尽くしすぎの僕がスパダリに会ってざまぁして幸せになるまで。

鳥海あおい

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性悪ネコの俺はざまぁされても決してへこたれない。

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「む、か、つ、く~~~!」  
最近本当についてない。

俺が元友人の恋人をとったと人は言うが、とってない。向こうが勝手に来ただけで、俺は悪くない。
きれいだね、付きあって欲しいといってきたから俺は付き合っただけなんだ。
前みたいに友人ではいれないかもだけど、元友人と今の恋人に話しかけただけで「性格悪い」とか言われる筋合いもない。
しかもムカついている俺をしりめに彼氏ときたら
「涼(元恋人)、めっちゃ奇麗になってねぇ?」
なんて鼻の下伸ばして言うもんだから頭にきてその場でサヨナラした。


そんなわけではれてシングルになった俺であるが、かなりプライドが傷ついたので、何となく夜の街にでる気がうせてしまう。彼氏や友達の家に転がり込むのはやめ、久しぶりに家に帰ることにした。
比類なき美貌を武器に男たちを従えて夜の街でブイブイ(死語?)している俺であるが、家に帰れば所詮は下町の築40年の実家住まい、おふくろどやされるのが怖い普通の男である。
そんな自分が嫌でたまらず、金持ちを捕まえて都会のアーバンライフを送りたいと思っているのだが、現実とはこんなものである。
ボロ屋にため息をつきながらギーっと門を開けた途端、後ろから声がかかった。 
「三郎!」
「……名前で呼ぶんじゃねーよ!!」
コンプレックスが刺激されておもわず叫んでしまう。俺は、この名前が大、大、大嫌いなのだ。
「…椎名」
律儀に名字で呼び直した男を、俺は見上げた。
バスケをやっていたからか背が高くて、手足がものすごく長い。家が隣で幼なじみの山下佳祐である。
腐れ縁で幼、小、中、高と同じだった仲であるが、今は仲良くない。
「なんだよ」
「最近あまり帰ってこないの、おばさん心配してた」
「あっ、そう。ありがとう」
つっけんどんに言うと、何かいいたげであったが、戻っていく。
関わりたくない。
あいつには二度と絶対に関わりたくない。
そう思いながら八つ当たり気味に門をガシャンと閉じた。




そのむかし。
俺も純粋だった時代がある。
山下はその象徴のようなものだ。
俺は自分がゲイだと気づくのが早かった。なんせ幼稚園の頃から山下が好きというめちゃくちゃ一途なやつだったのである。
いつか思いが叶って山下も俺を好きになってくれたら嬉しいなあ、両思いなったら恥ずか死ぬ!なんて可愛いことを考えてドキドキしたりトゥクン!とかしてたのである。
だが、高校生のある日、たまたま放課後に山下が友達と話しているのを聞いた時、俺の初恋は終了した。
「なんか、山下の隣の家のキモいやつさ…」
「椎名のことか?」
「なんか暗い感じだし、顔もぼつぼつしててキモいよな」
ショックのあまり逃げ出した俺である。
確かに暗めだったかもしれないが、その頃俺はすこぶる真面目な優等生だったし、性格さえよければいつか王子様のように「三郎のことが好き」とか誰か、というか山下が言ってくれないかなーと妄想する夢見る乙女だった。
否定してくれないのもショックすぎたし、ちょうどひどいニキビが顔中真っ赤に広がっていて悩んでいたので見た目のことを言われたのもショックだった。
見た目は生まれつきのものだから、言及しちゃいけませんって教えられなかったか!?俺はおふくろから口酸っぱくなるくらい言われてたけどなっ!
一晩大泣きし、かくして、純粋だった俺はその日死んだ。
山下とも少しずつ距離をとった。
山下とは別の大学にいった俺は、まずニキビ治療で有名なところを探し治療を受けにいき、イメチェンもした。
そうしたらベースがよかったのか、努力が身を結んだのかきれいだね、と言われるようになった。
二丁目デビューもした。
いいよってくる男はたくさんいたので、遊ぶようになりビッチ化した。 
所詮、みんな見てるのなんて表面だけだ。
見た目に惹かれる男たちは誰でも一緒で、表面さえよければ中身なんてどうでもよくて、可愛い口調で話しかけば喜び、見目よい俺を連れ歩いて、セックスできればいいと思っている。
だから俺も誰でもいいんだ。表面だけよければ。






