8 / 35
再会
7年前
しおりを挟む
──7年前。
ゆのかは、大きな馬車に乗っていた。地面から伝わる僅かな振動が、幼いゆのかを揺らす。
普段のゆのかなら、“おひめ様みたいで、すてき!”…なんて、妹のののかとはしゃいでいるはずだが、その日は違った。
(お父さん…お母さん……
ののか…………)
馬車の中は、静まり返っていた。
大好きな両親も妹もおらず、前と隣に座っているのは、初対面の老夫婦。
どう振る舞えばいいのか分からないゆのかは、膝の上に置いた手をギュッと握りしめ、その手をずっと見つめていた。
「いつまでぶすくれているつもりなんですか?みっともない。
次期州長は、どんな時でも気品溢れていないとなりません。こんなことで機嫌が悪くなるなんて…次期州長として失格ですよ?!」
向かい合った席に座っている女───ゆのかの祖母は、ピシャリとゆのかに言い放つ。
どうやら、馬車に乗っている間、真顔でずっと無言だったゆのかが気に食わなかったらしい。
(こんな…こと……?)
視界が、グラ…と揺らめいて…自分が、真っ黒に染まっていくようだった。
(大好きな……お父さんとお母さん…しんじゃって…………ののかも…知らないおばさんに、つれていかれちゃって………
どうして、そんなこと…言うの……?)
祖母の言う“次期州長”なんて言葉は、ゆのかには全く届かなかった。
ただ、愛する人を突然奪われて、言葉にしがたい喪失感が渦巻くばかりで。
だが、当時のゆのかには、初めてのこの気持ちが何なのか分からなかった。
(わたしはもう……3人に、会えないの…?)
まだまだ子どもだったけど、それだけは直感的に状況を理解できた。
言葉にすればするほど、心がどこか遠くに行ってしまいそうな感覚。それでも、初対面の人の前で泣き喚く訳にはいかないと、ゆのかは唇を噛みしめて何とか耐えた。
祖母が、ゆのかに聞こえるように溜め息
を吐いたその時だった。
「そういうことを言うんじゃない!!」
ビリッ、と空気が振動した。
ゆのかの隣に座ってる男が怒鳴ると、祖母は驚いて固まった。
「両親が亡くなって、妹と離れて暮らすことになったんだ。受け入れられなくて、当然だろう?!
そのぐらい、気持ちを察してあげなさい!!」
祖母は、黙って俯いた。その男は、ゆのかの顔を覗き込んだ。
「ごめんなぁ……ゆのか。ののかと、引き離すようなことをして…
大丈夫。ののかを連れていった人も、ゆのか達のおばあさんだ。きっと、ののかのことを、可愛がってくれるさ。」
その優しい声に、ゆのかの心はほんの少しだけ緩んだ気がした。
「本…当…?」
「ああ。本当だとも。
いつか絶対、何としてでも会わせてやるから…それまで、待っていてくれ。
おじいちゃんだって、ののかに会いたいんだぞぉ。」
胸をポンと叩いた男───ゆのかの祖父は、全く怖くなかった。
(わたしも…ののかに、会いたい……)
胸の奥が締めつけられた。すると祖父は、少しだけ切なそうに笑った。
「いいかい、ゆのか。
悲しい気持ちを我慢していたら、ずっと心の中にソイツがいることになる。そんなの、辛くて嫌だろう?
泣きたいだけ泣いてごらん。」
数日前、ゆのかは双子の妹のののかと一緒に9歳になった。
誕生日の日は、家を飾り付けして、ちょっと豪華な夕飯とケーキを食べて、家族4人でお祝いするのが毎年恒例だった。
楽しい誕生会になるはずだった。
『すぐ帰るから。』
そう言って、ゆのか達の誕生日ケーキを買いに行った両親は車に轢かれ…そのまま、帰らぬ人となった。
悲しむ間もなく、突然現れたもう1人の祖母にののかは連れて行かれた。
祖父母がいるなんて知らなかったゆのかは、どうすることもできなくて。目の前の祖父達が来る間も、両親のお葬式の間も…ずっと、感情をシャットアウトしていた。
『ゆのか。ののか。
ハッピーバースデイ。』
『生まれてきてくれて、ありがとう。
お母さん達…すっごく幸せ。』
笑ってくれた2人が、この世界からいなくなってしまった。
『ゆのかっ!もっともっとお歌のれんしゅーして…お母さんたちみたいなミュージシャンに、ぜったいなろーねっ??
