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自分
しおりを挟む「バイトの休憩時間ってあるだろ、バイトの休憩時間。あれよ、大切なわけ」
「そんなの誰でも知ってますよ。連続で就労したら体持ちませんて」
「そうじゃねぇ。そうじゃねぇんだ。お前分かってねぇよ、うん。お前分かってねぇ」
「何で毎回二度繰り返すんですか」
先輩は麦茶を飲み干してぷはぁってして、また新しい麦茶を自販機でガコンッてする。
「いいか、後輩。休憩時間に取り戻すのは体力じゃない。自分だよ」
「は?」
「仕事場ってのは自分以外になる場所なんだ。だけどずっとはもたねぇ、もたねぇから休憩時間に戻すんだ。いつも見るサイトを見たりゲームしたりタバコ吸ったり、習慣で瞬間的に自分を出すのさ」
「そんなもんすかね」
「そんなもんだ、そんなもんなんだよ」
「で、何で二回繰り返すのかも聞いていいですか」
「それはあれよ。二回言うとよ、お前の脳みそに二回刻まれるわけだ。俺の言葉がよ、そう、俺の言葉が。蚊に一回刺されても何とも思わないけどよ、二回同じ場所刺されたら腹立つだろ。それを目指してるんだよ」
「腹立たしいっすね。休憩終わりですよ」
「なぁ後輩、お前は休憩時間に俺と話した。案外お前は俺なのかもな」
「当たり前じゃないっすか。先輩も俺も、同じ作者が書いてるんすから」
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