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始まりの唄
少女・ゆのかの家出
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人一人いない、静かな夜。
街灯は、ぽつりぽつりと頼りなさげに道を照らす。淡い色の家が建ち並ぶお洒落な外観とは裏腹に、不気味さが残る。
『不浄の悪魔に連れさらわれちゃうよ。』
この州では、大人も子どももそう言う。だから夜は、誰も外を出歩かない。
おかげで、時が止まったと錯覚してしまいそうになる。
──まるで、街が死んでいるみたいだ。
「はぁ…っ、はぁっ…………」
そんな街の中を、1人の少女が走っていた。線のような三日月が、何かから逃げるように必死に走る少女を照らす。
名前はゆのか。年は16歳。道行く人が思わず振り向いてしまうほど、顔立ちが整っている。スッと通った鼻筋に、薄い唇。二重で大きな深緑の瞳は、悲しみと絶望を秘めながらも、美しい。
だが、やつれた顔に青白い肌、そして、今にも折れてしまいそうな手足が、彼女の美しさを霞ませた。
(急がなきゃっ……使用人さんに、見つかっちゃう…!)
真夜中に、静まり返った街中をたった1人で走っている理由は、家出だった。
家の使用人や、この州に住む人達に見つかってしまわないよう、危険を承知でわざわざ夜を選んだのだった。
普段着ることのない全身黒い服装。黒い帽子も被り、長い髪を中に隠して夜に紛れる。少しはみ出た金髪がキラキラ輝いた。
「はぁー…はぁー……」
ゆのかは足を止めて、膝に手を置いた。
(疲れた……)
息を整えようと、深呼吸するも、ヒュ…ヒュ…とかすれた音が鳴った。喉の奥が突き刺されるように、ズキズキ痛む。
(こんなに走ったの……いつぶり…かな?)
細い足で、今にも崩れそうな自分を必死に支える。
座り込む訳にはいかなかった。きっともう使用人がゆのかの家出に気づいて、捜し始めている頃に違いない。
(でも、私は…何としてでも……“家出”を、成功させなきゃ………)
ようやく、荒い呼吸が収まってきた。だがゆのかの胸は、キリキリと痛み出す。
いろんな人を、苦しませた。
いろんな人を、傷つけた。
それでも、家に縛られるように守られていた彼女には、何の制裁も与えられなかった。
(そんな私が…これ以上、のうのうと生きていていいわけない。)
涙が溢れそうになる。慌てて首を振った。
立ち止まっている暇はない。少し休んだら、疲れがとれた気がした。ゆのかは、目的地に向かって再び走った。
(今の私を見たら…みんなは、何て思うかな…?)
とうの昔に別れた、大好きな幼馴染達の顔が思い浮かぶ。
(最後に、一目…会いたかったな……私にはもう、そんな資格…ないけど…)
“会う”という選択肢を切り捨てたものの、やっぱり最後に伝えたいことがあったゆのかは、幼馴染に向けて手紙を書いた。
『大好きなみんなへ
私は今日、この州を出ます。
もし、家出に失敗したら、私が大好きな場所へ行きます。
“必ずまた会おう”って約束、まだ覚えていますか?
あの約束があったから、私は、みんなとお別れした後も頑張ることが出来ました。
でも、それも今日で終わりにしようと思います。
勝手に約束を破って、ごめんなさい。迷惑をいっぱいかけて、本当にごめんなさい。
みんなと過ごした時間は、何よりも大切な私の宝物です。
もう会うことは、きっとないと思う。だから、私のことは忘れてください。
みんなの幸せを祈ってます。どうかお元気で。さよなら。』
郵便局に出すことができない手紙。差出人を調べられて、ゆのかと関わっていたなんてことが知られたら…幼馴染達に迷惑がかかるからだ。
だからゆのかは家出してすぐ、幼馴染の1人の家のポストにこの手紙を入れた。もちろん、誰かに見つかっても分からないように、名前は伏せて。
(今思えば…酷い言葉をたくさん書いて、嫌われる内容の方が、よかったのかな…?