わたしも、ギターがんばるから!!』
そう約束したののかと、離ればなれになってしまった。
当たり前だと思っていた日常は、何の前触れもなく、突然なくなってしまった。そう気づいた時には…涙がボロボロ零れ落ちていた。
「おじいちゃんは、ずっとここにいるよ。」
だから、祖父の言葉に安心して
でも、二度と会えない両親を想うと、遠くに行ってしまった妹を想うと、悲しくて悲しくてしかたがなくて
「っく……う…わぁぁあああ!!!」
気づいたら、大声で泣いていた。喉が痛くなるほど、大きな声だった。
それでも、この悲しみを埋められない。ゆのかは、大好きな家族が恋しくて、ひたすら泣き喚いた。
そんなゆのかの背中を…祖父は、ただ優しくさすってくれた。
◇◇◇
それからゆのかは、涙が枯れるまでひとしきり泣いた。
そうしたら、段々落ち着いてきて、何とか泣き止むことができた。
(さみしい気持ちは、まだ、あるけど……ちょっとだけ、スッキリした……)
ゆのかは、初めて会った祖父に、いろんな話をした。
ののかとたくさん遊んだこと。母とののかと3人でかくれんぼをしたけど、隠れ上手の母が全く見つからなかったこと。父と動物園に行った時、初めてライオンを見て、怖くて泣いてしまったこと。
そして、休日はよく…近所の海辺に出かけて、4人で路上ライブをしたこと。
実はゆのかの両親は、トワでそこそこ有名なミュージシャン。ゆのか達が産まれる前、かなり大々的に音楽活動をしていたらしい。
母は歌手、父はギタリスト。今でも、レコードショップに行けば、両親の曲が売り出されている。
そんな両親の影響を受けたゆのかとののかは、当然のように、歌とギターにのめり込んだ。
ゆのかは特に、歌うことが好きだった。そんなゆのかは母から歌を、ののかは父からギターを教わっていた。
「たまに…お父さんから、ギターを教わったけど……わたし、歌の方が、すきで…
だから…路上ライブする時は、お母さんと、わたしが、歌を歌って…お父さんと、ののかが、ギターでメロディーを奏でてくれたの。」
そんなゆのかの話を、祖父はずっと聞いていてくれた。
何日も馬車に乗っているうちに、とうとうホペ州に辿り着いた。
「長旅で疲れただろう。大丈夫かい?」
「うん。」
「ここが、おじいちゃんとおばあちゃんのお家だよ。
今日から、ゆのかが住む家でもあるから…何か困ったことがあったら、なんでも言ってくれ。」
祖父が指さす方を見ると、目の前には大きな家があった。
黒光りする門。広い庭。レンガ造りの家。どう見ても、金持ちの家だ。
(州長さんだもんね…やっぱり、お金もちなんだ……)
同級生に州長の息子がいた。その子も、金持ちだったのをよく覚えている。まさか自分も…州長の家族になるなんて、思ってもいなかった。
「近所の息子さんが、ゆのかと同い年なんだ。
ご挨拶してこようか。」
ゆのかが、祖父の言葉に頷こうとすると、祖母は目を大きく開いた。
「そんなことをして……あなたっ、許されると思っているのですかっ?!
あんな薄汚い家と、交流を持つなんてっ…あの家は」
「君は少し、黙っていなさい。」
だが、祖父の低い声に、祖母は黙ってしまった。
「ゆのか。行こうか?」
祖父は、馬車から降りた。
ゆのかは…チラッ、と祖母の方を見てしまった。
「……!!」
それまで、ゆのかには興味が全くなさそうだった祖母は…恐ろしい目つきで、ゆのかを睨みつけていた。
(人食いの魔女みたい…!)
