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今日は高校一年生の一学期終業式の日だ。
終業式も午前中に終わり、俺はいつものように三人の集まり場所である図書室へと向かった。
図書室の扉を開け、中に入るとすでに約束の二人がいた。
「わりぃ、遅くなった」
「別に燕のせいじゃないでしょ」
「そうそう。気にすんなよ」
「そう言ってくれると助かる。春姫、時雨」
俺を待っていてくれたのは、五月七日春姫と小鳥遊時雨であり、この二人は小学校からの腐れ縁であり、ある意味幼なじみなのかもしれない。
春姫は、成績は学年トップの頭脳を持っており、さらに容姿もそこそこにいい。だから、完璧美少女と勘違いしやすいが、コミュニティが狭く、俺たち以外の人と話しているところを見たことがない。ただのコミ障ぼっちだ。
反対に時雨は典型的なリア充と呼んでもいいかもしれない。明るい性格で、ハキハキとしているため友人が多く、また、スポーツが得意なのもあり、気づけばクラスの中心にいたりする。しかし、当然ながら欠点もあり、とにかく頭が弱い。底抜けのバカである。
「英語の課題で使う洋書は見つけたのか?」
「いや、燕が来てから探そうと思ってて」
「まじか。じゃあさっさと探して家でゲームしようぜ」
「それな」
「真面目に探しなさいよ」
「へいへい。分かってますよー」
適当に返事を返しながら、洋書のある本棚を見ていると、他の洋書と比べると少し雰囲気の違った本を見つけた。
「なんだこれ」
本を手に取ってみると、赤を基調とした装飾が施されており、少し高貴な感じを受ける。
本を開いて、ページを捲っていくと、一枚目が白紙、二枚目も白紙。その次もその次も白紙、白紙だけで綴られた本であった。
「印刷ミスの本か?それにしては綺麗な装飾が施されてるけど、ん?」
最後までページを捲ると、名前を書くような欄が存在していた。
「何してんのー?」
「いい本でも見つけたの?」
なかなか戻って来ない燕を不審に思った二人は、燕に近づき本を覗き込む。
「いや、変な本を見つけてさ」
「白紙だけで綴られた本ね。こんなの見たことないわ。新刊かしら」
「へぇー、図書室が友達の春姫も知らないんだー」
「ぶっ飛ばすわよ」
「謝っとけよ、時雨」
二人が言い争っている間に、最後のページに名前を書いていく。
「えっと、蘭燕に五月七日春姫、そして小鳥遊時雨っと」
「本に落書きしてんじゃないわよ!」
「あー、俺の名前も書いてるし!先生にバレたら俺も怒られるやつじゃん!」
「まあまあ落ち着きたまえ。今から消しゴムで消すから」
さすがに悪いと思い、本に書いた名前を消しゴムで消そうとするが文字が消えない。
「あれ?消えないんだけど」
「わざとやってるでしょ」
「いや、ホントなんだって!」
急いで消そうと力を入れるも、消える気配がない。
「どうなってるんだ……」
「変なことに巻き込まれないよね?」
「アハハ、まさかァ……」
三人とも嫌な予感を感じ取り、図書室から出ようと本を置いて駆け出した瞬間に、本から発せられた白い光に包まれてしまった。
終業式も午前中に終わり、俺はいつものように三人の集まり場所である図書室へと向かった。
図書室の扉を開け、中に入るとすでに約束の二人がいた。
「わりぃ、遅くなった」
「別に燕のせいじゃないでしょ」
「そうそう。気にすんなよ」
「そう言ってくれると助かる。春姫、時雨」
俺を待っていてくれたのは、五月七日春姫と小鳥遊時雨であり、この二人は小学校からの腐れ縁であり、ある意味幼なじみなのかもしれない。
春姫は、成績は学年トップの頭脳を持っており、さらに容姿もそこそこにいい。だから、完璧美少女と勘違いしやすいが、コミュニティが狭く、俺たち以外の人と話しているところを見たことがない。ただのコミ障ぼっちだ。
反対に時雨は典型的なリア充と呼んでもいいかもしれない。明るい性格で、ハキハキとしているため友人が多く、また、スポーツが得意なのもあり、気づけばクラスの中心にいたりする。しかし、当然ながら欠点もあり、とにかく頭が弱い。底抜けのバカである。
「英語の課題で使う洋書は見つけたのか?」
「いや、燕が来てから探そうと思ってて」
「まじか。じゃあさっさと探して家でゲームしようぜ」
「それな」
「真面目に探しなさいよ」
「へいへい。分かってますよー」
適当に返事を返しながら、洋書のある本棚を見ていると、他の洋書と比べると少し雰囲気の違った本を見つけた。
「なんだこれ」
本を手に取ってみると、赤を基調とした装飾が施されており、少し高貴な感じを受ける。
本を開いて、ページを捲っていくと、一枚目が白紙、二枚目も白紙。その次もその次も白紙、白紙だけで綴られた本であった。
「印刷ミスの本か?それにしては綺麗な装飾が施されてるけど、ん?」
最後までページを捲ると、名前を書くような欄が存在していた。
「何してんのー?」
「いい本でも見つけたの?」
なかなか戻って来ない燕を不審に思った二人は、燕に近づき本を覗き込む。
「いや、変な本を見つけてさ」
「白紙だけで綴られた本ね。こんなの見たことないわ。新刊かしら」
「へぇー、図書室が友達の春姫も知らないんだー」
「ぶっ飛ばすわよ」
「謝っとけよ、時雨」
二人が言い争っている間に、最後のページに名前を書いていく。
「えっと、蘭燕に五月七日春姫、そして小鳥遊時雨っと」
「本に落書きしてんじゃないわよ!」
「あー、俺の名前も書いてるし!先生にバレたら俺も怒られるやつじゃん!」
「まあまあ落ち着きたまえ。今から消しゴムで消すから」
さすがに悪いと思い、本に書いた名前を消しゴムで消そうとするが文字が消えない。
「あれ?消えないんだけど」
「わざとやってるでしょ」
「いや、ホントなんだって!」
急いで消そうと力を入れるも、消える気配がない。
「どうなってるんだ……」
「変なことに巻き込まれないよね?」
「アハハ、まさかァ……」
三人とも嫌な予感を感じ取り、図書室から出ようと本を置いて駆け出した瞬間に、本から発せられた白い光に包まれてしまった。
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