でも…今更、手紙を取りに行く暇も、書き換える暇もないから……しょうがない…か。)
余計なことをして使用人に見つかってしまったら、本末転倒。ゆのかは、逃げることに専念することにした。
(今は…なんとか“家出”を、成功させないと。
このまま進めば…この州を出られる。)
家出するにあたって、ゆのかは2つの計画を練っていた。
1つ目は、使用人から何とか逃げ切って、この州から脱出すること。
この州── ホペ=アンテ=デサペ州、通称“ホペ州”は、周りが海で囲まれている小さな島。他の州に行くには、ホペ州にある唯一の橋を渡らなければならない。
しかし、頑張って走ってはいるものの…家から橋までかなりの距離がある上に、交通機関があまり発達していないため、かなり時間がかかってしまっているのが現状だ。
(私の家出に気づかれて、橋が封鎖される前に…早く行かなきゃ……)
固く決心して、分かれ道を右に曲がろうとしたその時だった。
「休んでいる暇はないぞ!!捜せ!!!」
「も…申し訳ありません…!」
夜の静けさを切り裂くような、鋭い声が響き渡る。
(…!!!)
足を止める。
低い声だった。しかも、かなり近い。足音からして、どうやらこちらに向かっているようだった。
(まさか、使用人さん…?
っ、どうしよう……どうしよう?!)
すぐさま辺りを見渡す。目に入ったのは、家と家のわずかな隙間だった。
今いる道よりもさらに暗くて、狭く…汚くて、不気味な場所。
(…それでも)
捕まることを考えれば、躊躇う暇はない。滑り込むように隙間に入る。黒いフードを被ったと同時に、3つの人影が見えた。
「オマエがちんたらしているせいで、ゆのか様が見つからなかったらっ、どうするつもりだ?!」
「クビじゃすまねぇぞ?!!」
「すみません…っ、すみません!!」
ゆのかの体が硬直する。心臓は、今までにないくらい速く動いていた。
(私を…捜しにきた……使用人さんだ……)
会話の内容からして、間違いない。わずか数m先で、1人の若い男の使用人が、他の2人に怒鳴られている。
(もし…今、見つかったら……私…私っ…)
家出失敗。捕まって、元の生活に逆戻り。
そんな言葉が、頭の中をぐるぐる回る。硬直していた体はガタガタ震え、荒い呼吸はどんどん浅くなっていく。
それでも決して見つかるまいと…苦しさの中、ゆのかは息を止めた。
(お願い……っ、早く…行って……!!
私は……あんな家に…もう、戻りたくないの……)
指を交互に組んで、すがるように天に祈る。
「こ、この辺に…いるんですかねぇ…?」
「フン!見て分からんのか?!ゆのか様がこんな場所にいる訳ないだろう!!
なんてったってこの辺は、“アレ”がある…“あの方”のお孫様が、この近辺に来るわけがない!!!」
「それより橋だっ!!別の州に逃げられでもしたらっ、手も足も出ねぇ!!」
「応援に行くぞ!!」
使用人達はそう騒いで、ダッダッ!!とその場を走り去った。
辺りは何事も無かったかのように、また静かな世界に戻っていた。ゆのかは、家の陰からそっと顔を出した。
(いなくなってる…よかった……)
どうやら、願いが届いたようだ。
止めていた息を吐ききる。その拍子に涙が1粒、ポロリと落ちた。
その涙が、安心か絶望か、ゆのかには分からなかった。
(足…動かすと、痛い………)
ゆのかは、土埃で服が汚れることなんて気にもせず、その場に座り込んだ。
(息…苦しいなぁ……)
建物の隙間から見える三日月は、夜空で立派に輝いていた。
小さな手を伸ばす。涙で滲み、原型をとどめていない。
唯一の逃げ道であるホペ州唯一の橋へ、使用人達が向かっている。
(しかも…さっきの3人だけじゃない……“応援”って、言ってた…きっと、もっとたくさん、橋にいて…私を捕まえようとしているんだ………
あの長いトンネルみたいな橋を渡って、逃げ切るなんて…絶対、無理……)
1つ目の計画は、失敗。ゆのかが家出を続けるには、2つ目の家出計画を実行する以外、方法はなかった。
(これで…いいんだ……
ホペ州の人が、“本当のこと”を知ったら…きっと……)
ゆのかは、涙を拭った。
(……行かなきゃ。
大好きな…“あの場所”に。)
ひとりぼっちではない気がした。不思議と、勇気が湧いた。
疲れを忘れて立ち上がる。ゆのかは、元の道に出て、来た道を戻った。
(やっと…終わりに…できる……)
昂る鼓動と、小さな足音が…ゆのかの中で重なり合った。
街灯は、ぽつりぽつりと頼りなさげに道を照らす。淡い色の家が建ち並ぶお洒落な外観とは裏腹に、不気味さが残る。
『不浄の悪魔に連れさらわれちゃうよ。』
この州では、大人も子どももそう言う。だから夜は、誰も外を出歩かない。
おかげで、時が止まったと錯覚してしまいそうになる。
──まるで、街が死んでいるみたいだ。
「はぁ…っ、はぁっ…………」
そんな街の中を、1人の少女が走っていた。線のような三日月が、何かから逃げるように必死に走る少女を照らす。
名前はゆのか。年は16歳。道行く人が思わず振り向いてしまうほど、顔立ちが整っている。スッと通った鼻筋に、薄い唇。二重で大きな深緑の瞳は、悲しみと絶望を秘めながらも、美しい。
だが、やつれた顔に青白い肌、そして、今にも折れてしまいそうな手足が、彼女の美しさを霞ませた。
(急がなきゃっ……使用人さんに、見つかっちゃう…!)
