蒼き炎の神鋼機兵(ドラグナー)

しかのこうへい

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第八章

悪鬼の終焉-01

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「いよいよ州都、スタディウム・ノーディスタン攻略だ。大きな都市での市街戦となる。ここで注意したいのが、いかに市民への被害を最小限に食い止めるか、だが… 何か良い提案はないだろうか?」
アジ・ダハーカ内のブリーフィングルームにて。ローンが各部隊の代表者を集めて会議を行っていた。

「また空挺部隊を主力にした、機動戦がよろしいかと私は考えます」
エッセン=ハンプトフィンガー大尉だった。彼はフェアンレギオン砦攻略から同行してきている将校のひとりである。外装を真紅に塗り、”真紅の流星ロータ・メティオ”中隊を率いていた。空挺作戦には何度も参加してきており、すでにベテランの貫禄すらある。
「夜襲も含め、可能な限り、ピンポイントで攻撃を仕掛けるのが有効かと」

「空挺部隊を運用するなら、ハイド=ビハインドに加えルーカイランも参戦できます」
マンカン=ダス。ルーカイラン副長だった。破損したルーカイランを修理し、本隊に戻ってきたのだ。

「空挺部隊は、敵も予想していると小官は考えます」
スティンキー=タハオ中尉だった。彼はアーサーハイヴの将校で、灰色のヘイムダルを駆り猟犬ウインドハウンド中隊を率いている。陸上での機動力には定評があり、第二次フラックフェルト戦では部下をひとりも失うことがなかった。

「…ライヴ君、キミはどう考えている?」
ローンが俺に振ってきた。皆の視線が俺に集中する。
「…今回は、空挺部隊に囮を演じてもらおうかと考えています」
「空挺部隊を …囮に?」
エッセン=ハンプトフィンガー大尉の眉が動いた。
「はい、ドラグナーの空挺部隊であれば、滞空も上昇も可能です。それと、兵員による空挺部隊も今作戦から投入します。スティンキー中尉の言うとおり、敵は空挺部隊で痛い目にあっています。で、あれば、空からの奇襲に備えるのは自明の理だと考えます。そこで、ランダーを中心とした機動部隊を編成します」
「ほう… それで?」
ローンがサングラスのブリッジを直しながら聞いてきた。
「今回はルフト・フルッツファグ・リッターが二隻あります。

第一に、これで州都を囲む城壁を高高度で突破します。同時にドラグナーによる空挺部隊を展開、ハープシュタット城上空に滞空してもらいます。これにはスカイアウフ隊が援護で就く事になります。

第二に、ハープシュタット城周辺で、ランダー機動部隊を降ろします。地上に出たランダー隊は二段ジャンプ作戦… 以前やりましたね。その時と同じ方法でハープシュタット城へと侵入します。空挺部隊は隠密部隊の侵入を成功させるべく、しっかりと囮になってください。

第三に、ランダー隊により制圧された城内に、一気に空挺部隊も突入します。これにはルフト・フルッツファグ・リッターによる兵員構成の空挺部隊も随行します。

…、以上、三段構えの作戦を立ててみました。…いかがでしょうか?」

◇     ◇     ◇     ◇

「クーリッヒ=ウー=ヴァンの物語を知るものは幸いである。心穏やかであろうから。だからこそ、伝えよう。連綿と受け継がれてきた、英雄たちの物語を。…みなさん、こんばんは。クーリッヒ=ウー=ヴァンの世界へようこそ。私が当番組のナビゲーターを努めます、ブレンドフィア=メンションです。ご機嫌はいかがですか?

さて。いよいよ物語は佳境に入ってきました。スタディウム・ノーディスタン攻略戦です。今も当時の様子を残すその町並みは昨年、世界遺産に認定されたばかり。石畳の道、石組みの建物群…。どれをとっても、数千年も前に建てられたものとは思えません。これには、ハープシュタット城攻略に細心の注意が成されていたと考えられています。では、史実において、どのようにこのハープシュタット城が攻略されたのでしょうか…?」

現代において『白鳥の城』と呼び称されるハープシュタット城。だが、現在の城はこの市街よりも遥か後世に立てられたものだと言う。クーリッヒ=ウー=ヴァンの時代に、完全に破壊されたというのだ。ではこの城はいつ建てられたのだろう?

