異世界転移して戻ってきたけど、疲れきったおじさんになっちゃった元勇者が子連れで再召喚されたら総愛されになってしまった件について

鳥海あおい

文字の大きさ
11 / 25

10.風呂の中にて

しおりを挟む
「…戻るのはしばらく無理だけど」

「えっ!?何で?」

思わず呆然としてしまう。

「今回お前を呼ぶときに召喚師たちが魔力を使い切っちまったんだよ。半年は無理だな」

「半年・・・」

テオの言葉に、がーん、と俺はショックを受けた。
だがこっちで半年我慢しさえすれば、召喚された直後に戻してもらうことは可能なわけなのだから、考えようによっては半年間休みをもらったと思ってこちらで蓮とぐーたら過ごしていればよいのではないだろうか。

「どうせしばらく帰れないんだし、久しぶりだから色々遊ぼうぜ!お前もすっかり大人になったわけだし、娼館とか」

「娼館・・・」


「俺のおすすめのとこ行こうぜ」

ーー娼館
ホワワワン、とイメージが脳裏に浮かんでくる。男達のドリーム的なあれですよね?綺麗なお姉さんたちにチヤホヤしてもらって、あんなことやこんなことをしてもらったりできるところ…と想像すると、思わず顔がだらしないことになってしまう。

会話の流れ上、俺はすっかり安心しきっていた。
そして、すっかり油断していた。

俺が手慰みにお湯を手ですくいながらぼーっと久しぶりの女体に思いをはせていると、テオが何かを見とがめたように目を細めた。

「ちょっと待て、なんだそれ」

「えっ?」

バシャ、と、水音をさせて、いきなりテオが距離をつめてくる。
腕を捕まれて、俺はぎょっとした。

「この、手のあと・・・」

テオの凝視する先、俺の手首に、くっきりと手の形にアザができている。
それは、どうやらテオに何があったかをわからしめるには充分だったようであった。

(…あの、馬鹿力たちめ!)

「もしかして、キースかシルヴァと何かしたかな?」

急に大男が迫ってきたので、俺は距離をおこうとした。
だが下がった分つめられるのでやがて湯船の端まで追い詰められてしまった。
背中が湯船の縁に触れる。

顔と口調はにこやかだか、こわいっ。

「何かって・・・何も・・・・・・・・・」

「ーー魔法で口を割らされたい?かなり苦しいかもしれないけど」
 
黒魔術師マジ怖い。
そして俺は痛いのも苦しいのも苦手である。

「その・・・・・・・やらしいことされました・・・・・」

「誰に」

「……………二人に」

「二人に?節操ないなー」

咎められるような言い方をされて、俺は涙目になった。
俺は何も悪くないはずなのに、この言われよう。

…そして、この流れ。

すでに風呂、裸の付き合いである。
つまり、先程よりもさらに無防備。
三度めの貞操の危険を感じて俺は回避しようと、さりげなく風呂の縁からあがろうとした。
だが、もちろんそんなに甘くはなかった。
テオに足を引っ張られてボチャンとお湯に落ちてしまう。

「なにすんだよ」

「ふーん…なるほど。皆、必死か」

先程の指の痣のところを掴まれ、さすがに痛くて顔をしかめる。テオはそこに唇をあてた。
舌が指跡をたどるように舐めてゆく。ゆっくりと尖った舌先で丁寧にたどられれば、すでに2回も弄ばれた身体の芯にあっという間に熱が灯ってゆく。

(もー、無理。色んな意味で無理っ!)

お湯に濡れていても敏感な先端が濡れだしているのがわかり、俺は下肢の反応に気づかれないうちにテオからなんとか離れようとした。
だが、ふと気になることを言われた気がしてテオの頭を押す。

「…ところで必死って、なにがだよ」

さすがに痛かったのか、テオは唇を放した。
全身までゾワゾワしてくるような舌先での愛撫がストップしてホッとしたが、握られた手首は開放されないままであった。

「知りたい?」

聞かれてコクコクと頷くと、テオの顔に悪い表情が浮かんだ。

「…知りたければ、俺にもやらせろ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。 酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。 性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。 そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。 離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。 姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。 冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟 今度こそ、本当の恋をしよう。

喪女なのに狼さんたちに溺愛されています

和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です! 聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。 ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。 森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ? ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。

処理中です...