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17.カップルたち
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男性同士のカップルという以外に、特に変哲もないように思えた。また、有名なカップルという称号に対して、見た目的には割合地味にも思える?
彼らはソファー席に案内されると、DOMらしい男性がSUBの青年にコマンドをささやいたらしく、青年は足元の床に座った。
ぺたりと尻と太ももを床につけた姿勢だった。
---Kneel
聞こえないはずのコマンドが聞こえたような気がして、桐原は内心ドキリとした。
他人がコマンドに従うの生で見るのは始めてであった。
Kneelた青年に、男は微笑むと頭を撫で、髪にキスを落とす。
優しい微笑みに、相手を大切に思っていることが如実に伝わってくる。また、青年のほうも愛情を込めて男をじっと見つめていた。そこには互いに対する全面的な信頼があるのを感じた。
やりとりは聞こえないが、再び男が何かを囁やき、青年がゆっくり服を脱ぎ、四つん這いになる。
多分、Strip、Presentなどのコマンドがかかったのだろう。
命令は人前にもかかわらず淫靡なほうに向かいつつあった。
しかし何故か、桐原がプレイに対してもっていた生々しくてやらしく、秘めるべき行為というような印象を覆すものでもあった。
彼らがあまりにも堂々と自然だったからかもしれないし、お互いか信頼し、互いの欲することを満たしあっているということが傍目からもわかるからというのもあるかもしれない。
もっと一方的なものだと思っていた。
だが、DOMの男はSUBの青年の欲することを命じ、SUBの青年は従うことでDOMの男の欲求を満たす。
二人だけの世界、二人だけで完成された空気があった。
誇らしそうに、愛しそうに青年は男を見あげる。その姿は虐げられて歓ぶという桐原のイメージを覆すものだった。
桐原は思わず魅入られたように見てしまっていた。
犬飼やミズキの存在を一瞬忘れてしまう。
----羨ましい。
自分より相手を満足させあうような、そして他者が介在しないほどに互いに唯一無二の相手がいるというのが、羨ましいくてたまらない。
唾液が口の中に溜まり、桐原は我知らず唾を飲む。
刺激を受けあてられたせいか、本能的な欲求が込み上げてくる。
それは欲望だった。
だが、下半身からくるそれではなく、もっと違う脳を満たされたいというそれだった。
さらにそこに、満たしたいとい衝動も強く含まれていた。
ダイナミクスの根源ーー誰かを必要としたい、されたいという強い思いが込み上げてきて、桐原は思わず身震いした。
今まで他者との繋がりを拒絶してきた彼にとって、それはまるっきり正反対の情動で、その相反する2つが激しくせめぎ合っていた。
「…二人ともすごく信頼しあってるって感じですよね。でなければ首輪を受けとらないですよね」
「DOMのキリトさんがめっちゃマメで紳士って聞いたことあります。ああいう人とパートナーになれたら安心して委ねられるのかなぁって憧れますね。いつか首輪をもらえるようなパートナー関係になるのが夢なんですがなかなか」
「僕が言う事じゃないんですが、やっぱりDOMって診断受けるとそれが免罪符みたいにえばり始める奴は多いんですよね」
「犬飼さんもそうだったんですか」
「やっぱり若い時はそういうとこもあったかも。最近は違う…はず、だと思う」
…犬飼とミズキは同年代というのもあるのか会話を盛り上がらせていたが、桐原は言葉少なく二人の会話を聞いていた。
*
興奮と火照りじみたもの残滓があった。
それはプレイバーから出、強いビル風に吹きさらされても、なかなかひこうとしなかった。
それどころか内に内にと熱が染み込んでゆくようだった。
大通り沿いでタクシーを待っている間、桐原は灼けるような本能の疼きを必死で押し込めようとした。
冷静さを保つ。表面上は。
それは成功した。
…と思っていた。
「今日、言葉少なかったですね。僕がミズキさんと話しまくっていたからちょっと嫉妬してたり………」
「それはない」
「…ないですね、はい」
犬飼は軽口をたたき、通りに目をやった。
「タクシー、来ましたよ。先に桐原さんの家によってから僕の家にいってもらいます?それとも・・・」
