君は、もうすでに死んでいる・・・それって、俺!?

神猫

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〈Chapter1〉邂逅(日常編)

〈1-1〉変わらない日常

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「朝ですよ~~、起きて下さ~い。」
その一言で意識が覚醒していく。
目は閉じたままだが視界が黒から青色に変わり、目覚ましが起動したことを認識する。
身体をほぐすために一回、背伸びをしてから、目を開ける。視界に映ったのはいつもの天井と大量のウィンドウ。そして真ん中には「Good Morning!」と書かれた文字が浮かびあがっている。
「おはようございます!現在時刻は設定通りの6時半で、天気は晴れ、降水確率は0%です」
目覚ましとして設定された女の子のピクシーが元気な声とともに視界中を飛び回りながら、今日の情報を教えてくれる。
「今日は特別な用事なども設定されていないみたいですね。まだ、話したかったけれど仕方ないです。名残惜しいですが、一日の説明を終わりますね。それでは、今日も頑張ってくださいね~」
と言う朝から元気すぎるピクシーに眠い目をこすりながら「ああ、ありがとう」と一言だけ言うと、ピクシーは一度笑って消えていった。
まだ重たいからだを動かしながら、自室を出て、一階にあるキッチンに向かう。するともうすっかり習慣化してしまったためか考えるよりも先に手が動き、朝食の材料を冷蔵庫から取り出していく。取り出したのは卵、大根、ねぎ、味噌、わかめ、豆腐、あじだった。そこにもう一つと思って棚の中から万能なカツオ節を取り出す。そうやって並べられた材料を一瞥し、気持ちを切り替えてから、作業に取り掛かっていく。
まずは、最近我が家で好評の卵巻きを作るためにフライパンに溶いた卵を流し込んでいく。
卵がほどよい焼き加減になるまでの間に鍋に水をいれ、火を通しながら、かつお節を入れさっと取り出し、だし汁を作る。その後に具材を入れていく。そうこうしている間に出来上がった卵巻きを皿に移し、冷ましておく。次にメインとなるあじの下ごしらえをしていく。下ごしらえがすんだら、グリルに入れて焼き、今度は鍋に味噌を立てていく。
そうやって作っていると、7時になったためかこの家のもう一人の住人が二階から降りてくる。黒い髪をかきながら降りてきたのは、俺の姉、優路乃ゆうじの 紗綾香さやかだった。
「おはよぉ。・・・・ふぁあ~。ん、はると。今日は何作っているの?」小さなあくびを一つしたと思ったら、胃袋がうずいたのかすぐさま朝食について聞いてくる。
「今日はあじの塩焼きと、わかめと豆腐の味噌汁、刻んだねぎを軽く乗せた納豆ごはん。あと卵焼きだな」
「おー!これこそ、ザ・和風!しかも要望、ちゃんと答えてくれたんだ?」
「そりゃあんだけせがまれればこうなるよ。卵焼き一つをあんなにむきになってせがまなくてもいいのに」
実際、昨日、ストアに買いに行ったときに俺としては出費を抑えたかったんだが、さや姉が卵をかごに入れまくって聞かなかったために、しぶしぶ買った。ん?普通に取り出せばいいじゃないかだって?それができないくらいにさや姉が卵をパックごとかごにぐりぐり押し付けてきていたからだよ!本当に人生の中で一番卵に対して心配した瞬間だった。もし中身が割れて買うことになったら、それこそ無駄な出費になってしまう。
「だって、はるとの卵巻き、とっても甘くて美味しいから食べたいんだもん」
「俺としては塩が効いてる方が好きなんだけどな・・・」
「じゃあ、顔洗ってくるね~」
「・・・俺に提案する権利はないのね」
慣れたことなので、気にしないことにして、さっきの会話中に出来上がった料理を皿にのせ、木製のテーブルに並べていく。あじの塩焼きには大根おろしものせておいた。ちなみに俺のには薄く切ったレモンものせてある。
「こんなもんか」
「はい、ふっかーつ!」いつも通りの髪になったさや姉が洗面所から戻ってくる。
「朝ごはんできたから食べるぞ」
「はーい」
朝食が並ぶテーブルに、もう待ちきれないのかすぐさま滑り込んでくる。
「じゃあ、「いただきます」」
「さや姉は今日は何かあるの?」
今日は夏休みが明けてからの一日目で、俺とさや姉は同じ高校であり、俺が一年、さや姉が二年生で通っている。という事で、とりあえず何かあるのか聞いてみた。
「ん~。こっちは特に何もないかな~」
よっぽどお気に入りなのか最初に卵巻きを食べながら返答してくる。
「あ!そういえば、今日、はるとの学校に新しい転校生が来るんじゃかった?」
「あ、そういえばそうだった」
今まで、全く忘れていたが今日は新しい転校生が来るなどと、友達の間で噂されていたのだった。
「いーなぁ。転校生、うちのクラスにも来てくれないかな~。意外と、その子とはるとが意気投合してムフフな関係になっちゃたりして・・・」
「ないよ。俺以外の優良物件が多すぎる。しかもまだ女子って決まっているわけでもないし」
「え~、そこは希望を高くもたなきゃったらなんのそのだよ!それに私は料理できる男性って相当スペック高いと思うけどなぁ。あ!でもだめだ。それだと私の毎日のご飯が食卓から消えちゃう・・・」
「人をお料理マシーンみたいに言うな」
軽く頭をチョップする。
「はるとのケチ・・・この卵巻きさんみたいに甘くなればいいのに」
「充分甘いからいい。・・・それよりさや姉、今日、日直じゃなかった?」
「あ!忘れてたっ!ご、ごちそうさま!」
そう言って慌てて、食器を台所にやったあとさや姉が準備を始める。日直は意外とやることが多いので、登校時間の10分以上前に着いておかないといけないのだが、一応、まだまだ時間はあるので、そんなに急がなくても間に合うだろう。そう考えているうちに俺も食べ終わったので食器を洗って、登校の準備をする。
「じゃあ、行ってくるね!」
先に着替え終わった、さや姉が玄関から声をかけてくる。
「ああ、車とかちゃんと気をつけろよ~」
「は~い」
そして、飛び出していった。
「本当に大丈夫か・・・」
そんな事を少し考えたが、実際、今までもこんなだったためにそこで姉について考えるのはやめておき、せっせと自分の準備をしたのだった。






この時は、俺がこのやり取りに後悔することになるとは俺には考えられもしなかった・・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
スペース移動しました!
第一話(プロローグ除く)のはずなのにプロローグとぽっかりと隙間が空いてしまった・・・
正直にいうと、この後の決まっていた展開について迷ってしまってずっと悩んでいました。
だが、後悔はしていない!なぜなら完璧に定まったからだ!

・・・なので、許してください、なんでもしますから(後に毎日書くとはいっていな(ry

第一話、すごい平和~な空間ですがここからはこんな空間なさそうなので、思いっきりかかせてもらいました(笑)
では、今回はこの辺でこの後の展開にどうぞご期待を!そして楽しんでください!
(追記・・・真の本編はChapter2-2から始まりますのであしからず・・・)
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