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01 発情し続ける体(潮吹き、ドライオーガズム)
しおりを挟むこの世にはあまり知られていない病がある。 その一つに永久発情期というものがある。
それは生まれてから生まれた時から発情し続ける病であり、薬によって防ぐ以外に方法がないらしい。 一日一錠、朝起きて一番に飲を飲むことでその体は普通の人と変わらない生活をすることができる。
しかしもしそれを怠れば、発情した体は暴走を始め様々な症状を引き起こすのだ。
病の軽い者は数日間薬を飲まずとも多少の火照りと興奮だけで済むのだが、病の重い者は一日でも飲み忘れると大変なことになる。 体が勝手に絶頂をし続け、全身は骨砕けになってしまう。
この家には二人の兄弟が住んでいる。 上が大学生で下が高校生である。 両親は経営者で海外に出張することが多く、ほとんど二人だけの生活だ。 そして大学生の方はこの永久発情期の病を持って生まれてしまった。 しかも症状はかなり重い方でレベルが1~4まで設定されてあるが、彼はその一番高いレベル4である。
大学生のトモは朝起きて一番にすることが、その症状を抑えるための薬を飲むことだ。 同じ部屋で眠る高校生のヒロはいつもそれを見ているだけ。
トモはヒロの顔がいつもよりも赤いことに気付き、声をかけた。
「トモ、体大丈夫かよ? 何かキツそうだけど…」
「…う、ん…… 今日、ちょっと、酷いかも……っ…」
厄介なことに、最近のトモの症状はとても不安定で、薬を飲んでもあまり効かないようなのだ。 病院に連れて診察を受けても薬を飲む以外の対処法もなく、薬は効果が強いため一日一錠が限度となっているし、あとは自然と症状が落ち着くのを待つしかない。
だがトモの場合、それが落ち着くまでには数日間、酷い時には一週間以上かかる時もある。
もちろん大学は休むし、ヒロも看病のために休むか早退をする。 トモを一人にするわけにはいかないし、ヒロも心配しすぎて授業どころではなくなってしまうから、こうなった時はいつもそうしている。
学校側、教師らには前以て説明してあるので退学になることはない。
トモの様子をしばらく観察していたヒロだったが、これでは大学どころか家の中を歩くことも厳しいと感じ、休学の電話をそれぞれの学校に入れた。
「ヒ、ヒロっ、ごめん…っ」
「別に謝るようなことじゃねぇよ。 それにしても今回のはやけに酷いな…。 トモ、立てるか?」
「んんんんっ、だ、駄目っ…、…んうっ…、ああっ… ひ、ひぅんん…っ」
「ああ、もう…、泣かなくていいって…」
自分の体なのに言うことをきかないことが悔しくてトモは泣き出した。 大学生のくせに泣き虫なトモをあやすのはいつもヒロの役目だ。 ヒロは高校生にしては大人びていて、背は180センチと高く体つきもがっしりとしている。 それに比べてトモは細く色白で、身長もヒロより十センチほど低い。 女性ほどの体つきではないものの、男らしくない可愛らしい顔をしている。
だからこうして症状が強く現れた時、ヒロは少し焦る。 発情して薬も効かないトモの体は高校生のヒロには目の毒で、これが男らしくて体も大きくガッチリしている男性だったならばそこまで思わないかもしれないが、トモの体はまるで女性のように柔らかく艶やかだ。
そしてヒロはトモのことを兄弟以上に好いていることもその原因の一つなのだが。
「あ、…ああっ!! やだ、やだぁっ!! あうっ!!」
「ト、トモっ…、落ち着け…っ、…ああ、これはちょっとヤバイな…」
突然トモが悲鳴を上げ、体を激しく痙攣させた。 布団を剥ぎ取り状態を見れば股間がぐっしょりと濡れている。 だが色も匂いもない。 これは潮吹きをしたのだろう。
いつもトモは体の抑えが効かなくなるほど発情すると射精よりも潮吹きをすることが多い。 その量は尋常ではないほどで、体中の水分がなくなってしまうのでは、というほどの量を漏らす。
幼い頃はここまで症状も酷くはなく、まだ射精も潮吹きも出来ない体だったためドライオーガズムを何度か繰り返すと自然と治まっていたのだが、成長するにつれ射精を覚えた頃には症状は悪化し、気付いた時にはこうして潮吹きをするようになっていたのだ。
両親は昔から家にいることが少なかったためにトモの体のことをあまり知らない。 永久発情期という病気であることはわかっているが、このようにグショグショになるところは見たこともないだろう。
一度それを両親に言おうとしたヒロをトモが止めた。 恥ずかしいと泣きながら言うものだからヒロも無理に知らせなくともこうして自分が傍にいてやればいいだろうと思ったからだ。
それに、この状態のトモをいくら両親といえどもあまり見せたくはなかった。 自分だけが知っていればいいのだ、トモのことは自分だけが。
「あひっ、あひっ、ヒロっ、またっ、出るっ、出るぅ~っ!!」
「思い切り出せよ、そしたらそのうち体も治るって。 ほら、バスタオルで吸ってやるから」
「あううううう~っ!! んうっ、んん~っ!!」
「うおっ、…すごい勢いと量だな」
ヒロの言う通り、トモの潮吹きは凄まじく、タオル越しにもその勢いがよくわかりタオルはみるみるうちにぐっちょりと重みを増した。
「トモ、脱水症状になったら大変だから水だけは飲めよ? ほら、体少し起こすぞ」
「んうううっ、で、でも、今、まだっ、出てるっ」
「イキっぱなしなのも出っ放しなのも知ってるけど、水分補給するんだ。 でないと病院に運ぶことになるだろうが。 それだけは嫌だってこの前も言ってたのはトモだろ?」
「んうっ、…病院は嫌っ」
「なら少し我慢してとにかく水飲め」
「んくっ、んくっ、んくっ…」
コップを傾け、トモに飲ませてやる。 水が口から零れベッドに垂れたが、既にトモの漏らしたものでグチャグチャだったため気にすることもない。
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