真夜中に、静まり返った街中をたった1人で走っている理由は、家出だった。
家の使用人や、この州に住む人達に見つかってしまわないよう、危険を承知でわざわざ夜を選んだのだった。
普段着ることのない全身黒い服装。黒い帽子も被り、長い髪を中に隠して夜に紛れる。少しはみ出た金髪がキラキラ輝いた。
「はぁー…はぁー……」
ゆのかは足を止めて、膝に手を置いた。
(疲れた……)
息を整えようと、深呼吸するも、ヒュ…ヒュ…とかすれた音が鳴った。喉の奥が突き刺されるように、ズキズキ痛む。
(こんなに走ったの……いつぶり…かな?)
細い足で、今にも崩れそうな自分を必死に支える。
座り込む訳にはいかなかった。きっともう使用人がゆのかの家出に気づいて、捜し始めている頃に違いない。
(でも、私は…何としてでも……“家出”を、成功させなきゃ………)
ようやく、荒い呼吸が収まってきた。だがゆのかの胸は、キリキリと痛み出す。
いろんな人を、苦しませた。
いろんな人を、傷つけた。
それでも、家に縛られるように守られていた彼女には、何の制裁も与えられなかった。
(そんな私が…これ以上、のうのうと生きていていいわけない。)
涙が溢れそうになる。慌てて首を振った。
立ち止まっている暇はない。少し休んだら、疲れがとれた気がした。ゆのかは、目的地に向かって再び走った。
(今の私を見たら…みんなは、何て思うかな…?)
とうの昔に別れた、大好きな幼馴染達の顔が思い浮かぶ。
(最後に、一目…会いたかったな……私にはもう、そんな資格…ないけど…)
“会う”という選択肢を切り捨てたものの、やっぱり最後に伝えたいことがあったゆのかは、幼馴染に向けて手紙を書いた。
『大好きなみんなへ
私は今日、この州を出ます。
もし、家出に失敗したら、私が大好きな場所へ行きます。
“必ずまた会おう”って約束、まだ覚えていますか?
あの約束があったから、私は、みんなとお別れした後も頑張ることが出来ました。
でも、それも今日で終わりにしようと思います。
勝手に約束を破って、ごめんなさい。迷惑をいっぱいかけて、本当にごめんなさい。
みんなと過ごした時間は、何よりも大切な私の宝物です。
もう会うことは、きっとないと思う。だから、私のことは忘れてください。
みんなの幸せを祈ってます。どうかお元気で。さよなら。』
郵便局に出すことができない手紙。差出人を調べられて、ゆのかと関わっていたなんてことが知られたら…幼馴染達に迷惑がかかるからだ。
だからゆのかは家出してすぐ、幼馴染の1人の家のポストにこの手紙を入れた。もちろん、誰かに見つかっても分からないように、名前は伏せて。
(今思えば…酷い言葉をたくさん書いて、嫌われる内容の方が、よかったのかな…?