ムシャクシャする気分が収まらないので、その日気心の知れたセフレの1人を捕まえて発散することにした。
ベイエリアのホテルをとってくれたのだが、オーシャンビューで窓の外に海と夜景が広がってなかなかいい。エッチするだけだけど。
「こういうのってさ、エロビとかだと窓に手ついて、パンパンするやつだよね」
「見られちゃうかもよ、とか、やるやつね」
壁紙ドンならぬ、窓ドンされてやってみようか?と、耳元で囁かれると、股間に血が集まるのがわかった。
耳元から項、首筋と後ろから甘噛みされると、ゾクゾクと快感がはいあがってくる。
このセフレはエッチが特別に上手いということもないのだか、肌がなんとなくあうのと、本性をちらつかせても面白がる素振りを見せて引かないので気にいっていてわりと長く続いている。
どんな風にすれば気持ちがいいのか熟知した手が太腿をつかみ、尻を割りさいた。
「すぐして!今日準備してきたからッ…」
命令すると、言ったとおりにふつり、と指が入ってくる。
仕込んでいたローションをまとわせながら入ってきた指が気持ちがいいところにダイレクトに触れ、俺は顎をあげた。
慣れた体は、早く気持ちよくなりたくてウズウズしている。 
「…ンん……うー…早く…」
「これならすぐ入るね。入れるよ」
グッとペニスが俺の孔に入ってきて、何かが埋まるような感覚に俺は満足感に喉をならした。



宣言どおり、窓際でパンパンして、ベッドと風呂でもやり、くたくたになった俺は車で送ってくれるというのに甘えた。
「相変わらずぼっろい家」
「うるせーな、築40年のプリンセスなんだ俺は」
普通ならうるうる目をさせて「僕は~」とかなんとかやらなきゃいけないが、このセフレには猫を被らないで言い返す。そんなとき、あ、こういうのってけっこういいなあと思う。
「うちに来てもいいのに。椎名ならいつでも大歓迎」
優しい目で言わると、もしかして俺のことがちゃんと好きなのもしれない、と思う時があった。
顔を寄せられてキスされ、え実家の前…とか思ったが、まあいいか、と、そのままキスを返した。
さんざんチュッチュした後に去ってゆく車を見送り、さて、家に入ろうかなあと思った時、グイッと手を引かれた。
なんか強張った顔をした山下が立っていた。
「今の誰?」
「は?なに?」
「だから今の誰?もしかしてキスしてたの?」
「してたけど、何の関係あるの?」
「だって男じゃん」
なんだこの痴話喧嘩みたいな会話。
しかも高校卒業してから挨拶くらいしか交わしてないのに、今のやりとりだけでその会話数越したんじゃない?とか考えていると、グイグイと手を惹かれて山下家に引っ張り込まれる。バスケ男に力で勝てるわけもないから俺は手をひかれるに任せた。
どのみち、道であんな会話を繰り広げたくないからまあいいんだけど、何なのこの人、と思っているうちに、山下の部屋に押し込まれた。
何年ぶりだろ。
昔とあんまり変わってないように見えるが、なんだか懐かしい。ここでマンガ読んだり、二人でゲームしたりしたっけ。
「で、さっきの男は?恋人?」
「セフレだけど」
「セ…」
鼻で笑って答えてやると、あからさまな言葉に山下は言葉に詰まった。
「俺男が好きなの。悪い?」
「…セフレってことは、あいつとやったってことか?」
なんだか、娘が朝帰りしたおやじみたいなこと言ってるよ、この人。
ただの幼なじみ、かつ、疎遠な奴に言われる筋合いある?
だんだんイライラしてきた俺は、
「だからなに?お前に関係ねえだろうが。たまってやりたくなったから、セックスしてきたんだよ。呼べばくるやつなんていくらでもいるからな」
「いくらでもって…」
こんな乱暴な口調でこんなことを言ってるの見たら、二丁目関係の人めちゃくちゃびっくりするんだろうなぁと思う。 
こんな俺の本性を全部さらしても何も言わず受け入れてくれたのは涼だけだったなあ。もう友達じゃなくなったけど。
など、と、浸っていると、急にぎゅっと抱き寄せられた。 
「誰でもいいってこと?」
「はあ?」
「じゃあ俺でもいいってこと?」
「……」