「中世サン・ピエートゥの時代、この地方を収めた領主:ナック=コムンシャフト公によって建てられました」
そう語るのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。
「それまでこの地方は簡素な城しかなく、何度もの戦乱によって土地は荒れていました。その後、コムンシャフト公によってこの土地が平定され、今に至っているのです」

では、それ以前… クーリッヒ=ウー=ヴァンの時代にあったとされるハープシュタット城とは、一体どのような規模の城だったのだろうか? その疑問に、ミンダーハイト=ギリアートン教授が答えてくれた。

「このタペストリーをご覧ください。これは今から4500年前に編み込まれたタペストリーです。発見されたのは、海浜都市:ズィーゲン・ダミーラスの第12号遺跡。今では神話時代の図書館として有名ですね。ここから発掘された数々のタペストリーから当時のダズアルト砦の様子やスタディウム・ノーディスタンの様子をうかがい知ることができるのです。このタペストリーを見る限り、かなり強固で大きな城であったといえますね。このような城を、城下の街に大きな被害を出さずに落としたとされる作戦、一体どのようなものだったのでしょう? 史記:ゲシュヒテを見ても、詳しくは書かれていません。

『空と陸。案外脆いものだった』

それだけの記述しかないのです。ダズアルト砦で深手を負った敵将:アムンジェスト=マーダーの最期がどのようなものであったかについて、学術的見地からは未だにハッキリとはしていないのです…」

◇     ◇     ◇     ◇

3日間に渡る作戦の演習は、ダズアルト砦の南東部で行われた。隠密部隊の突入後、空挺部隊の突入、通常のランダー部隊の突入…と、密なる連携を必要とした作戦だった。出来る限り住民の被害は出したくはない。故に、一般兵士からも特務部隊を編成、隠密部隊のルート上を確保する強行偵察任務に就いてもらうこととなった。

「…仕上がりはどうかな?」
アジ・ダハーカのブリッジで、ローンが聞いてきた。
「まぁまぁ、ですね」
「間に合いそうかな?」
「国務部隊の兵士の数が、もう少し欲しい気はします」
「現在は何名かね?」
「50名ですね」
「希望は?」
「80名です」
「そんなに投入する必要があるのかね?」
「できれば、穏便に作戦を遂行したいんですよ。そのためには、市街にいる警備兵を排除する必要がありますからね」
「だが、城まではルフト・フルッツファグ・リッターで行くのだろう?」
「もちろんです。ですが、念には念を入れて、ですね」
「…そうして一気にいくのかな?」
「そうです。一気に落とします」
「そうか。…今回も期待している」
「期待しててください。多分、損はさせません」

◇     ◇     ◇      ◇

クーニフ歴37年4月16日、深夜0100。作戦は静かに開始された。
スタディウム・ノーディスタン上空から見ても、明らかに対空配備を済ませているのが見て取れる。城壁やハープシュタット城から煌々と焚かれた照明が上空を照らし、一種異様な雰囲気を醸し出していた。言葉にするならそう、不夜城…。まさに臨戦態勢の真っ只中に、この州都は置かれていた。増員した60名の工作員が州都の中に潜り込んでいる。サーチライトが意図的に照らしていないポイントがあった。俺達はルフト・フルッツファグ・リッターでその2,000Yag上空を静かに通過していく。

デッキから、空挺部隊が次々と発艦していった。パラグライダーは大きく風をはらみ、ブースターの推力を得て次々と大空へ吸い込まれていく。作戦の実効開始時間まで、あと10分。空挺部隊がハープシュタット城のサーチライトに引っかかるよう小細工をしなければならなかった。