でも…今更、手紙を取りに行く暇も、書き換える暇もないから……しょうがない…か。)
余計なことをして使用人に見つかってしまったら、本末転倒。ゆのかは、逃げることに専念することにした。
(今は…なんとか“家出”を、成功させないと。
このまま進めば…この州を出られる。)
家出するにあたって、ゆのかは2つの計画を練っていた。
1つ目は、使用人から何とか逃げ切って、この州から脱出すること。
この州── ホペ=アンテ=デサペ州、通称“ホペ州”は、周りが海で囲まれている小さな島。他の州に行くには、ホペ州にある唯一の橋を渡らなければならない。
しかし、頑張って走ってはいるものの…家から橋までかなりの距離がある上に、交通機関があまり発達していないため、かなり時間がかかってしまっているのが現状だ。
(私の家出に気づかれて、橋が封鎖される前に…早く行かなきゃ……)
固く決心して、分かれ道を右に曲がろうとしたその時だった。
「休んでいる暇はないぞ!!捜せ!!!」
「も…申し訳ありません…!」
夜の静けさを切り裂くような、鋭い声が響き渡る。
(…!!!)
足を止める。
低い声だった。しかも、かなり近い。足音からして、どうやらこちらに向かっているようだった。
(まさか、使用人さん…?
っ、どうしよう……どうしよう?!)
すぐさま辺りを見渡す。目に入ったのは、家と家のわずかな隙間だった。
今いる道よりもさらに暗くて、狭く…汚くて、不気味な場所。
(…それでも)
捕まることを考えれば、躊躇う暇はない。滑り込むように隙間に入る。黒いフードを被ったと同時に、3つの人影が見えた。
「オマエがちんたらしているせいで、ゆのか様が見つからなかったらっ、どうするつもりだ?!」
「クビじゃすまねぇぞ?!!」
「すみません…っ、すみません!!」
ゆのかの体が硬直する。心臓は、今までにないくらい速く動いていた。
(私を…捜しにきた……使用人さんだ……)
会話の内容からして、間違いない。わずか数m先で、1人の若い男の使用人が、他の2人に怒鳴られている。
(もし…今、見つかったら……私…私っ…)
家出失敗。捕まって、元の生活に逆戻り。
そんな言葉が、頭の中をぐるぐる回る。硬直していた体はガタガタ震え、荒い呼吸はどんどん浅くなっていく。
それでも決して見つかるまいと…苦しさの中、ゆのかは息を止めた。
(お願い……っ、早く…行って……!!
私は……あんな家に…もう、戻りたくないの……)
指を交互に組んで、すがるように天に祈る。
「こ、この辺に…いるんですかねぇ…?」
「フン!見て分からんのか?!ゆのか様がこんな場所にいる訳ないだろう!!
なんてったってこの辺は、“アレ”がある…“あの方”のお孫様が、この近辺に来るわけがない!!!」
「それより橋だっ!!別の州に逃げられでもしたらっ、手も足も出ねぇ!!」
「応援に行くぞ!!」
使用人達はそう騒いで、ダッダッ!!とその場を走り去った。
辺りは何事も無かったかのように、また静かな世界に戻っていた。ゆのかは、家の陰からそっと顔を出した。
(いなくなってる…よかった……)
どうやら、願いが届いたようだ。
止めていた息を吐ききる。その拍子に涙が1粒、ポロリと落ちた。
その涙が、安心か絶望か、ゆのかには分からなかった。
(足…動かすと、痛い………)
ゆのかは、土埃で服が汚れることなんて気にもせず、その場に座り込んだ。
(息…苦しいなぁ……)
建物の隙間から見える三日月は、夜空で立派に輝いていた。
小さな手を伸ばす。涙で滲み、原型をとどめていない。
唯一の逃げ道であるホペ州唯一の橋へ、使用人達が向かっている。
(しかも…さっきの3人だけじゃない……“応援”って、言ってた…きっと、もっとたくさん、橋にいて…私を捕まえようとしているんだ………
あの長いトンネルみたいな橋を渡って、逃げ切るなんて…絶対、無理……)
1つ目の計画は、失敗。ゆのかが家出を続けるには、2つ目の家出計画を実行する以外、方法はなかった。
(これで…いいんだ……
ホペ州の人が、“本当のこと”を知ったら…きっと……)
ゆのかは、涙を拭った。
(……行かなきゃ。
大好きな…“あの場所”に。)
ひとりぼっちではない気がした。不思議と、勇気が湧いた。
疲れを忘れて立ち上がる。ゆのかは、元の道に出て、来た道を戻った。
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