狼と山猫 〜囚われの男装麗人は倒錯王に溺愛される〜

灯台守

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時が流れて

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セルジア国のロイを王妃に迎えて以降、ウルスラ国は見違えるほど繁栄した。
もっとも、国を動かしていたのは王妃で、国王はというと――主に相づち係だったらしい。

ロイは識者の意見を素直に聞き、的確に判断し、淡々と善政を敷いた。そのおかげで国は安定し、民は豊かになり、誰もが口をそろえて言った。
「いやあ、いい王妃を迎えましたな」と。

さらに驚くべきことに、夫妻の間には十人もの御子が誕生した。
国は繁栄し、城はにぎやかになり、王宮の廊下には常に足音と泣き声が響いていたという。

なお、国王が王妃に頭が上がらないのは、今や公然の事実であり、
「この国で一番偉いのは誰か」という問いに対しては、
誰もが即答したそうだ――もちろん、王妃殿下、と。
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