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9.身支度
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-----なんだこれ、モテ期か??
なかば気分的にぐったりしながら、俺は風呂場へと連行…もとい、案内された。
どうせモテるなら蓮みたいにかわいいメイドさんたちに囲まれてちやほやされたいのに、俺ときたら元パーティーメンバーの男たちにいいようにされてしまってるという悲しさ。
だが、昔勇者時代にコミュ障だった俺は、他のメンバーとなじめなくて寂しかった。
仲良くなれたらと思っていたのに、彼らはすごく大人に見えていて、皆それぞれ自分の力で今の力を手に入れていてすごくかっこよくて、遠い人に見えた。
--寂しかった。
そのときの気持ちが根底にあるせいか、エロいことをされても、なんだか嫌いにはなれないのだった。
案内された風呂場は、やたらゴージャスだった。
広くて、バラの花びらとか浮かんでて、ゴージャス風呂定番のライオンの口から水が出るやつとかがある。
城の中にこんなところがあるなんて知らなかったが、王族なんかが入ったりするところなのかもしれない。
お湯に手を入れてみたが、ちょうどよい温度だったので俺はさっさと服を脱ぎ、ドボンとお湯に飛び込んだ。
(それにしても、やつらもおかしいよな)
15歳ピチピチ男子高生ならわかるが、29歳男と、ナンカして何が楽しいのかと思う。
だが、彼らの言葉から想像するに、前は子供すぎて色気を感じなかったが、今はちょうどよい感じ、ということなのだろう。日本人は若く見えるというのはよく聞くが、前はもしかして小学生くらいに見えてた??
広い風呂につかってリラックスしながら、そういえば先程シルヴァが言っていたことが気になってくる。
「召喚された理由…」
また新たなる魔王が出現とか?
でも俺にはもう勇者の力はない。今は役割を終えて、余生みたいなもんだ。
あとはあのことがバレたのかと思ったけど、それだったらこんな風に野放しにはしないだろう。
とにかく、早くもとの世界に返してもらわないと。
…彼に会えてないのは残念だけれども。
その時、バシャンという音がして、水面に波紋が広がった。
でかい茶髪の男が水をかきわけてすすんでくるのを見て、俺は思わずうんざりした。
「よお」
「-----どっち?」
「えっ!?」
魔術師のかたわれは俺がいくらか硬い口調で言ったので、一瞬怯んだようだった。
先程のことがあったので警戒してしまう。
またエロいことをされたらたまらない。一日に2度も出させれたらもう充分だと思う。
「テオだよ。ここに傷があるのが俺の目印」
指さされた胸元を見ると、確かに腰のほうまで火傷のような傷がある。
黒魔術師は実際戦闘に加わるから、その時に追ったのかもしれない。
「服着てたら区別つかない場所じゃないか。もっと区別つきやすくしてほしいな」
「色々と便利なんだよ」
悪い顔をしてテオは言った。
どうせ入れ替ってなんか悪いことするんだろうなーと思う。
警戒してすこし距離をとる。
それにしても筋肉…うらやましい。俺は筋肉がつきづらいらしく、筋トレとかしてもムキムキにならないのだ。もちろん今は社畜のため筋トレする暇はない。
「お前とこんな風に風呂に入る日がくるなんてなー。前はこんなん小さかったのに」
「そんないうほど子供じゃなかったと思うけど。今はたしかにおっさんになったとは思うけどさ」
「たしかに疲れ果てたおっさんって感じだったわ。結婚して子供いるとかかなりびっくり」
あはは、と。テオは朗らかに笑った。
「そりゃあ、帰ってから普通に暮らしてたしするでしょ結婚くらい。まだみんなはしてないの?」
「……ん?う…ん、まあな」
風呂につかったままテオと普通に会話できてちょっと安心してきた俺は、急にテオの口調がおもくなったのに気づかなかった。
なぜなら、気になってたことをそれとなく聞き出すチャンスだと思ってドギマギしていたからだ。
「そ、そういえばなんだけど、ハリーはどうしてるの?いなかったけど」
召喚のときに見なかったパーティーのメンバーの名前を出す。
太陽のような金髪と、蒼天の青い瞳の騎士。
たなびくマント。
胸の中にもう捨てたはずの切ない思いが去来する。
「ハリーは…多分、あとから来ると思う。お前、ハリーのこと好きだったもんな」
「…まあ、その…憧れみたいなものっていうか。それより俺たち、はやく元のとこに帰りたいんだけど」
「え?戻るのはしばらくは無理だけど」
なんだってーー!?