絵本に出てくるような悪役の魔女のような形相に、ゆのかは祖母から、すぐさま視線を逸らした。
「ゆのか。おいで。」
先に降りた祖父は、祖母の視線に気づいていない。
怖くなったゆのかは、祖母から逃げるように、馬車を降りた。
ゆのかは、大きな馬車に乗っていた。地面から伝わる僅かな振動が、幼いゆのかを揺らす。
普段のゆのかなら、“おひめ様みたいで、すてき!”…なんて、妹のののかとはしゃいでいるはずだが、その日は違った。
(お父さん…お母さん……
ののか…………)
馬車の中は、静まり返っていた。
大好きな両親も妹もおらず、前と隣に座っているのは、初対面の老夫婦。
どう振る舞えばいいのか分からないゆのかは、膝の上に置いた手をギュッと握りしめ、その手をずっと見つめていた。
「いつまでぶすくれているつもりなんですか?みっともない。
次期州長は、どんな時でも気品溢れていないとなりません。こんなことで機嫌が悪くなるなんて…次期州長として失格ですよ?!」
向かい合った席に座っている女───ゆのかの祖母は、ピシャリとゆのかに言い放つ。
どうやら、馬車に乗っている間、真顔でずっと無言だったゆのかが気に食わなかったらしい。
(こんな…こと……?)
視界が、グラ…と揺らめいて…自分が、真っ黒に染まっていくようだった。
(大好きな……お父さんとお母さん…しんじゃって…………ののかも…知らないおばさんに、つれていかれちゃって………
どうして、そんなこと…言うの……?)
祖母の言う“次期州長”なんて言葉は、ゆのかには全く届かなかった。
ただ、愛する人を突然奪われて、言葉にしがたい喪失感が渦巻くばかりで。
だが、当時のゆのかには、初めてのこの気持ちが何なのか分からなかった。
(わたしはもう……3人に、会えないの…?)
まだまだ子どもだったけど、それだけは直感的に状況を理解できた。
言葉にすればするほど、心がどこか遠くに行ってしまいそうな感覚。それでも、初対面の人の前で泣き喚く訳にはいかないと、ゆのかは唇を噛みしめて何とか耐えた。
祖母が、ゆのかに聞こえるように溜め息
を吐いたその時だった。
「そういうことを言うんじゃない!!」
ビリッ、と空気が振動した。
ゆのかの隣に座ってる男が怒鳴ると、祖母は驚いて固まった。
「両親が亡くなって、妹と離れて暮らすことになったんだ。受け入れられなくて、当然だろう?!
そのぐらい、気持ちを察してあげなさい!!」
祖母は、黙って俯いた。その男は、ゆのかの顔を覗き込んだ。
「ごめんなぁ……ゆのか。ののかと、引き離すようなことをして…
大丈夫。ののかを連れていった人も、ゆのか達のおばあさんだ。きっと、ののかのことを、可愛がってくれるさ。」
その優しい声に、ゆのかの心はほんの少しだけ緩んだ気がした。
「本…当…?」
「ああ。本当だとも。
いつか絶対、何としてでも会わせてやるから…それまで、待っていてくれ。
おじいちゃんだって、ののかに会いたいんだぞぉ。」
胸をポンと叩いた男───ゆのかの祖父は、全く怖くなかった。
(わたしも…ののかに、会いたい……)
胸の奥が締めつけられた。すると祖父は、少しだけ切なそうに笑った。
「いいかい、ゆのか。
悲しい気持ちを我慢していたら、ずっと心の中にソイツがいることになる。そんなの、辛くて嫌だろう?
泣きたいだけ泣いてごらん。」
数日前、ゆのかは双子の妹のののかと一緒に9歳になった。
誕生日の日は、家を飾り付けして、ちょっと豪華な夕飯とケーキを食べて、家族4人でお祝いするのが毎年恒例だった。
楽しい誕生会になるはずだった。
『すぐ帰るから。』
そう言って、ゆのか達の誕生日ケーキを買いに行った両親は車に轢かれ…そのまま、帰らぬ人となった。
悲しむ間もなく、突然現れたもう1人の祖母にののかは連れて行かれた。
祖父母がいるなんて知らなかったゆのかは、どうすることもできなくて。目の前の祖父達が来る間も、両親のお葬式の間も…ずっと、感情をシャットアウトしていた。
『ゆのか。ののか。
ハッピーバースデイ。』
『生まれてきてくれて、ありがとう。
お母さん達…すっごく幸せ。』
笑ってくれた2人が、この世界からいなくなってしまった。
『ゆのかっ!もっともっとお歌のれんしゅーして…お母さんたちみたいなミュージシャンに、ぜったいなろーねっ??
