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第12話
「妖精姫、喰らええええええッ……!」
ロサが叫び、剣を取り出して襲いかかってきました。
それはただの剣ではなく、妖精の弱点である“純鉄製の剣”です。元々、妖精は鉄が苦手であるため、その鉄の純度を高めた武器は妖精にとって最大の弱点となるのです。
もし妖精姫の能力を発揮したとしても、純鉄で作られた武器を壊すことはできません。このままではわたくしも妖精も刺され、深い傷を負うでしょう。
しかし――
「――過ちに気づいて、ロサ」
わたくしは隠し持っていたオリハルコンの短剣を抜き、ロサと剣を交えます。激しい金属音が響き渡り、相手が持っている純鉄の剣は根元から折れてしまいました。
「なッ!? 何ですってえええッ!?」
ロサは慌ててリジューレ伯爵夫妻を振り返ります。二人も純鉄の剣を持っていましたが、それらはグラキエス様のオリハルコンの長剣に折られてしまっていました。
すぐさま衛兵が駆けつけ、三人から残りの凶器を回収します。それを見届けたわたくしとグラキエス様はオリハルコンの剣を宮廷の召使に渡しました。
それらは国宝であり、今回のためだけに国王陛下が貸してくれたものです。純鉄は脆い金属ですが、一発で折ることを考えて世界最高の硬度を誇るオリハルコンの剣を用意したのでした。
「妖精姫を襲って人質にする計画が失敗しただと……!」
「そうよ……! 王家から身代金を得たら、妖精姫を殺して国外逃亡するつもりだったのに……!」
ぺらぺらと自白する伯爵夫妻に、思わず呆れ返ります。まあ、わたくしが妖精姫だという事実を忘れてしまうような方々なので、仕方ないとは思いますが。
「どうして……!? どうして計画が失敗したのよ……!?」
衛兵に押さえつけられるロサに、わたくしは答えました。
「逆に、どうして計画が成功すると思ったの、ロサ? わたくしがあなた方を妖精に見張らせていたとは思わなかったの?」
その途端、伯爵家の三人は口をあんぐりと開きました。
「まさか……妖精を使い、私達の会話を盗み聞いていたの……!?」
「ええ、その通りよ。普段はそんなことしないけれどね」
舞踏会の開催が決まった時、わたくしはリジューレ伯爵家とその周辺を縄張りとする妖精達にある命令を出しました。それは、伯爵夫妻とロサの言動を見張り、逐一報告せよという命令です。そのため伯爵家がわたくしへ復讐しようとしていたことは、舞踏会の一週間以上前から分かっていたのです。
すると三人は一瞬だけ鬼の形相を浮かべ、そして哀れっぽく泣き出しました。
「わああああああ! リリウムは最低だ!」
「そうよ! 私達家族を虐げていたのよ!」
「ええ、私はお姉様に虐待されたわ!」
どうやら三人はこちらへ罪をなすりつける作戦に切り替えたようです。わたくしが呆れを通り越して悲しくなっていると、グラキエス様が歩み出ました。
「リジューレ伯爵家の者達よ、貴様らの悪しき計画は前々から分かっていた。だから王家は舞踏会へ参加する貴族達へ密かに知らせておいたのだ。今日、舞踏会の前に、あることを執り行うと」
「何ですと……!?」
「あることとは……!?」
そしてグラキエス様は冷え切った表情で告げます。
「貴様らの断罪だ。国中の貴族の前で、その罪を暴かれるがいい」
リジューレ伯爵夫妻とロサは愕然とした表情を浮かべていました。
ロサが叫び、剣を取り出して襲いかかってきました。
それはただの剣ではなく、妖精の弱点である“純鉄製の剣”です。元々、妖精は鉄が苦手であるため、その鉄の純度を高めた武器は妖精にとって最大の弱点となるのです。
もし妖精姫の能力を発揮したとしても、純鉄で作られた武器を壊すことはできません。このままではわたくしも妖精も刺され、深い傷を負うでしょう。
しかし――
「――過ちに気づいて、ロサ」
わたくしは隠し持っていたオリハルコンの短剣を抜き、ロサと剣を交えます。激しい金属音が響き渡り、相手が持っている純鉄の剣は根元から折れてしまいました。
「なッ!? 何ですってえええッ!?」
ロサは慌ててリジューレ伯爵夫妻を振り返ります。二人も純鉄の剣を持っていましたが、それらはグラキエス様のオリハルコンの長剣に折られてしまっていました。
すぐさま衛兵が駆けつけ、三人から残りの凶器を回収します。それを見届けたわたくしとグラキエス様はオリハルコンの剣を宮廷の召使に渡しました。
それらは国宝であり、今回のためだけに国王陛下が貸してくれたものです。純鉄は脆い金属ですが、一発で折ることを考えて世界最高の硬度を誇るオリハルコンの剣を用意したのでした。
「妖精姫を襲って人質にする計画が失敗しただと……!」
「そうよ……! 王家から身代金を得たら、妖精姫を殺して国外逃亡するつもりだったのに……!」
ぺらぺらと自白する伯爵夫妻に、思わず呆れ返ります。まあ、わたくしが妖精姫だという事実を忘れてしまうような方々なので、仕方ないとは思いますが。
「どうして……!? どうして計画が失敗したのよ……!?」
衛兵に押さえつけられるロサに、わたくしは答えました。
「逆に、どうして計画が成功すると思ったの、ロサ? わたくしがあなた方を妖精に見張らせていたとは思わなかったの?」
その途端、伯爵家の三人は口をあんぐりと開きました。
「まさか……妖精を使い、私達の会話を盗み聞いていたの……!?」
「ええ、その通りよ。普段はそんなことしないけれどね」
舞踏会の開催が決まった時、わたくしはリジューレ伯爵家とその周辺を縄張りとする妖精達にある命令を出しました。それは、伯爵夫妻とロサの言動を見張り、逐一報告せよという命令です。そのため伯爵家がわたくしへ復讐しようとしていたことは、舞踏会の一週間以上前から分かっていたのです。
すると三人は一瞬だけ鬼の形相を浮かべ、そして哀れっぽく泣き出しました。
「わああああああ! リリウムは最低だ!」
「そうよ! 私達家族を虐げていたのよ!」
「ええ、私はお姉様に虐待されたわ!」
どうやら三人はこちらへ罪をなすりつける作戦に切り替えたようです。わたくしが呆れを通り越して悲しくなっていると、グラキエス様が歩み出ました。
「リジューレ伯爵家の者達よ、貴様らの悪しき計画は前々から分かっていた。だから王家は舞踏会へ参加する貴族達へ密かに知らせておいたのだ。今日、舞踏会の前に、あることを執り行うと」
「何ですと……!?」
「あることとは……!?」
そしてグラキエス様は冷え切った表情で告げます。
「貴様らの断罪だ。国中の貴族の前で、その罪を暴かれるがいい」
リジューレ伯爵夫妻とロサは愕然とした表情を浮かべていました。
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