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第一部 三章 死神の里
永遠に来ない朝
しおりを挟む死神の里に来てから二日目。
エビルは一度目が覚めたが、まだ眠気があったり外が暗かったため再び目を閉じた。この流れをそれから十回ほど繰り返してようやく何かがおかしいと気付く。
「おかしい……いつになったら朝になるんだ?」
眠気はもうとっくに覚めていて、まだ夜だからとりあえず寝ていたのに、それをいくら繰り返しても夜が明けない。
いつまでも薄暗い世界に違和感を覚えたエビルは上体を起こし、隣のベッドへと視線を向ける。だが向けた瞬間に「うわっ」と声を漏らして窓の方へと慌てて逸らした。
空いていたベッドのうちエビルとレミは隣同士のベッドを使わせてもらっていた。なので当然現在隣のベッドにはレミが寝ているわけなのだが、あまりにも寝相が悪くて見ていられなかった。
なにせレミが昨日着ていた朱色の無袖上衣は胸下まで捲れ上がっており、太もも中心までしか丈のないミニスカートも左足を上に曲げているせいで捲れている。右足はベッドの横に向かっているせいで偶然にも白いパンツが一部見えてしまっている。そもそもそれらを隠すべき掛け布団はどこへ行ったのかとエビルが探してみると、何が起きたのか部屋の扉前にまで吹き飛ばされていた。
寝袋を使わないとここまで寝相の悪さが浮き彫りになるのかと、エビルはまだ知らなかった一面を知って少し複雑な気持ちを抱く。
そんなエビルの心など露知らないレミは大きな欠伸をしながら起き上がり、窓の外を見て暗いのを確認する。
「なんだ、まだ夜かあ。もうちょっと寝ちゃおう」
「ごめんレミ、その流れはさっき僕がやったんだ」
「……えっ? エビル? ああそっか、シバルバさんの家に泊ったんだっけ」
寝ようとしたのをエビルは防ぐ。もしこのまま寝させていたら自分と同様に寝ては起きてを繰り返すことになってしまう。
「それよりもレミ、実は外が暗いままなんだ。夜かも分からないよ」
「本当、どうなってるのかしら」
不思議な現象に目を丸くして驚くレミだがすぐに驚きは消え、いつまでも窓の外を眺め続けているエビルに「ねえ、それは置いといてさ」と話す。
「なんでずっと窓の向こう見てるの?」
「窓の外を見たい気分だったんだよ」
嘘である。ただレミが服装の乱れを直したか確認出来ないだけだ。
ヘタレなのか紳士なのか分からないのは置いておき、エビルとレミは一旦外へ出てみることにした。外へ出ることで何か分かるかもしれないと考えて出てみたものの、相変わらず薄暗い景色が広がっている。
里の住人達は慣れているのか普段通りの黒マント衣装で、大鎌を担いで普通に出歩いていた。昨日の夜に見た光景とそれはあまり変わらない。
「時間が分からない。本当にいつまで夜なんだ、朝はいつ来るんだ?」
「――この里に朝なんてもんは来ないぜ」
突然誰かがシバルバ家の屋根から、黒いマントをはためかせて下りてきた。
エビル達の傍に着地した大鎌を担いだ褐色肌の少年、セイムは笑みを浮かべて軽く手を挙げる。
「よおレミちゃん……に……エビル。おはようさん」
「今僕の名前忘れてたよね……」
「朝が来ないってどういうことよ。ていうか半径三メートル以内に近付かないで」
まだ昨日のことを根に持っているレミにセイムは「ひっでえ!」と驚く。それは置いておいて驚きの表情を戻したセイムが先程の発言の詳細を語る。
「朝が来ない理由はあれさ、ご先祖様への罰ってやつだ。この里にいる限り太陽なんてもんは見れねえし、悪いけどずうっと薄暗い場所なんだよ。夜はもっと暗いし嫌になるぜ」
人間と恋をした死神への罰として作られた異空間。夜が明けないというのも神々の仕業なら納得出来る。神というのは想像も出来ない超常の存在だからだ。
エビル達が「なるほどね」と納得した様子を見せると、セイムが何やらレミの方を見てもじもじとし始める。視線を向けては逸らすの繰り返しであり、鬱陶しくなっただろうレミは「何なのよ」と口を開く。
「ああ、その、悪かった」
セイムが頭を下げた。その姿を見たエビルは擁護したくなる。
「ほらレミ、謝ってるし許してあげたら?」
「……まあ、アタシも言い過ぎたし。もういいわ」
許す気になったレミの発言に、セイムは「本当か!?」と大声で驚いて顔を上げる。そしてなぜか笑って意気揚々と地雷を踏みに行く。
「よし、じゃあそれなら秘術の紋章を是非見せてくれ!」
「アンタ全然反省してないじゃない!」
先程謝罪したのは何だったというのか。許されてすぐさま怒りを買いにいく精神性はエビルにとって理解出来ないものだった。
「はあっ……しょうがないわね……」
「えっ? マジ、見せてくれんのか?」
ため息を吐いて肩をすくめたレミ。その行動はエビルにもセイムにも諦めて紋章を見せようとしているように思えた。思わずエビルは正気か疑って目を見開き凝視してしまう。
しかしレミが次に行ったのは右手から人間の顔ほどはある火の玉を出すものだった。紋章を見せるのにその行動は必要ない。少し先のことを考えてエビルはまさかと思い、セイムも同じ結論に至ったようで笑みを引きつらせている。
「えっと、レミちゃん? そ、その火綺麗だねえ。で、でも何で今そんなもの出してるのかな。その火、何に使おうとしてるのかな……?」
「簡単よ。秘術の紋章は見せられないけど、秘術なら見せてあげる。あなたの体に直接味あわせてあげようと思ったのよ」
「じょ、冗談じゃねえええええ! 燃やされるううう!」
素早い判断で一目散にセイムは逃走した。当然レミは「待ちなさあああい!」と叫びながら追いかけていき、あっという間に二人の姿がエビルからは見えなくなってしまった。一連の流れにエビルは苦笑する。
その時、背後の扉が開いてシバルバが家から出てきた。
話を聞いていたのか嘆息して扉を閉めたシバルバが口を開く。
「困ったもんじゃろう。あれでも儂の家族……許してはくださらんか」
「別にレミもそこまで本気で怒ってる……かな?」
まさか本気で燃やそうとしているとはエビルも思いたくない。いや、やはり本気でやりそうで想像するのが怖くなる。
「若い女を見ればすぐに話しかけ、口説こうとする。いくら叱ろうと全く直らずどうしようもありませぬ」
「それでもあなたはセイムを悪く思っていないんですよね」
昨日は家を追い出したようだが、シバルバがセイムにきつく当たるのは決して嫌いだからではないと、エビルはなんとなくそう感じられた。
薄暗い空を見上げてシバルバは話を続ける。
「うむ、儂はこの里長の座、継ぐのは実力があるセイムしかおらんと思っておる……のじゃが性格があまりにも向いておらん」
「失礼ですけど、セイムのご両親はやはり」
「死にました。セイムが六歳の頃呆気なく、あの子を魔物から守って」
シバルバはシワの多い顔を悲しそうに歪める。
家族の死の悲しみはエビルも理解出来るつもりだ。両親は顔も知らないがエビルにとって村長こそが親のようなものであり、失った悲しみはあまりにも大きかった。
「死んだセイムの父親はあまり優しくなかった、対して母親は甘かった。あの子の性格はそのせいなのかもしれません。……両親が死んでからセイムは一人になってしまった、里では当時有名な悪童だったもので誰も引き取ってくれなかったのです。それならと儂が引き取り一人で育ててきましたが、両親の死が忘れられないのか儂には心を開いてくれんのじゃ……儂もたまにそんなあの子に乱暴な言葉をかけてしまいますが」
どこか寂しそうな雰囲気を放っているシバルバにエビルは視線を送る。悲しみを込めた視線を、一人苦労している老人に。
そこまで話した時、レミが息を切らせながら走って戻ってくる。
「逃げ足は一丁前ねアイツ! 次見かけたら絶対ぶん殴ってやるわ!」
「もう勘弁してあげなよ……」
レミも鍛えているため相当な脚力だが、セイムはあっさりと逃げ切ってしまったらしい。シバルバが実力があると話していたのにも納得出来る。何せ重そうな大鎌を担いだまままんまと逃走に成功しているのだから。
「ほっほ、それでは儂は家に戻ります。何も無いところですがゆっくりしていってくだされ」
それからエビル達二人は里の観光をしようと決める。
七日間の猶予がある以上暇な時間というものは多い。二人はせっかくなので死神の里という珍しい場所をじっくり見て回ろうと考えたのだ。……といってもアランバート城下町ほどの広さはないので一日で全て見終わりそうだが。
薄暗い里の中は段々と暗くなってくる。アランバートは聖火の影響で夜でもかなり明るかったのでえらい違いである。そのためレミが火の秘術によって明かりとなる火の玉を生成し、少しでも明るくして歩き出す。
里であるためか飲食店などの店はなく精々あって服屋などしかなかった。しかもテンションの上がったレミが並んでいる商品を見てみれば、全て黒いマントとボディースーツだったことで一気にテンションが下がった。
午前中。太陽がない死神の里では分からないがシバルバ曰くそうだったらしい時間で、エビルとレミの二人は観光は大半終わったといっていい。
昼頃になって……といっても世界がさらに暗くなっただけで時間など分からないが、シバルバが昼食を用意したと知らせに来てくれたので一旦戻ることにした。
シバルバの家に戻ってみれば食卓には料理が並んでいた。そしてセイムが椅子に座っており、不機嫌そうな様子で頬杖をついている。
「おっせーよジジイ」
「待たせたなセイム。さあ、お二人も席にお着きくだされ」
ここはシバルバに従って二人は木製椅子に腰を下ろす。
「ごめんセイム、待っててくれたんだよね」
「はっ、ジジイが待てっつったからな。もう腹ペコだっつーの。とりあえずさっさと食べようぜ」
「そうじゃな、お二人も空腹じゃろう。皆で食べましょう」
エビルとレミは頷いて食卓に置いてあるスプーンを手に取る。
並んでいるのはスープとパン。まずエビルはスープの方から味わうことにした。
豪快に肉の塊が入っており、雑にカットされた野菜類が入っているスープ。かなり大胆な料理だが問題なのは見た目よりも味だ。そう思ってスープを少し掬って口に運ぶ。
((こ、これは……))
レミも同じくスープを飲んでエビルと同時に動きを止めた。
((味、うっすい……!))
口の中に広がるのは煮込まれた肉と野菜の味……だと思う。はっきりそうだと断言出来ないくらい薄味のスープである。
「どうかのお二人共。口に合ったかの?」
薄味すぎて動きが止まってしまった二人だが感想を聞かれたことで再始動する。
しかし素直に感想を言えたらどんなにいいか。味が薄いなどとはっきり言ってしまうのは失礼だろう。二人は慌てて偽りの感想を口にする。
「お、美味しいですっ!」
「そうよね美味しい、超美味しいわ!」
「――不味いなあ」
嘘の言葉を並べた二人に続いてセイムがそんなことを言い放った。あまりに正直すぎる感想に二人は硬直した。
「セイム……お主のために今日も味を濃くしたんじゃが」
「はあ? これでかよ。まったく今日もクソ不味い食事でしたよっと」
容赦なく告げたセイムは立ち上がり、さっさと自分の部屋がある二階に階段を使って上っていってしまう。その態度に二人は呆気に取られ、シバルバはため息を吐く。
「……お気になさらないでください。いつものことです」
「そう、なんですか」
「だからって……ていうかああいう態度のわりにちゃんと食べるのね」
レミの言う通りセイムの前にあるパンとスープは綺麗に完食されている。一口しか食べずにほとんど残すよりはだいぶマシかもしれない。
「あれでもマシになったものです。引き取った初めの方は料理を食べてすらくれませんでしたからな。儂としてはアレでもありがたく思います」
エビルはセイムが自分だったらと考える。
両親の顔も知らず、物心つく前から村長に育てられてきたエビルとセイムは全然違う。なんとなく二人きりで話してみたいと思えた。
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