わたしも、ギターがんばるから!!』
そう約束したののかと、離ればなれになってしまった。
当たり前だと思っていた日常は、何の前触れもなく、突然なくなってしまった。そう気づいた時には…涙がボロボロ零れ落ちていた。
「おじいちゃんは、ずっとここにいるよ。」
だから、祖父の言葉に安心して
でも、二度と会えない両親を想うと、遠くに行ってしまった妹を想うと、悲しくて悲しくてしかたがなくて
「っく……う…わぁぁあああ!!!」
気づいたら、大声で泣いていた。喉が痛くなるほど、大きな声だった。
それでも、この悲しみを埋められない。ゆのかは、大好きな家族が恋しくて、ひたすら泣き喚いた。
そんなゆのかの背中を…祖父は、ただ優しくさすってくれた。
◇◇◇
それからゆのかは、涙が枯れるまでひとしきり泣いた。
そうしたら、段々落ち着いてきて、何とか泣き止むことができた。
(さみしい気持ちは、まだ、あるけど……ちょっとだけ、スッキリした……)
ゆのかは、初めて会った祖父に、いろんな話をした。
ののかとたくさん遊んだこと。母とののかと3人でかくれんぼをしたけど、隠れ上手の母が全く見つからなかったこと。父と動物園に行った時、初めてライオンを見て、怖くて泣いてしまったこと。
そして、休日はよく…近所の海辺に出かけて、4人で路上ライブをしたこと。
実はゆのかの両親は、トワでそこそこ有名なミュージシャン。ゆのか達が産まれる前、かなり大々的に音楽活動をしていたらしい。
母は歌手、父はギタリスト。今でも、レコードショップに行けば、両親の曲が売り出されている。
そんな両親の影響を受けたゆのかとののかは、当然のように、歌とギターにのめり込んだ。
ゆのかは特に、歌うことが好きだった。そんなゆのかは母から歌を、ののかは父からギターを教わっていた。
「たまに…お父さんから、ギターを教わったけど……わたし、歌の方が、すきで…
だから…路上ライブする時は、お母さんと、わたしが、歌を歌って…お父さんと、ののかが、ギターでメロディーを奏でてくれたの。」
そんなゆのかの話を、祖父はずっと聞いていてくれた。
何日も馬車に乗っているうちに、とうとうホペ州に辿り着いた。
「長旅で疲れただろう。大丈夫かい?」
「うん。」
「ここが、おじいちゃんとおばあちゃんのお家だよ。
今日から、ゆのかが住む家でもあるから…何か困ったことがあったら、なんでも言ってくれ。」
祖父が指さす方を見ると、目の前には大きな家があった。
黒光りする門。広い庭。レンガ造りの家。どう見ても、金持ちの家だ。
(州長さんだもんね…やっぱり、お金もちなんだ……)
同級生に州長の息子がいた。その子も、金持ちだったのをよく覚えている。まさか自分も…州長の家族になるなんて、思ってもいなかった。
「近所の息子さんが、ゆのかと同い年なんだ。
ご挨拶してこようか。」
ゆのかが、祖父の言葉に頷こうとすると、祖母は目を大きく開いた。
「そんなことをして……あなたっ、許されると思っているのですかっ?!
あんな薄汚い家と、交流を持つなんてっ…あの家は」
「君は少し、黙っていなさい。」
だが、祖父の低い声に、祖母は黙ってしまった。
「ゆのか。行こうか?」
祖父は、馬車から降りた。
ゆのかは…チラッ、と祖母の方を見てしまった。
「……!!」
それまで、ゆのかには興味が全くなさそうだった祖母は…恐ろしい目つきで、ゆのかを睨みつけていた。
(人食いの魔女みたい…!)
絵本に出てくるような悪役の魔女のような形相に、ゆのかは祖母から、すぐさま視線を逸らした。
「ゆのか。おいで。」
先に降りた祖父は、祖母の視線に気づいていない。
怖くなったゆのかは、祖母から逃げるように、馬車を降りた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる