102 / 188
僕は気にしていません!
しおりを挟む
夢と現実の境がわからなくなる眠りは続いた。何度も起きた気がする。どのぐらい時間は経ってしまったのかよく分からないけど、朝になって目を覚ますと久々に頭がスッキリしていた。
眠くはない。
全身を襲っていたけだるさも抜けている。
体調は万全だ。
ベッドから降りて体を伸ばす。
「うーーーーん。気持ちいい」
そういえば腕が軽い。手首を見るとメヌさんに作ってもらったバングルやチョーカー、指輪がなくなっていた。誘拐されたときに外されたのだろうか。貴重な物なので捨てられてはないと思うけど、できれば返して欲しいな。交渉できるようなら言ってみよう。
凝り固まった体をほぐすと、窓を開けて新鮮な空気を入れる。
潮の香りがした。
ほどよく温かくて天気が良い。
「気持ちいいなぁ」
「そうですね」
ん? 女性の声……?
後ろを向くと、見たことのある女性がドアの前で立っていた。
頭の上に金色の狐耳が付いていて尻尾が生えている。真っ白な生地に金のラインや模様が入った法衣を着ているこの人は、ダイチ討伐の戦勝パーティーで挨拶をしてもらった聖女ミシェルさんだった。
相変わらず首には男根のネックレスがぶら下がっていて、可愛らしい手で優しく上下に撫でている。まるで大切なモノを扱っているかのようだ。
卑猥に感じてはいけないと、自分に言い聞かせる。
「ミシェルさん、ここはどこなんですか?」
「まぁ! 私の名前を覚えてくださっていたんですね」
優しく慈しみのある顔になった。彼女が笑えば争いはなくなり、世界平和が訪れるなんて錯覚してしまいそう。
いい人だなぁと思ってしまったけど、甘い顔をしたら付け入れるかもしれない。さすがに少し警戒している。
「ここはナイテア王国から遠く離れた小さな島で、ポンチャン教の本拠地であり、つい先日、聖地認定された場所です」
僕の記憶が正しければ、ナイテア王国の王女、スカーテさんが開催したパーティーに出席していたはず。
なのに今は国外を無断で出て、よくわからない島にいる。
やっぱり誘拐されてしまったようだ。
「イオディプス様には、正直に告白いたします」
膝をついてネックレスの男根を両手で握った。
「パーティーに出席された夜、部屋に忍び込んでこちらまで運ばせていただきました。何の断りもなく、お体を触ってしまったこと、そして移動させてしまったことを謝罪すると共に、死を持って償います」
男根の先端から鋭く長い針が出てきた。
仕込み刃みたいな感じなんだと思うけど、どこから出しているんだよ……じゃなく! 呆れている状況じゃない!
ミシェルさんは腕を振り上げて、左胸に突き刺そうとしている!
「ダメ! まってーーー!!」
慌てて彼女に飛びついて手を握る。
「イオディプス様!? そんな! 積極的に! 困ります!!」
と言っているが口からだらしなく涎を出している。本心では言ってないと分かった。
でも腕の力は抜けていない。まだ男根から出ている針で自分を刺そうとしているみたいだから、油断だけはしちゃいけないのだ。
「死ぬなんてやめてください!」
「でも、それしかお詫びする方法がありません!」
足を絡め、密着しながら床を転がったけど、手だけは離さない。
力負けしてないのは、ミシェルさんが本気を出していないからだろう。ということは、説得する余地があることになる。
「なんで死ぬことで罪を償うことになるんですか!」
「偉大なるイオディプス様を無断で触り、誘拐したからです!」
確かに犯罪行為ではあるけど、僕は丁寧に扱われている。少なくとも死を選ぶほどの罪じゃない。
「僕は気にしていません!」
「え……?」
思ってもみなかった言葉だったみたいで、ミシェルさんはきょとんとした顔になった。
「気にしてないって、本当ですか? 嘘じゃないですよね?」
「もちろんです。誘拐したことは許しますから、落ち着いてください!」
見知らぬ場所にいて不安だし、レベッタさんたちのことは気がかりだ。また種馬として扱われる危険性も残っているのも事実である。
けど、それらのことを考慮しても女性が死ぬ、というのは許されない。しかも原因が僕というのであればなおさらだね。
「……私はイオディプス様に許されていいんですか? 」
「いいんですよ。他でもない、この僕が言ってるんですから」
ようやく気持ちが伝わったのか、ミシェルさんから力が抜けた。ネックレスの男根が床に落ちる。
すかさず、拾うと部屋の隅に投げる。
宗教的なモノを粗末に扱うのは良くないけど、危険から遠ざけたかった。
立ち上がると手を伸ばす。
戸惑いながらもミシェルさんは僕の手を握ってくれたので、引っ張りあげた。
頬は赤くなっていて狐の尻尾を振っている。法衣服をきているから肌なんてほとんど露出してないんだけど、胸やお尻といった女性的な丸みが強調されるほどピッタリと張り付いていることもあって、一緒に寝ましょうと誘惑されているに感じてしまった。
危うい立場にいるというのに、女性のそういった所に目が行ってしまうのは良くない。わかっているよ。でもね、本能が邪魔してくるんだ。
首を横に振って雑念を消してから、現在の状況を把握するべく質問する。
「僕を誘拐した目的は何ですか? ナイテア王国へ身代金や土地の一部を要求するのでしょうか?」
誘拐といえば営利目的が鉄板だろう。SSランクのスキルを持っている僕なら価値は非常に高い。
国が崩壊するような願いじゃなければイザベル王女たちは、どんな対価を払うと思っていた。
眠くはない。
全身を襲っていたけだるさも抜けている。
体調は万全だ。
ベッドから降りて体を伸ばす。
「うーーーーん。気持ちいい」
そういえば腕が軽い。手首を見るとメヌさんに作ってもらったバングルやチョーカー、指輪がなくなっていた。誘拐されたときに外されたのだろうか。貴重な物なので捨てられてはないと思うけど、できれば返して欲しいな。交渉できるようなら言ってみよう。
凝り固まった体をほぐすと、窓を開けて新鮮な空気を入れる。
潮の香りがした。
ほどよく温かくて天気が良い。
「気持ちいいなぁ」
「そうですね」
ん? 女性の声……?
後ろを向くと、見たことのある女性がドアの前で立っていた。
頭の上に金色の狐耳が付いていて尻尾が生えている。真っ白な生地に金のラインや模様が入った法衣を着ているこの人は、ダイチ討伐の戦勝パーティーで挨拶をしてもらった聖女ミシェルさんだった。
相変わらず首には男根のネックレスがぶら下がっていて、可愛らしい手で優しく上下に撫でている。まるで大切なモノを扱っているかのようだ。
卑猥に感じてはいけないと、自分に言い聞かせる。
「ミシェルさん、ここはどこなんですか?」
「まぁ! 私の名前を覚えてくださっていたんですね」
優しく慈しみのある顔になった。彼女が笑えば争いはなくなり、世界平和が訪れるなんて錯覚してしまいそう。
いい人だなぁと思ってしまったけど、甘い顔をしたら付け入れるかもしれない。さすがに少し警戒している。
「ここはナイテア王国から遠く離れた小さな島で、ポンチャン教の本拠地であり、つい先日、聖地認定された場所です」
僕の記憶が正しければ、ナイテア王国の王女、スカーテさんが開催したパーティーに出席していたはず。
なのに今は国外を無断で出て、よくわからない島にいる。
やっぱり誘拐されてしまったようだ。
「イオディプス様には、正直に告白いたします」
膝をついてネックレスの男根を両手で握った。
「パーティーに出席された夜、部屋に忍び込んでこちらまで運ばせていただきました。何の断りもなく、お体を触ってしまったこと、そして移動させてしまったことを謝罪すると共に、死を持って償います」
男根の先端から鋭く長い針が出てきた。
仕込み刃みたいな感じなんだと思うけど、どこから出しているんだよ……じゃなく! 呆れている状況じゃない!
ミシェルさんは腕を振り上げて、左胸に突き刺そうとしている!
「ダメ! まってーーー!!」
慌てて彼女に飛びついて手を握る。
「イオディプス様!? そんな! 積極的に! 困ります!!」
と言っているが口からだらしなく涎を出している。本心では言ってないと分かった。
でも腕の力は抜けていない。まだ男根から出ている針で自分を刺そうとしているみたいだから、油断だけはしちゃいけないのだ。
「死ぬなんてやめてください!」
「でも、それしかお詫びする方法がありません!」
足を絡め、密着しながら床を転がったけど、手だけは離さない。
力負けしてないのは、ミシェルさんが本気を出していないからだろう。ということは、説得する余地があることになる。
「なんで死ぬことで罪を償うことになるんですか!」
「偉大なるイオディプス様を無断で触り、誘拐したからです!」
確かに犯罪行為ではあるけど、僕は丁寧に扱われている。少なくとも死を選ぶほどの罪じゃない。
「僕は気にしていません!」
「え……?」
思ってもみなかった言葉だったみたいで、ミシェルさんはきょとんとした顔になった。
「気にしてないって、本当ですか? 嘘じゃないですよね?」
「もちろんです。誘拐したことは許しますから、落ち着いてください!」
見知らぬ場所にいて不安だし、レベッタさんたちのことは気がかりだ。また種馬として扱われる危険性も残っているのも事実である。
けど、それらのことを考慮しても女性が死ぬ、というのは許されない。しかも原因が僕というのであればなおさらだね。
「……私はイオディプス様に許されていいんですか? 」
「いいんですよ。他でもない、この僕が言ってるんですから」
ようやく気持ちが伝わったのか、ミシェルさんから力が抜けた。ネックレスの男根が床に落ちる。
すかさず、拾うと部屋の隅に投げる。
宗教的なモノを粗末に扱うのは良くないけど、危険から遠ざけたかった。
立ち上がると手を伸ばす。
戸惑いながらもミシェルさんは僕の手を握ってくれたので、引っ張りあげた。
頬は赤くなっていて狐の尻尾を振っている。法衣服をきているから肌なんてほとんど露出してないんだけど、胸やお尻といった女性的な丸みが強調されるほどピッタリと張り付いていることもあって、一緒に寝ましょうと誘惑されているに感じてしまった。
危うい立場にいるというのに、女性のそういった所に目が行ってしまうのは良くない。わかっているよ。でもね、本能が邪魔してくるんだ。
首を横に振って雑念を消してから、現在の状況を把握するべく質問する。
「僕を誘拐した目的は何ですか? ナイテア王国へ身代金や土地の一部を要求するのでしょうか?」
誘拐といえば営利目的が鉄板だろう。SSランクのスキルを持っている僕なら価値は非常に高い。
国が崩壊するような願いじゃなければイザベル王女たちは、どんな対価を払うと思っていた。
2
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
廻って異世界
フォウ
ファンタジー
年四回季節の変わり目毎に風邪をひく病弱体質の俺は、いつものように風邪薬を貰いに行った帰り道で異世界に飛ばされてしまったようだ。
手元にあるのは、役に立たなさそうな日本のお金と風邪薬。
放り出されたのは、人1人いない大草原。
……詰んだ。
ゲームの世界に転生?転移?してしまった俺は、ゲームキャラ達の力を借りて、生活拠点を整える。
けれど、色々ゲームとは違うようで……。
カクヨムでも連載しております。
注)挿絵のみAI利用です。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる