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(35)ヒントは色々な所にある
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生徒会仕事も終えて、14時前。そのまま帰ろうとしたが、一目だけでも顔が見たい。
昨日の事も、もう一度謝りたい。
そういう思いで手土産を買いコウキの家に行った。
ピンポーン…、ピンポーン…。
声が聞こえる。
「はーい。マコちゃん、いらっしゃ…」
にこやかな表情と声だが、俺の顔を見ると表情が硬くなった。
「なにか?」
「昨日は、本当に申し訳ありませんでした。その後、コウキ君は、どの様な様子でしょうか?」
「貴方に関係ないでしょう。」
「あります。コウキ君には、七夕祭でピアノを弾いて貰うので…」
「ああ…、貴方が副会長なのね。弘毅から聞かせて貰ってるわ。」
「コウキ君は…」
「今は居ないわ。用はそれだけ?それな」
「レナ先生、こんにちはー。」
「あ…はーい、マコちゃん。こんにちは。」
「あれ?フミオ先生だ。」
「え…、マコちゃん?」
その子は、俺に向かって言ってくる。
「ねえねえ、フミオ先生。ハルカ先生は戻ってきたの?」
その言葉で自分の身体が、肩が揺れた。
「フミオ先生、その服カッコいいね。ネクタイがビシッと決まってる。ねえ、ハルカ先生は?」
「マコちゃん?」
「あのね、レナ先生。前に習いに行ってたピアノ教室、ハルカ先生なの。」
「え…、ハル…カ…?」
「うん。時々フミオ先生にも教えて貰ってたんだ。だから知ってるの。」
「マコちゃん」
「なあに?」
「そのハルカ先生って、どんな先生?」
「綺麗でね、優しくって…、怒ると怖いの。」
「名前は?」
「ハルカ先生。あ、宮田ハルカって言うの。」
「よく知ってるのね…」
「うん。私も、同じ宮田だからね。」
その言葉に、その人は呟いた。
「宮田マコ…」
コウキの母親が呟いた、その名前に俺は気が付いた。
あのハゲもそうだが、理事は3人共が宮田姓だ。
だけど、唯一母と同じレディーズ仲間だった女性の子供。
その子供は、2人ともピアノを習いに来てた。
1人は宮田真子。そして、もう1人は宮田姫香。
あの女だ。
思い出した。
だからか…。
「副会長?…やっぱり副会長だ。」
コウキの声が俺を呼ぶ。
声がした方を向くと、コウキが立ってる。
手にはスーパーの名前が印刷された買い物袋を持ってる。
「こんな時間に、どうされたのですか?」
「コウキ…」
「はい?」
俺は持って来た手土産をコウキに渡して、一言だけ言葉を交わして、その場を後にした。
「昨日はごめん。悪かった。」
コウキの慌てた声が聞こえる。
「え…、待って、ふ・・副会長?」
小さい声も聞こえる。
「フミオ先生…」
宮田ハルカ。
コウキの母親は、昨日の話を思い出した。
「母は、あの女に殺された。」
コウキの担任を、父と呼んでいた。
気が付かなかった。
コウキの担任は、春香の夫?
春香は言っていた。
「双子と2つ下にもう1人。3人共、男の子なの。
双子は父親似だけど、末っ子は私に似てるのよ。」と…。
たしかに、あの2人は父親に似ている。
春香に似ているという末っ子にも、会ってみたい。
春香もそうだけど、春香の夫も不良。
その男性は、住んでいる一帯の地主であり、ある学園の持ち主だと聞いている。
あの男が、伝説の…。
人は見かけによらない、と良く言うが…。
昨日の事も、もう一度謝りたい。
そういう思いで手土産を買いコウキの家に行った。
ピンポーン…、ピンポーン…。
声が聞こえる。
「はーい。マコちゃん、いらっしゃ…」
にこやかな表情と声だが、俺の顔を見ると表情が硬くなった。
「なにか?」
「昨日は、本当に申し訳ありませんでした。その後、コウキ君は、どの様な様子でしょうか?」
「貴方に関係ないでしょう。」
「あります。コウキ君には、七夕祭でピアノを弾いて貰うので…」
「ああ…、貴方が副会長なのね。弘毅から聞かせて貰ってるわ。」
「コウキ君は…」
「今は居ないわ。用はそれだけ?それな」
「レナ先生、こんにちはー。」
「あ…はーい、マコちゃん。こんにちは。」
「あれ?フミオ先生だ。」
「え…、マコちゃん?」
その子は、俺に向かって言ってくる。
「ねえねえ、フミオ先生。ハルカ先生は戻ってきたの?」
その言葉で自分の身体が、肩が揺れた。
「フミオ先生、その服カッコいいね。ネクタイがビシッと決まってる。ねえ、ハルカ先生は?」
「マコちゃん?」
「あのね、レナ先生。前に習いに行ってたピアノ教室、ハルカ先生なの。」
「え…、ハル…カ…?」
「うん。時々フミオ先生にも教えて貰ってたんだ。だから知ってるの。」
「マコちゃん」
「なあに?」
「そのハルカ先生って、どんな先生?」
「綺麗でね、優しくって…、怒ると怖いの。」
「名前は?」
「ハルカ先生。あ、宮田ハルカって言うの。」
「よく知ってるのね…」
「うん。私も、同じ宮田だからね。」
その言葉に、その人は呟いた。
「宮田マコ…」
コウキの母親が呟いた、その名前に俺は気が付いた。
あのハゲもそうだが、理事は3人共が宮田姓だ。
だけど、唯一母と同じレディーズ仲間だった女性の子供。
その子供は、2人ともピアノを習いに来てた。
1人は宮田真子。そして、もう1人は宮田姫香。
あの女だ。
思い出した。
だからか…。
「副会長?…やっぱり副会長だ。」
コウキの声が俺を呼ぶ。
声がした方を向くと、コウキが立ってる。
手にはスーパーの名前が印刷された買い物袋を持ってる。
「こんな時間に、どうされたのですか?」
「コウキ…」
「はい?」
俺は持って来た手土産をコウキに渡して、一言だけ言葉を交わして、その場を後にした。
「昨日はごめん。悪かった。」
コウキの慌てた声が聞こえる。
「え…、待って、ふ・・副会長?」
小さい声も聞こえる。
「フミオ先生…」
宮田ハルカ。
コウキの母親は、昨日の話を思い出した。
「母は、あの女に殺された。」
コウキの担任を、父と呼んでいた。
気が付かなかった。
コウキの担任は、春香の夫?
春香は言っていた。
「双子と2つ下にもう1人。3人共、男の子なの。
双子は父親似だけど、末っ子は私に似てるのよ。」と…。
たしかに、あの2人は父親に似ている。
春香に似ているという末っ子にも、会ってみたい。
春香もそうだけど、春香の夫も不良。
その男性は、住んでいる一帯の地主であり、ある学園の持ち主だと聞いている。
あの男が、伝説の…。
人は見かけによらない、と良く言うが…。
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