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あそこを見てください
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どうしても来て欲しいとミシェルさんに懇願されてしまったため、肌が薄らと見えるシースルーの服に着替えてから、城内を案内してもらっている。
何度が女性とすれ違ったけど、みんなシスターっぽい服装をしていた。みんな首から男根のネックレスをぶら下げている。
挨拶をすれば返事をしてくれるんだけど、その時は僕の顔を直視することはなく、目線をやや下に向けている。そのことを聞いてみたら、「畏れ多くてご尊顔は拝見できません」と言われてしまったけど、僕の服が過激だからじゃないのかな。
少し離れたところから、シスターたちがじっくり見ているので間違いないと思う。
石畳の廊下を歩いて、食堂、祈祷室、台所、シスターの合同寝室、風呂場などを案内してもらった。生活レベルは住んでいた町とさほど変わらないように思える。設備面は問題なさそうだ。けど、孤島という場所柄、気になることはあった。
「食料はどうやって確保しているんですか?」
魅惑的な尻尾をフリフリと動かしながら歩いているミシェルさんに疑問をぶつけてみた。
「島に畑を作っているので食料は問題ありませんが、香辛料や日用品、鉱石などは外部に頼らなければいけないので、ごく一部の商会と交易もしているんですよ」
興味を持ったのが嬉しいのか声は弾んでいた。
足を止めて、ミシェルさんは振り返って僕を見る。
目は胸の辺りだ。
透けて見える二つのぽっちを見ているのだろう。
恥ずかしいけど、その視線、クセになって嫌じゃない。
この世界に来てから女性に見られることが増えて、何かに芽生えそう。そんな予感があった。
「基本は自給自足なんですね」
「そうじゃないと、封鎖されたときに困りますからね」
さらっと言ったけど、それって回りが敵になったときのことを考えて備えているんだよね。思考が物騒……ううん、違うか。僕が平和ボケしているだけで、ダイチみたいに理不尽な考えで襲ってくることもあるんだから、自衛は常に考えなきゃいけないんだ。特にスキルなんて物騒な能力を全員がもっているのだから、日本の基準で考えてはいけない。戦争が起こる前提で防衛計画を立てる必要があるのだろう。
特に女性は男を見たら暴走しがちだし、奪い合う歴史だったはず。
誰もが争いと無縁ではいられない。
「さて、案内を再開します。イオディプス様に見てもらいたいものがあるんです」
軽い足取りでミシェルさんが歩き後を追っていると、城の中心部的なところまで来てしまった。
シンプルな木製の扉がある。高さは二メール以上あって大きい。左右にシスターが立っていて、僕たちが近づくと何も言わずに開けてくれた。
「ここはポンチャン教が誇る礼拝堂です」
ダークブランの床にベンチが左右に分かれて並んでいる。天上からはいくつも照明がぶら下がっていて、温かい光を放っていた。城内は質素で贅沢品といものはなかったんだけど、ここだけは違う。シンプルながらも高級品が揃っていて非常に豪華だ。
中心には歩く道があり、視線を天井付近にある壁へ向ける。
……男根が付けられていた。
もういいよ。
しつこいって。
見ただけで、げんなりとしてしまう。
「あそこを見てください」
礼拝堂に入ったミシェルさんが見ている場所は、一段高い場所にある祭壇だ。
なんと彫像があった。
全裸の男性が両手を広げ、膝を伝手いる女性たちが拝んでいる。遠目からでも美しいと感じてしまう、不思議な魅力があった。
「ポンチャン教の開祖と最初の従者、という題名です」
ミシェルさんが歩き出したので、僕も祭壇に向かって進む。
「美しい肉体と強力なスキルを持った開祖は、迷える女性たちにポンチャンの教えを広め、神になりました。それ以降、私たちはスキルランクの高い男性を崇めるようになったんです」
「何に迷っていたんですか?」
「男性を求める心、です」
僕には一生理解できないだろう悩みだけど、本人はすごく真剣だったんだろうな。
「それで開祖の教えは悩みを解決してくれたんですね」
「ええ、そうです」
黙ってしまったミシェルさんは、彫刻の隣に立つと開祖の太ももを撫でた。
手つきは柔らかく、軽く触れるぐらいの強さだ。
うっとりとした目になると狂気を宿したように見えた。妄執、そんな単語が脳裏をよぎる。
「男性は常に君たちの心の中にある、とおっしゃいました」
「どういうことですか?」
「この世に男性は少ない。それは動かしようのない事実ですが、だからといって奪い合ってはいけないんですよ」
誘拐犯が言っても説得力は皆無だ。
あなたはナイテア王国から奪ったじゃんと、突っ込みたいのを我慢して話を聞く。
「それは理想論ですよね。わかっていても女性は男を強く求めます。その気持ちは抑えられるんですか?」
「できません」
悲しそうに首を横に振った。
「だから欲しくなったら創るしかないんです」
「……どいうことですか?」
「目を閉じ、理想の男性を思い描く、何度も、何度もです。起きているときも寝ているときも、自分が創り上げた男性をイメージして、想い続ける」
彫刻から手が離れると、なにもない空間に向けて微笑みかけた。
「そうすれば最後は現実になるんです。彼が私のフィアンセ、ポテンです」
「紹介してくれるのは嬉しいのですが、僕には見えません」
妄想に付き合うつもりはなかったので、ハッキリと言った。
「そうですか。残念です。でも、我々と一緒にいたら見えるようになりますよ。安心してください」
静かだけど確実に狂っているっ!
