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第14話
静寂の広間に、わたくしの声が響きます。
「わたくしは一度、リジューレ伯爵家の所業を許しました。処刑するという王妃殿下からの提案をお断りしたのです。なぜなら妖精姫は人間に恩恵と加護を与える存在ですからね?」
ゆっくり、ゆっくりと、自分に言い聞かせるように言葉を紡ぎます。すると泣いていた三人の瞳に希望の光が宿りました。
「や、やっぱり! リリウムは優しい!」
「ええ、自慢の娘だわ!」
「ああっ! お姉様ぁ!」
リジューレ伯爵夫妻とロサが微笑みます。わたくしはそれを横目で見ると、表情を崩さずに話を続けました。
「そう、わたくしはかつてそんな決断をしました。いくら自分に酷いことをした人と言えど、処刑される姿は見たくなかったのです。しかし今後、わたくしはこの国の王族となります――」
そう言うと、三人が顔色を変えました。
「お、王族になっても、リリウムは優しいままだよな!?」
「私達に恩恵と加護をくれるのよね!?」
「お姉様! 私を見捨てないでしょ!?」
わたくしはゆっくりと首を横に振ります。
「いいえ、皆さん。王族になるということは、わたくしがただの妖精姫でなくなることを意味します。これからは王族の自覚を持って、それなりの振る舞いをしなくてはなりません」
最後にリジューレ伯爵夫妻とロサの顔を眺め、そして国王陛下を見ます。
「だからわたくしは国王陛下の判断に従います。この国の法律で三人が死刑なら、それを受け入れます。胸が痛みますが、これがわたくしの決断です」
直後、国王陛下が重々しく答えました。
「リリウム様、そのご決断に感謝の意を表します」
わたくしはそれを受け、お辞儀を返します。すると国王陛下と王妃殿下は最大の敬意を示すお辞儀を返してくれました。貴族達も深く頭を垂れ、この決断を受け入れてくれているようでした。
しかし伯爵家の者達は――
「ふ、ふざけるなッ! 何が王族だッ!」
「あなたは妖精姫でしょッ!? 人間を助けるしか価値のない存在でしょうッ!?」
「そうよッ! さっさと前言撤回して、私達を助けてよおッ! この無能ッ!」
三人共、必死の形相で叫んでいます。わたくしは死が確定した人々に追い打ちをかけることは言えず、口を噤んでいました。
「何を黙っておるッ!? まったく愚図な娘だッ! 大恩のある養父が死刑にされかかっているのだぞッ!? さっさと助けろッ!」
「本当だわッ! このウスノロ娘ッ! 私はあなたの養母よおおおッ!? あなたよりも、偉いのよおおおッ!?」
「もうリリウムなんてどうでもいいわッ! グラキエス様、私と逃げてえええッ!」
三人は絶叫しながら暴れ始めます。衛兵が必死に抑えようとしますが、ロサだけがその手を逃れてグラキエス様の元へ走っていきました。
「グラキエス様、助けてッ! グラキエス様ああああああッ!」
ロサは彼に駆け寄りながら、満面の笑みを浮かべて叫びます。
「ああん、グラキエス様ッ! 本当に愛しているのは私ですよねッ!? 私を攫って逃げてくれますよねッ!? 今からその胸に飛び込ませて下さいッ!」
ロサはそう叫び、グラキエス様の胸に飛び込もうとしますが――
「わたくしは一度、リジューレ伯爵家の所業を許しました。処刑するという王妃殿下からの提案をお断りしたのです。なぜなら妖精姫は人間に恩恵と加護を与える存在ですからね?」
ゆっくり、ゆっくりと、自分に言い聞かせるように言葉を紡ぎます。すると泣いていた三人の瞳に希望の光が宿りました。
「や、やっぱり! リリウムは優しい!」
「ええ、自慢の娘だわ!」
「ああっ! お姉様ぁ!」
リジューレ伯爵夫妻とロサが微笑みます。わたくしはそれを横目で見ると、表情を崩さずに話を続けました。
「そう、わたくしはかつてそんな決断をしました。いくら自分に酷いことをした人と言えど、処刑される姿は見たくなかったのです。しかし今後、わたくしはこの国の王族となります――」
そう言うと、三人が顔色を変えました。
「お、王族になっても、リリウムは優しいままだよな!?」
「私達に恩恵と加護をくれるのよね!?」
「お姉様! 私を見捨てないでしょ!?」
わたくしはゆっくりと首を横に振ります。
「いいえ、皆さん。王族になるということは、わたくしがただの妖精姫でなくなることを意味します。これからは王族の自覚を持って、それなりの振る舞いをしなくてはなりません」
最後にリジューレ伯爵夫妻とロサの顔を眺め、そして国王陛下を見ます。
「だからわたくしは国王陛下の判断に従います。この国の法律で三人が死刑なら、それを受け入れます。胸が痛みますが、これがわたくしの決断です」
直後、国王陛下が重々しく答えました。
「リリウム様、そのご決断に感謝の意を表します」
わたくしはそれを受け、お辞儀を返します。すると国王陛下と王妃殿下は最大の敬意を示すお辞儀を返してくれました。貴族達も深く頭を垂れ、この決断を受け入れてくれているようでした。
しかし伯爵家の者達は――
「ふ、ふざけるなッ! 何が王族だッ!」
「あなたは妖精姫でしょッ!? 人間を助けるしか価値のない存在でしょうッ!?」
「そうよッ! さっさと前言撤回して、私達を助けてよおッ! この無能ッ!」
三人共、必死の形相で叫んでいます。わたくしは死が確定した人々に追い打ちをかけることは言えず、口を噤んでいました。
「何を黙っておるッ!? まったく愚図な娘だッ! 大恩のある養父が死刑にされかかっているのだぞッ!? さっさと助けろッ!」
「本当だわッ! このウスノロ娘ッ! 私はあなたの養母よおおおッ!? あなたよりも、偉いのよおおおッ!?」
「もうリリウムなんてどうでもいいわッ! グラキエス様、私と逃げてえええッ!」
三人は絶叫しながら暴れ始めます。衛兵が必死に抑えようとしますが、ロサだけがその手を逃れてグラキエス様の元へ走っていきました。
「グラキエス様、助けてッ! グラキエス様ああああああッ!」
ロサは彼に駆け寄りながら、満面の笑みを浮かべて叫びます。
「ああん、グラキエス様ッ! 本当に愛しているのは私ですよねッ!? 私を攫って逃げてくれますよねッ!? 今からその胸に飛び込ませて下さいッ!」
ロサはそう叫び、グラキエス様の胸に飛び込もうとしますが――
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