この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。

サイコちゃん

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第7話 オーガスト伯爵の屋敷にて

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「こ、国王陛下……これは……このことは……――」

 オーガストは可哀想なほど怯え、震えている。
 それもそのはず、王妃と浮気して子供まで作った罪はあまりに重い。
 しかしアダムはそんなオーガストの肩を叩くと、こう言った。

「大丈夫、私は君の浮気を責めたりはしない。むしろエルティアナと知り合う機会をくれたことに感謝する」

 その言葉にオーガストとエルティアナは絶句した。
 まさかこの方は王妃を愛していない?
 二人の頭の中にそんな確信めいた考えた浮かんでいた。

「ああ、君達が察している通り、私は王妃メルティアナを愛していない。あの女はあまりに酷い。エルティアナを両親と共に虐待していた。さらには浮気した上に身籠って、その出産のために姉の君と入れ替わったんだ」
「アダム様……いつそれを……――」
「結婚後の調査だよ。メルティアナへの違和感が調査に踏み切る切欠だった」
「そんな……私と妹はそっくりですのに……」
「いいや、私はメルティアナが二重人格か、悪魔憑きかと思うほど違和感を持っていたよ。しかしその場で指摘するには至らなかった。私は勘の良さを頼りに生きてきたが、実際は大したことないのかもしれない」

 エルティアナは困惑していた。
 全て知られた――しかし彼は怒っていない。
 彼女は震える唇を動かし、こう尋ねた。

「私はアダム様を騙していたのですよ……? 憎くないのですか……?」
「憎い? そんな訳あるか。私は君を愛している」

 そしてアダムは赤ん坊を抱くエルティアナの手に触れた。

「心美しいエルティアナ、私は君のことが誰よりも好きだ。花と歌を愛し、そしてこの私にも愛情を注いでくれた優しい君。あれは全部嘘だったのかい?」
「いいえ……嘘だなんて……そんなことはありません……」
「では君は本心から私を愛してくれていたのか?」
「はい……私はアダム様を今でも愛しております……」

 エルティアナの瞳に涙が宿っている。
 アダムはそんな彼女を誰よりも可憐だと思う。

「結婚までの八ヶ月間、私の相手を務めてくれた愛しいエルティアナ。もう一度言うよ、私はあの恐ろしい妹は愛していない。君だけを心から愛している」
「あ、あぁ……――」

 アダムの言葉に、エルティアナはついに泣き出した。
 そんな様子はオーガストからすれば、悪魔の仮面を脱いだ少女に見えた。
 そして彼女が泣き止むのを待って、アダムは口を開く。
 彼の口から語られたのはあるひとつの計画。
 それは――

「実は……――」
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