…後5分…。もうハープシュタット城上空で待機している計算になる。俺達ランダー隠密部隊は、カーゴでスタンバイに入っていた。薄暗い赤色灯の明かりの中、その時間がやってくるのをただひたすら待っていた。

…後2分…

…後30秒…

…3 …2 …1 …

ハープシュタット城から、サイレンがけたたましく鳴っているのがここまで聞こえてきた。
「…よし。隠密部隊、降下を開始する!」
『『-了解!-』』
俺達は次々とカタパルトに乗り、射出された。そして暗視モードに切り替え、最短距離でローラーダッシュを使用しながらハープシュタット城へと向かった。目的地に目をやる。上手く敵の目が空挺部隊に向いているのが見て取れた。ハープシュタット城のガイスト・カノンが遙か上空の空挺部隊を指向し、発砲する。スカイアウフ隊がそれを撹乱し、空挺部隊を援護、時に攻撃を入れてガイスト・カノンと照明を潰していった。敵スカイアウフ隊も完全に上空に目が行っている。…よし、上等だ!

「隠密部隊、城内へ侵入開始!」
『『-侵入開始、了解!-』』
俺達は建物の低いところを足場に、次々とジャンプ。城壁を乗り越えると、城内に侵入を開始した。侵入に成功したランダーは城門を破壊、そして次々とやってくる敵ランダーを撃破していった。

「マーダー! …マーダーはどこだ!」
友軍が次々と侵入開始していく中、俺はただひとりマーダーの姿を追っていた。城の奥深くまで入り込む。邪魔なランダーは次々と斬り伏せた。そして更に奥へと突き進み、最後の城門を破壊する。門衛塔を通過、現れたヘイムダルを一刀両断にした。

礼拝堂カペレを通過。白銀のファハンが3騎、俺の行く手を阻んだ。
『-アンガイスト・ファハン。エイサー=フラット! …嬉しいぞ、またここで相見えるとはな!-』
『-同じく、エース=ロイター。参る!-』
『-タレント=ツァズァイト!-』
3騎は俺を囲むように回り込んだ。俺は、最も近い位置にいるエース騎に信地旋回で間合いを詰める!
『-甘いわ…!-』
「…そっちがね…」
俺は大剣を抜くこともなくエース騎の脇口から肩口に向けてハンディ・カノンを撃ち込む! これで一騎沈黙。
『-おのれ…!-』
『-待て、タレント!-』
タレント騎は剣を中段に構え、俺の胴を突きに来た。俺は即座にエース機を掴み、盾にする。
『-エース…!?-』
俺は上方に飛ぶと、大剣を抜いてくるりと回転した。切先はタレント騎とエース騎の頭を砕く。俺はそのまま超信地旋回すると、背面から首元に向けて大剣で貫いた。一気に大剣を抜くと、二騎のアンガイスト・ファハンは膝から崩れ落ちた。

『-お前… 本当にあのライヴ=オフウェイか…?-』
レクルートの瞳が、ギロリとエイサー騎を指向する。
「…だから、なんだってんだ?」
『-…違う。強すぎる!…一体何があった!?-』
「いろいろあってね… お前さんに構ってる時間がないんだよ…」
俺は真正面から一気に間合いを縮めた。そして、両足のピックを使って急停止! 片足のピックのみを残し超信地旋回を加えた。その勢いで大剣を振り回し、アンガイスト・ファハンの肩口を横に薙いだ。それで、エイサー騎は沈黙した。
『-見えなかった… なんて起動だ、なにがお前をそこまで変えた…-』
「…だから言ったろ? 構ってる隙がないってよ!」
こうして、俺は急ぎ居城パラスへと向かった。

◇     ◇     ◇     ◇

パラスには、大きなドラグナーの姿があった。
漆黒のボディ、重騎士と呼ぶにふさわしいその威圧感。それはまさに、オフツィーア・ベクツェその姿だった。

『-来たか、童…-』
「もう回復してんのか? どんな身体してんだよ…」
『-回復なぞしておらぬわ。お前に奪われた半身が疼いて、眠れぬのよ…-』
「睡眠不足はカラダに悪いぜ…」
『-童を倒すに十分な力は残っておるわ-』
「…そうかよ。随分と余裕だな…」
『-逃げるなら、今だぞ…-』
「そりゃ、あんたの方じゃね?」
『-警告は… したからな…-』

!?
いきなり、ガイスト・カノンが発砲された。俺は信地旋回で辛うじて避ける! マーダーは後ろを向いたままだ。一体どこから飛んできた? 俺は周囲を見渡した。…何も …無いか…?

パパァァ…ン!
音と同時に、俺は大きく右へスライドした。さっきまで俺がいた辺りが、砕けていた。

…わからない。コイツマーダーが、どうやって攻撃してくるのか…?

俺は柱に身を潜めて、改めて周囲を伺った。きらびやかなステンド・グラス。色付きや透明なガラス、中にはミラーも埋め込まれている。だが、それ以外には何もない。調度品に仕込まれていたのか? ガイスト・カノンはそんな小型化はできてはいない。それでは、…まさかと思うが、ステルス? ファンタジー世界なら、それもありうる。が、それならそれで、足元の絨毯に何らかの”跡”が付かねばならぬ。それとも、アニメで言うところの、ファンネル? …まさか。そんなもん、あったらとうに俺が使ってる。

隙を伺って、マーダーを見た。
パァァ… ン!
俺は本能で、柱から飛び出した。俺のいた周辺が、正面から完全に砕け散っていた。

正面?

いや。正確には、上部からの攻撃だった。上部に何がある? 天井に、何が…?

不意に、俺はある調度品の前を横切った。発砲音! その弾丸は、俺の足をかすめていった。
調度品?

俺は隠れるのをやめ、マーダーの背後に立った。

『-…ほう… もう諦めたのかね?-』
「ああ、俺の負けだ。さっぱりわからねぇ。ここで一発喰らったら、俺はおしまいだな」
『-儂の配下につかぬか? 童ならば、良い手駒になろう…-』
「ゴメンだね。そんな事しちゃ、俺の信念に傷がつくわ!」
『-残念だ。ならば、さらばだ-』
「そう簡単に行くかね…」

マーダーが動いた。あらぬ方向にガイスト・カノンを向け発砲。瞬間、オフツィーア・ベクツェの肩を覆う装甲板が弾け飛ぶ!
『-童、まさか…-』
「そうだよ。見破ったり、だ!」
俺は姿見を掴み、その鏡面をマーダーに向けていた。つまり、そういうことだった。
「…本当に何でもアリなんだなぁ… 光の爪があったからまさかとは思ったけど、光の弾丸まであったとはね」
『-この… 小賢しい童がァァァッ!!-』
「やかましい、この超絶サディストがァァァ!!」
俺は絨毯の上に転がると、ハンディ・カノンを無作為に発砲した。ガラスというガラスを破壊したのだ。マーダーはガイスト・カノンを放棄すると、三連装のハンディ・カノンに光の爪を発現させる。そして、転がった俺に踊りかかった!

一撃、二撃! 俺は転がりながら、その攻撃を避けた。受け身を取り起き上がると、俺は大剣を掴みその切先をマーダーに向けた。マーダーは間合いを無視して襲い掛かってくる。それもそうだろう、その手にある”光の爪”は、すべてのものを焼き切るのだから。俺は剣を捨てると、真っ向から突っ込んでいった。
『-諦めたか、童!-』
マーダーの、事実上の勝利宣言だった。しかし…!

次の瞬間。吹き飛んだのは、オフツィーア・ベクツェのハンディ・カノンだった。俺の手には、先程の姿見があった。
「…だよなぁ… 光の弾丸が鏡で反射するなら、その”爪”だって例外じゃないもんな…」
『-この餓鬼ィィィ…ッ!?-』
マーダーはジャンプして、俺の大剣を奪い取った。それを大きくブンと振ると、その切先で俺を指向する。
俺は… ファイティングポーズを取り、パイルバンカーをいつでも撃ち込めるよう、安全弁を開放した。
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