名弱。全生徒数の四割程度に相当する。
在学する生徒には退魔の血筋にある者も多いが、現在は形骸化してしまっている家系も珍しくはなく、退魔師として確実な力量を有しているのはその中から更に一割にも満たない。
残念ながらこれが現実であるが、侵蝕者がいつ溢れ出るとも分からない現在。叉葉山高は広く世の中に警告を促す広告塔の役目も担っており、また、一般企業にも増えてきている対侵蝕者部門を持つ警備会社等への人員輩出にも繋がっている。
一口で退魔師とは言っても、魔に対抗するための手段は近代武器に頼る場面も多くなっており、本人に特殊な素養が無くとも退魔師として成り立っていける昨今なのだ。
圭達が籍を置くのは普通科だが、申請が認められれば学期途中の移籍も可能となっており、実際に退魔師養成科へと移る者も定期的に出ていると聞く。
もっと自分を試してみたい者。卒業後の就職に有利になると思った者。或いはそれまで自らも気付かずにいた能力を認められて学校側より勧められる者。その理由は様々だ。
自宅から近い。緋美佳が通っている。その二点だけで進学校を決めたような圭には退魔師養成科に籍を置く自身の姿など想像もつかない。
常に退魔師養成科への移籍の機会が与えられている以上、基礎知識修得と体力作りのための授業は組み込まれており、可能性としては皆無とは言えないのだが。
(緋美姉も居るし、移籍も悪くないかも)
そんな事に思いを巡らせ――
「……あー」
隣の座席で流れる風景に意識が向いている眞尋に気付かれないよう、圭は嘆息した。
緋美佳は間違いなく、真剣に退魔師としての将来を見据えている。考えてみれば色恋沙汰の話を聞かないのも、それが大きな理由のひとつである事は疑いようもない。
緋美佳の生家である鷸宮は退魔の血を現代に伝える数少ない家系なのだ。
そうと聞かされた時、圭は力のない笑いを漏らしたものだったが、緋美佳から滲み出る常人離れした凛々しさはそういった背景もあるからなのだと納得もした。
そんな緋美佳と同じ科で過ごしたいなどという、甘ったれた幻想を一瞬でも抱いた事を恥ずかしく感じた圭は瞼を閉じた。
そして平静を取り戻そうと深呼吸を繰り返すうちに、意識は次第にまどろんでいった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
(ザナルスィバについてだが。お前は知っておく権利があるし、また、それが義務でもある)
――ザナル……? ああ…、さっきの女の人が言ってた……。
自身の置かれた状況は即座に理解できた。バスに揺られるうちに居眠りを始めてしまったのだ。
校舎が見え始めていたとはいえ、徒歩で通学するにはなかなかにきつい道程である。校舎広場前のバス停到着までに、うたた寝する程度の時間はあった。
(女……アレイツァだな。あの女には気をつけた方がいい。気紛れで何を言い出すか分からないからな。無関係でいられるのならその方が良いくらいだ)
早くも聞き馴れた感のある声だったが、前回のように砕けた口調ではなかった。
微かな緊張をもって響いてくるのは、これから告げようとする内容が軽んじて良い事ではないからなのだろう。
――権利に義務か。大仰なんだな。
こうも連続してキャスティングの変わらぬ夢を見る事も珍しいが、所詮は夢の中の出来事だ。
今朝のように強引に中座させたりせず、どういう結末を迎えるのか見てみたいと圭は思い始めていた。
とりあえず先の女性に名が付いたのは面白いネタになるだろう。もしも一樹が親密な関係を築く事に成功していたならば、正解を聞いてみねばと考える。
(いいか、ザナルスィバというのは現在のお前自身の事だ)
特に勿体ぶる事もなく声は語った。
突然の衝撃告白! ……の筈なのだが、圭は怪訝そうに眉を寄せるだけだった。
――なんだそりゃ。意味わかんないぞ?
どんな真実が暴かれるのかと期待していた分、肩すかしをくらった気分になる。
ここで新たに圭の知らない単語が出てくれば面白味が増したかもしれないが、結局は夢の話。やはり凡人の発想力ではこの辺りが限界なのか。
(そう言ってくれるなよ。俺も昔は同じような反応だったしな)
声の主は、かつて自身もザナルスィバであったという事を仄めかす。
(先代ザナルスィバであった俺は死に、次にお前が選ばれた。これを偶然とみるか必然……、或いは運命とみるかは自由だ)
圭は黙して考える。
――で、ザナルスィバってのは何なんだ?
(それを今ここで説明するには時間が足りないな。今後じっくり説明してもいいし、その前にお前自身で理解するかもしれない)
声の波が揺らぎ、雑音が混じり始めた。
圭の意識は急激に背後へと引き戻される感覚に包まれた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「圭ちゃん、大丈夫?」
目を開いた圭を待っていたのは、心配そうに覗き込む眞尋だった。
どうも奇妙な夢見のせいで、難しい顔をしていたようだ。
「いや、どうにも変な事続きだよな……」
圭は言葉を濁すように返答する。
実際、昨日の朝からして常識外れな出来事に見舞われているのだが、更に説明のつけられない夢の話をしてみたところでどうなるものでもないと断じていた。
仮に眞尋に話したとして。軽く笑い飛ばしてくれれば後腐れもないのだろうが、眞尋の事である。なんだかんだと腐心し世話を焼こうとするだろう。
たかだか夢の話で他人の手を煩わせたくはなかったし、何よりそんな事になれば面倒臭いと感じるだけだ。
「でもでもっ。圭ちゃんには私がついてるんだから。いつでも甘えていいんだからねっ」
小さな拳を作り、無駄に気合いの入った表情を見せる眞尋。
元気づけてくれようとしているのは理解できるのだが、言葉のチョイスが微妙にずれているように思えてならない。
圭は小さく息を吐くと、背をクッションの弱いシートに預ける。
バスが目的地に着くまでの残り時間では、眠る事は出来なさそうだった。
叉葉山高等学校。
理事会が所有する小高い山の南側斜面に大きく手を加え、麓から中腹へとかけて建造された校舎の全景は、趣と同時に威容も兼ね備えている。
南側の麓から緩やかな曲線を描く車道と、稲妻を模したかのように幾重にも折れ曲がった複数の石段。
いずれも中腹よりもやや下に位置する校舎広場へと続いており、朝は学生の発する賑々しい喧騒に包まれている。
時間に余裕をもって登校する者は車道に併設されている歩道をハイキング気分で楽しみ、逆に追われる者は呪いの言葉を吐きながら石段を駆け上がってゆく。
バスの本数はそんなに多くはないので、逃してしまった者は必然的に後者の仲間入りとなるのだ。
そんな光景は叉葉山高の朝の風物詩となっている。
特徴的な外観もさることながら、叉葉山高は特異な学校として全国にその名を知られていた。
国内で初めて『退魔師養成科』を特設した学校である事だ。
退魔師。
その名の通り、世に跋扈する魔を祓う事を生業とした者達の総称である。
魔。日本人に耳馴染みのある言い方をすれば、妖怪や魑魅魍魎といったものになるが、近年においては『侵蝕者』と呼んだ方が人々の理解を得られやすい。
元来、歴史の陰に隠れるように血筋を繋いできたという退魔師。その存在は絵物語かという御時世だったのはほんの数年前まで。
政府が侵蝕者の存在を隠しきれなくなり公の場で認めざるを得なくなるや否や、退魔師もその姿を表舞台へと移す事となったのだ。
それほどまでに、侵蝕者は現代人を脅かす巨大な存在へと成長してしまったと言える。
圭も俄には信じ難かったが、なにしろ身近にいた者が退魔師の家系だったというのだ。
それが緋美佳だ。
信頼のおける人物から詳細を説明されれば一笑に伏す訳にもいかず、なにより侵蝕者の存在を視野の外に置いておける程に圭は楽観的な性格ではなかった。
叉葉山高が擁する退魔師養成科の生徒は総勢二百名弱。全生徒数の四割程度に相当する。
在学する生徒には退魔の血筋にある者も多いが、現在は形骸化してしまっている家系も珍しくはなく、退魔師として確実な力量を有しているのはその中から更に一割にも満たない。
残念ながらこれが現実であるが、侵蝕者がいつ溢れ出るとも分からない現在。叉葉山高は広く世の中に警告を促す広告塔の役目も担っており、また、一般企業にも増えてきている対侵蝕者部門を持つ警備会社等への人員輩出にも繋がっている。
一口で退魔師とは言っても、魔に対抗するための手段は近代武器に頼る場面も多くなっており、本人に特殊な素養が無くとも退魔師として成り立っていける昨今なのだ。
圭達が籍を置くのは普通科だが、申請が認められれば学期途中の移籍も可能となっており、実際に退魔師養成科へと移る者も定期的に出ていると聞く。
もっと自分を試してみたい者。卒業後の就職に有利になると思った者。或いはそれまで自らも気付かずにいた能力を認められて学校側より勧められる者。その理由は様々だ。
自宅から近い。緋美佳が通っている。その二点だけで進学校を決めたような圭には退魔師養成科に籍を置く自身の姿など想像もつかない。