絶対に嫌だ!
イマジナリー彼氏を共有なんてしなくていいから早く帰してほしい!!
何度が女性とすれ違ったけど、みんなシスターっぽい服装をしていた。みんな首から男根のネックレスをぶら下げている。
挨拶をすれば返事をしてくれるんだけど、その時は僕の顔を直視することはなく、目線をやや下に向けている。そのことを聞いてみたら、「畏れ多くてご尊顔は拝見できません」と言われてしまったけど、僕の服が過激だからじゃないのかな。
少し離れたところから、シスターたちがじっくり見ているので間違いないと思う。
石畳の廊下を歩いて、食堂、祈祷室、台所、シスターの合同寝室、風呂場などを案内してもらった。生活レベルは住んでいた町とさほど変わらないように思える。設備面は問題なさそうだ。けど、孤島という場所柄、気になることはあった。
「食料はどうやって確保しているんですか?」
魅惑的な尻尾をフリフリと動かしながら歩いているミシェルさんに疑問をぶつけてみた。
「島に畑を作っているので食料は問題ありませんが、香辛料や日用品、鉱石などは外部に頼らなければいけないので、ごく一部の商会と交易もしているんですよ」
興味を持ったのが嬉しいのか声は弾んでいた。
足を止めて、ミシェルさんは振り返って僕を見る。
目は胸の辺りだ。
透けて見える二つのぽっちを見ているのだろう。
恥ずかしいけど、その視線、クセになって嫌じゃない。
この世界に来てから女性に見られることが増えて、何かに芽生えそう。そんな予感があった。
「基本は自給自足なんですね」
「そうじゃないと、封鎖されたときに困りますからね」
さらっと言ったけど、それって回りが敵になったときのことを考えて備えているんだよね。思考が物騒……ううん、違うか。僕が平和ボケしているだけで、ダイチみたいに理不尽な考えで襲ってくることもあるんだから、自衛は常に考えなきゃいけないんだ。特にスキルなんて物騒な能力を全員がもっているのだから、日本の基準で考えてはいけない。戦争が起こる前提で防衛計画を立てる必要があるのだろう。
特に女性は男を見たら暴走しがちだし、奪い合う歴史だったはず。
誰もが争いと無縁ではいられない。
「さて、案内を再開します。イオディプス様に見てもらいたいものがあるんです」
軽い足取りでミシェルさんが歩き後を追っていると、城の中心部的なところまで来てしまった。
シンプルな木製の扉がある。高さは二メール以上あって大きい。左右にシスターが立っていて、僕たちが近づくと何も言わずに開けてくれた。
「ここはポンチャン教が誇る礼拝堂です」
ダークブランの床にベンチが左右に分かれて並んでいる。天上からはいくつも照明がぶら下がっていて、温かい光を放っていた。城内は質素で贅沢品といものはなかったんだけど、ここだけは違う。シンプルながらも高級品が揃っていて非常に豪華だ。
中心には歩く道があり、視線を天井付近にある壁へ向ける。
……男根が付けられていた。
もういいよ。
しつこいって。
見ただけで、げんなりとしてしまう。
「あそこを見てください」
礼拝堂に入ったミシェルさんが見ている場所は、一段高い場所にある祭壇だ。
なんと彫像があった。
全裸の男性が両手を広げ、膝を伝手いる女性たちが拝んでいる。遠目からでも美しいと感じてしまう、不思議な魅力があった。
「ポンチャン教の開祖と最初の従者、という題名です」
ミシェルさんが歩き出したので、僕も祭壇に向かって進む。
「美しい肉体と強力なスキルを持った開祖は、迷える女性たちにポンチャンの教えを広め、神になりました。それ以降、私たちはスキルランクの高い男性を崇めるようになったんです」
「何に迷っていたんですか?」
「男性を求める心、です」
僕には一生理解できないだろう悩みだけど、本人はすごく真剣だったんだろうな。
「それで開祖の教えは悩みを解決してくれたんですね」
「ええ、そうです」
黙ってしまったミシェルさんは、彫刻の隣に立つと開祖の太ももを撫でた。
手つきは柔らかく、軽く触れるぐらいの強さだ。
うっとりとした目になると狂気を宿したように見えた。妄執、そんな単語が脳裏をよぎる。
「男性は常に君たちの心の中にある、とおっしゃいました」
「どういうことですか?」
「この世に男性は少ない。それは動かしようのない事実ですが、だからといって奪い合ってはいけないんですよ」
誘拐犯が言っても説得力は皆無だ。
あなたはナイテア王国から奪ったじゃんと、突っ込みたいのを我慢して話を聞く。
「それは理想論ですよね。わかっていても女性は男を強く求めます。その気持ちは抑えられるんですか?」
「できません」
悲しそうに首を横に振った。
「だから欲しくなったら創るしかないんです」
「……どいうことですか?」
「目を閉じ、理想の男性を思い描く、何度も、何度もです。起きているときも寝ているときも、自分が創り上げた男性をイメージして、想い続ける」
彫刻から手が離れると、なにもない空間に向けて微笑みかけた。
「そうすれば最後は現実になるんです。彼が私のフィアンセ、ポテンです」
「紹介してくれるのは嬉しいのですが、僕には見えません」
妄想に付き合うつもりはなかったので、ハッキリと言った。
「そうですか。残念です。でも、我々と一緒にいたら見えるようになりますよ。安心してください」
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