話を変えたかっただけなのだが、衝撃のニュースに、俺は凍りついた。
なかば気分的にぐったりしながら、俺は風呂場へと連行…もとい、案内された。
どうせモテるなら蓮みたいにかわいいメイドさんたちに囲まれてちやほやされたいのに、俺ときたら元パーティーメンバーの男たちにいいようにされてしまってるという悲しさ。
だが、昔勇者時代にコミュ障だった俺は、他のメンバーとなじめなくて寂しかった。
仲良くなれたらと思っていたのに、彼らはすごく大人に見えていて、皆それぞれ自分の力で今の力を手に入れていてすごくかっこよくて、遠い人に見えた。
--寂しかった。
そのときの気持ちが根底にあるせいか、エロいことをされても、なんだか嫌いにはなれないのだった。
案内された風呂場は、やたらゴージャスだった。
広くて、バラの花びらとか浮かんでて、ゴージャス風呂定番のライオンの口から水が出るやつとかがある。
城の中にこんなところがあるなんて知らなかったが、王族なんかが入ったりするところなのかもしれない。
お湯に手を入れてみたが、ちょうどよい温度だったので俺はさっさと服を脱ぎ、ドボンとお湯に飛び込んだ。
(それにしても、やつらもおかしいよな)
15歳ピチピチ男子高生ならわかるが、29歳男と、ナンカして何が楽しいのかと思う。
だが、彼らの言葉から想像するに、前は子供すぎて色気を感じなかったが、今はちょうどよい感じ、ということなのだろう。日本人は若く見えるというのはよく聞くが、前はもしかして小学生くらいに見えてた??
広い風呂につかってリラックスしながら、そういえば先程シルヴァが言っていたことが気になってくる。
「召喚された理由…」
また新たなる魔王が出現とか?
でも俺にはもう勇者の力はない。今は役割を終えて、余生みたいなもんだ。
あとはあのことがバレたのかと思ったけど、それだったらこんな風に野放しにはしないだろう。
とにかく、早くもとの世界に返してもらわないと。
…彼に会えてないのは残念だけれども。
その時、バシャンという音がして、水面に波紋が広がった。
でかい茶髪の男が水をかきわけてすすんでくるのを見て、俺は思わずうんざりした。
「よお」
「-----どっち?」
「えっ!?」
魔術師のかたわれは俺がいくらか硬い口調で言ったので、一瞬怯んだようだった。
先程のことがあったので警戒してしまう。
またエロいことをされたらたまらない。一日に2度も出させれたらもう充分だと思う。
「テオだよ。ここに傷があるのが俺の目印」
指さされた胸元を見ると、確かに腰のほうまで火傷のような傷がある。
黒魔術師は実際戦闘に加わるから、その時に追ったのかもしれない。
「服着てたら区別つかない場所じゃないか。もっと区別つきやすくしてほしいな」
「色々と便利なんだよ」
悪い顔をしてテオは言った。
どうせ入れ替ってなんか悪いことするんだろうなーと思う。
警戒してすこし距離をとる。
それにしても筋肉…うらやましい。俺は筋肉がつきづらいらしく、筋トレとかしてもムキムキにならないのだ。もちろん今は社畜のため筋トレする暇はない。
「お前とこんな風に風呂に入る日がくるなんてなー。前はこんなん小さかったのに」
「そんないうほど子供じゃなかったと思うけど。今はたしかにおっさんになったとは思うけどさ」
「たしかに疲れ果てたおっさんって感じだったわ。結婚して子供いるとかかなりびっくり」
あはは、と。テオは朗らかに笑った。
「そりゃあ、帰ってから普通に暮らしてたしするでしょ結婚くらい。まだみんなはしてないの?」
「……ん?う…ん、まあな」
風呂につかったままテオと普通に会話できてちょっと安心してきた俺は、急にテオの口調がおもくなったのに気づかなかった。
なぜなら、気になってたことをそれとなく聞き出すチャンスだと思ってドギマギしていたからだ。
「そ、そういえばなんだけど、ハリーはどうしてるの?いなかったけど」
召喚のときに見なかったパーティーのメンバーの名前を出す。
太陽のような金髪と、蒼天の青い瞳の騎士。
たなびくマント。
胸の中にもう捨てたはずの切ない思いが去来する。
「ハリーは…多分、あとから来ると思う。お前、ハリーのこと好きだったもんな」
「…まあ、その…憧れみたいなものっていうか。それより俺たち、はやく元のとこに帰りたいんだけど」
「え?戻るのはしばらくは無理だけど」
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