常に退魔師養成科への移籍の機会が与えられている以上、基礎知識修得と体力作りのための授業は組み込まれており、可能性としては皆無とは言えないのだが。
(緋美姉も居るし、移籍も悪くないかも)
そんな事に思いを巡らせ――
「……あー」
隣の座席で流れる風景に意識が向いている眞尋に気付かれないよう、圭は嘆息した。
緋美佳は間違いなく、真剣に退魔師としての将来を見据えている。考えてみれば色恋沙汰の話を聞かないのも、それが大きな理由のひとつである事は疑いようもない。
緋美佳の生家である鷸宮は退魔の血を現代に伝える数少ない家系なのだ。
そうと聞かされた時、圭は力のない笑いを漏らしたものだったが、緋美佳から滲み出る常人離れした凛々しさはそういった背景もあるからなのだと納得もした。
そんな緋美佳と同じ科で過ごしたいなどという、甘ったれた幻想を一瞬でも抱いた事を恥ずかしく感じた圭は瞼を閉じた。
そして平静を取り戻そうと深呼吸を繰り返すうちに、意識は次第にまどろんでいった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
(ザナルスィバについてだが。お前は知っておく権利があるし、また、それが義務でもある)
――ザナル……? ああ…、さっきの女の人が言ってた……。
自身の置かれた状況は即座に理解できた。バスに揺られるうちに居眠りを始めてしまったのだ。
校舎が見え始めていたとはいえ、徒歩で通学するにはなかなかにきつい道程である。校舎広場前のバス停到着までに、うたた寝する程度の時間はあった。
(女……アレイツァだな。あの女には気をつけた方がいい。気紛れで何を言い出すか分からないからな。無関係でいられるのならその方が良いくらいだ)
早くも聞き馴れた感のある声だったが、前回のように砕けた口調ではなかった。
微かな緊張をもって響いてくるのは、これから告げようとする内容が軽んじて良い事ではないからなのだろう。
――権利に義務か。大仰なんだな。
こうも連続してキャスティングの変わらぬ夢を見る事も珍しいが、所詮は夢の中の出来事だ。
今朝のように強引に中座させたりせず、どういう結末を迎えるのか見てみたいと圭は思い始めていた。
とりあえず先の女性に名が付いたのは面白いネタになるだろう。もしも一樹が親密な関係を築く事に成功していたならば、正解を聞いてみねばと考える。
(いいか、ザナルスィバというのは現在のお前自身の事だ)
特に勿体ぶる事もなく声は語った。
突然の衝撃告白! ……の筈なのだが、圭は怪訝そうに眉を寄せるだけだった。
――なんだそりゃ。意味わかんないぞ?
どんな真実が暴かれるのかと期待していた分、肩すかしをくらった気分になる。
ここで新たに圭の知らない単語が出てくれば面白味が増したかもしれないが、結局は夢の話。やはり凡人の発想力ではこの辺りが限界なのか。
(そう言ってくれるなよ。俺も昔は同じような反応だったしな)
声の主は、かつて自身もザナルスィバであったという事を仄めかす。
(先代ザナルスィバであった俺は死に、次にお前が選ばれた。これを偶然とみるか必然……、或いは運命とみるかは自由だ)
圭は黙して考える。
――で、ザナルスィバってのは何なんだ?
(それを今ここで説明するには時間が足りないな。今後じっくり説明してもいいし、その前にお前自身で理解するかもしれない)
声の波が揺らぎ、雑音が混じり始めた。
圭の意識は急激に背後へと引き戻される感覚に包まれた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「圭ちゃん、大丈夫?」
目を開いた圭を待っていたのは、心配そうに覗き込む眞尋だった。
どうも奇妙な夢見のせいで、難しい顔をしていたようだ。
「いや、どうにも変な事続きだよな……」
圭は言葉を濁すように返答する。
実際、昨日の朝からして常識外れな出来事に見舞われているのだが、更に説明のつけられない夢の話をしてみたところでどうなるものでもないと断じていた。
仮に眞尋に話したとして。軽く笑い飛ばしてくれれば後腐れもないのだろうが、眞尋の事である。なんだかんだと腐心し世話を焼こうとするだろう。
たかだか夢の話で他人の手を煩わせたくはなかったし、何よりそんな事になれば面倒臭いと感じるだけだ。
「でもでもっ。圭ちゃんには私がついてるんだから。いつでも甘えていいんだからねっ」
小さな拳を作り、無駄に気合いの入った表情を見せる眞尋。
元気づけてくれようとしているのは理解できるのだが、言葉のチョイスが微妙にずれているように思えてならない。
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