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〈Chapter0〉終点と起点
〈0ー0〉遠い日
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それはある遠い日の夜のお話。
その夜はとても暗かった。
その夜は強い雨が降っていた。
その夜はとても寒かった。
その夜、少年は全てを失った。
それまで、少年は特に何の過不足もなく、いたって普通に、幸せに過ごしていた。
しかし、その夜、少年から全てが消えた。
自分はなぜここにいる?・・・・わからない。
自分は今まで何をしていた?・・・・わからない。
自分はどうやって過ごしていた?・・・・わからない。
自分の頭の中が「無知」という二文字だけで埋め尽くされていく。
・・・・・・怖い。
自分が空っぽになりそうな気がして恐ろしかった。けれど、そうならないために、行動を起こす力も、それ自体を考え付く力さえももう少年にはなかった。
降り注ぐ雨があまりにも冷たく、痛かった。
このまま、自分は死ぬのかと思った。
ふと声がした。
聞くほどの気力ももうないはずなのにそれでも聞きたくなってしまうような凛とした声がした。
「君は、誰?」
それは自分にかけられている声だった。
返答に悩む前に、また声がした。
「君は今、何もすることがなく、こんな道の端っこにうずくまって座っている。君には今、やらなければいけない事がわからない。やれる事がわからない。つまり、今君は、何のしがらみもなく、何の使命もない。いわゆる自由ってやつだ。そんな君は、今、何のために生きているんだい?」
「・・・」
その言葉に返す言葉は思い浮かばなかった。ただ、頭をうずめる事しかできなかった。
「そう、何もない」
これは・・・・何かの罰なのだろうか?自分はとんでもないことをやってしまったのか。
・・・・いくら考えてもその答えは出てこない。ならば、このまま身を任せよう。そう決めて帰ってきた言葉は予想外のものだった。
「じゃあ、そんな君にチャンスをあげよう。」
「・・・チャン、ス・・・?」
自然と頭が上がっていく。次に目でとらえたのは、綺麗な金色の髪をした少女だった。
「・・・君、私の役に立ってみない?」
その夜はとても暗かった。
その夜は強い雨が降っていた。
その夜はとても寒かった。
その夜、少年は全てを失った。
それまで、少年は特に何の過不足もなく、いたって普通に、幸せに過ごしていた。
しかし、その夜、少年から全てが消えた。
自分はなぜここにいる?・・・・わからない。
自分は今まで何をしていた?・・・・わからない。
自分はどうやって過ごしていた?・・・・わからない。
自分の頭の中が「無知」という二文字だけで埋め尽くされていく。
・・・・・・怖い。
自分が空っぽになりそうな気がして恐ろしかった。けれど、そうならないために、行動を起こす力も、それ自体を考え付く力さえももう少年にはなかった。
降り注ぐ雨があまりにも冷たく、痛かった。
このまま、自分は死ぬのかと思った。
ふと声がした。
聞くほどの気力ももうないはずなのにそれでも聞きたくなってしまうような凛とした声がした。
「君は、誰?」
それは自分にかけられている声だった。
返答に悩む前に、また声がした。
「君は今、何もすることがなく、こんな道の端っこにうずくまって座っている。君には今、やらなければいけない事がわからない。やれる事がわからない。つまり、今君は、何のしがらみもなく、何の使命もない。いわゆる自由ってやつだ。そんな君は、今、何のために生きているんだい?」
「・・・」
その言葉に返す言葉は思い浮かばなかった。ただ、頭をうずめる事しかできなかった。
「そう、何もない」
これは・・・・何かの罰なのだろうか?自分はとんでもないことをやってしまったのか。
・・・・いくら考えてもその答えは出てこない。ならば、このまま身を任せよう。そう決めて帰ってきた言葉は予想外のものだった。
「じゃあ、そんな君にチャンスをあげよう。」
「・・・チャン、ス・・・?」
自然と頭が上がっていく。次に目でとらえたのは、綺麗な金色の髪をした少女だった。
「・・・君、私の役に立ってみない?」
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