トゥクン…
山下…俺、実は山下のことずっと…
♪エンダァァ~(by 映画ボディガー○)


-----と、純粋だった椎名三郎だったらなっただろうが、俺は、カッとなって山下を引き離して回し蹴りした。
ついでに追撃して蹴る。
「死ね!!」
チーン、な手応えしてうめき声がしたが、知るか!!!
山下家を飛び出して、自分の家に飛び込むとおふくろの「なによ、うっさい~」という声を背に自分の部屋に入ると布団にくるまって丸くなった。
(何も考えたくない)
よくわからないどうしようもない気持ちが溢れまくって、声を殺しながらめちゃくちゃ泣いた。



コンコン、と、音がして目がさめた。
いつの間に寝ていたみたいだ。
躊躇いながらカーテンを開けると、屋根を伝ってきたらしい
山下の姿があった。
それは、俺たちが仲良かった時につかってた通り道だった。
しぶしぶ窓を開ける。
「…なんか目が赤い」
「何しにきたの?」
棘々しながら言うと、一瞬ひるんだが、窓のさんを乗り越えて入ってる。
「昨日はごめん」
「なに?俺とヤりたくなったって?」
「ちょっと待って。話聞いて」
「キモいとか言ってたくせに、見た目が変わったら興味出てやってみたくなったってか!?ざけんな」
「キモいなんて言ってない。俺は----前から」
「嘘つき。高校の時にバスケ部の友達と気持ち悪いとかブツブツとか…」
弾かれたように、山下が顔を上げた。
「あの時、聞いてたの?あれは、あの中の奴が、中学の時から椎名に興味があってやたら話題に出したり悪口言ってた時期があって。ほら、椎名あの頃から可愛い顔だちだったから…」
なに??
なんだと??
「とくに、隣の家だからって嫉妬されてたみたいで、なんか言うとへんな絡み方されるからスルーしてて…」
あれか、あいつらは好きな子ほど意地悪言いたいみたいなやつだったのか?
誤解?
そんな----
「お前とあんまりあえなくなって…いるのが当たり前だと思っていたのにいなくなって、それで好きだって気づいた」
山下も俺のことを?
両思いだった?
じゃあ、俺は…
俺は何で
何をしてたんだろ。
「…でも、お前に避けられてる気がしたし、男なんてって言われたらと怖くて言えなくて…」
頭の中が、ぐわんぐわんとなる。
「好きだ。三郎、俺と---」
「佳祐…」
「無理だ。俺は、」
涙がでる。
「お前とは」
山下のことを好きだった三郎はもういないんだ。
あの時の気持ちはもうないんだ。
俺は変わってしまった。
過去は変えられない。
今ここにいるのは男とやりまくって、かわいこぶっていつでも金とステータスにぶら下がろうとしている性悪で、誰とでもヤる男なんだ。お前以外とは。
「付き合えない。絶対に」
俺は言った。



俺はまた泣き明かすだろう。
誰にも涙を見せられないから布団の中で泣いて、そして泣くだけ泣いたら街に繰り出して、男たちに媚び媚びして可愛こぶって、ぶりっことか性格悪いとか言われるのを、ブスが何いってんだ、とせせら笑って闊歩してやる。

だって俺は性悪ネコだから。
性悪は泣かない。
そして性悪は決してへこたれない。
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