言いかけて、彼は桐原を振り向く。
そしてじっと見る。
まるで暴くように。
「…今日、これからうちに来ますか?」
彼らはソファー席に案内されると、DOMらしい男性がSUBの青年にコマンドをささやいたらしく、青年は足元の床に座った。
ぺたりと尻と太ももを床につけた姿勢だった。
---Kneel
聞こえないはずのコマンドが聞こえたような気がして、桐原は内心ドキリとした。
他人がコマンドに従うの生で見るのは始めてであった。
Kneelた青年に、男は微笑むと頭を撫で、髪にキスを落とす。
優しい微笑みに、相手を大切に思っていることが如実に伝わってくる。また、青年のほうも愛情を込めて男をじっと見つめていた。そこには互いに対する全面的な信頼があるのを感じた。
やりとりは聞こえないが、再び男が何かを囁やき、青年がゆっくり服を脱ぎ、四つん這いになる。
多分、Strip、Presentなどのコマンドがかかったのだろう。
命令は人前にもかかわらず淫靡なほうに向かいつつあった。
しかし何故か、桐原がプレイに対してもっていた生々しくてやらしく、秘めるべき行為というような印象を覆すものでもあった。
彼らがあまりにも堂々と自然だったからかもしれないし、お互いか信頼し、互いの欲することを満たしあっているということが傍目からもわかるからというのもあるかもしれない。
もっと一方的なものだと思っていた。
だが、DOMの男はSUBの青年の欲することを命じ、SUBの青年は従うことでDOMの男の欲求を満たす。
二人だけの世界、二人だけで完成された空気があった。
誇らしそうに、愛しそうに青年は男を見あげる。その姿は虐げられて歓ぶという桐原のイメージを覆すものだった。
桐原は思わず魅入られたように見てしまっていた。
犬飼やミズキの存在を一瞬忘れてしまう。
----羨ましい。
自分より相手を満足させあうような、そして他者が介在しないほどに互いに唯一無二の相手がいるというのが、羨ましいくてたまらない。
唾液が口の中に溜まり、桐原は我知らず唾を飲む。
刺激を受けあてられたせいか、本能的な欲求が込み上げてくる。
それは欲望だった。
だが、下半身からくるそれではなく、もっと違う脳を満たされたいというそれだった。
さらにそこに、満たしたいとい衝動も強く含まれていた。
ダイナミクスの根源ーー誰かを必要としたい、されたいという強い思いが込み上げてきて、桐原は思わず身震いした。
今まで他者との繋がりを拒絶してきた彼にとって、それはまるっきり正反対の情動で、その相反する2つが激しくせめぎ合っていた。
「…二人ともすごく信頼しあってるって感じですよね。でなければ首輪を受けとらないですよね」
「DOMのキリトさんがめっちゃマメで紳士って聞いたことあります。ああいう人とパートナーになれたら安心して委ねられるのかなぁって憧れますね。いつか首輪をもらえるようなパートナー関係になるのが夢なんですがなかなか」
「僕が言う事じゃないんですが、やっぱりDOMって診断受けるとそれが免罪符みたいにえばり始める奴は多いんですよね」
「犬飼さんもそうだったんですか」
「やっぱり若い時はそういうとこもあったかも。最近は違う…はず、だと思う」
…犬飼とミズキは同年代というのもあるのか会話を盛り上がらせていたが、桐原は言葉少なく二人の会話を聞いていた。
*
興奮と火照りじみたもの残滓があった。
それはプレイバーから出、強いビル風に吹きさらされても、なかなかひこうとしなかった。
それどころか内に内にと熱が染み込んでゆくようだった。
大通り沿いでタクシーを待っている間、桐原は灼けるような本能の疼きを必死で押し込めようとした。
冷静さを保つ。表面上は。
それは成功した。
…と思っていた。
「今日、言葉少なかったですね。僕がミズキさんと話しまくっていたからちょっと嫉妬してたり………」
「それはない」
「…ないですね、はい」
犬飼は軽口をたたき、通りに目をやった。
「タクシー、来ましたよ。先に桐原さんの家によってから僕の家にいってもらいます?それとも・・・」
言いかけて、彼は桐原を振り向く。
そしてじっと見る。
まるで暴くように。
「…今日、これからうちに来ますか?」
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