45 / 64
第45話 クロちゃんの嫉妬
しおりを挟む
黒死蜘蛛――クロちゃんを買ったら、予算はなくなってしまった。
ブルーボルド草の購入は諦めて、プチトマトや唐辛子の苗をいくつか買って、畑へ植えることにする。ユミはクロちゃんが手に入って満足しているので、種類は何でもいいといった感じだ。
買い出しが終わったので家に戻ると、さっそくユミはクロちゃんを檻から出した。
噛んでこないか身構えていたんだけど余計な心配だったみたい。ユミに顔を近づけて頬を擦り付けている。これが蜘蛛の愛情表現……?
「良い子ですね~」
ユミは俺には見せたことのない優しい表情をしている。
弟に接する姉のような感じだ。
俺もクロちゃんに触ろうとして手を伸ばすと、口を開き、毒が付いた牙をむき出しにされてしまった。さらに前足で俺の手を弾く。
邪魔するなと言われているように感じた。
「クロちゃん! マスターに酷いコトしたらダメでしょ!」
大好きなユミに頭を叩かれたクロちゃんは、素早く動いて部屋の隅で小さくなってしまった。
幼い子供のような動きだ。蜘蛛にしては体は大きいかもしれないけど、精神は未熟なのかもしれない。
「マスター、ごめんなさい。クロちゃんには、きつく言い聞かせるので捨てないでください」
「飼った責任を放棄するつもりはないよ。捨てるなんてことはしない」
「ありがとうございます! マスター!」
嬉しさのあまり、ユミは抱きついてきた。
まだまだ子供だなと思いながらも嬉しい。背中に手を回して軽く抱きしめると、視線を感じた。
部屋の隅にいたクロちゃんが俺を見ているのだ。暴れるでもなく、不気味なほど静かに。
殺気を放たれるよりも恐ろしい。
「ユミ」
「マスター、何でしょう?」
「しっかりと躾けしてね」
「お任せください!」
これで大丈夫だよね……。
寝静まったときにクロちゃんの糸で簀巻きにされて、外に捨てられるなんて事態は避けたい。
俺から離れて、早速クロちゃんに躾をしているユミに期待しておこう。
一人取り残されてしまったので、ばーちゃん家に行って素材の保管状況でも確認してこようかな。
立ち上がって転移門を床に置いていると、スマホがブルブルと震えた。ユミが充電をしてくれたので、珍しく電池が残っていたみたい。ディスプレイを見ると誠の名前が表示されている。
ドラゴン討伐の報酬で何かあったのかな。
もしかして分け前がもらえるかも。ウキウキした気分で通話ボタンをタップする。
「裕真か? それともユミちゃんか?」
「俺だよ。ドラゴンの素材をくれるから電話してくれたのかな?」
「そんなわけないだろ……」
どうやら俺の予想は違っていたみたいだ。残念だなぁ。
ドラゴンの素材はもっと欲しかったのに。
「じゃあ、何で電話してきたの?」
「知晴さんにギルドの仕事を回されたらしいな」
「放置ダンジョン調査のこと?」
「ああ、そうだ。俺たちのパーティが探索担当に選ばれたんでね。事前に伝えておこうと思って電話したんだ」
誠は2級探索者だ。しかもドラゴン討伐に貢献したので1級に近い評価を受けているはず。
放置ダンジョン調査は4級が経験を積むために担当することが多いので、参加するには違和感があった。
「どうして誠に話が回ったの? おかしくない?」
「探索者ギルドは放置ダンジョンの一斉調査するらしく、人材が足りないらしい」
「あー。そんなこと知晴さん言ってたね。それでも2級の探索者を派遣するほど人材不足には思えないけど」
「ドラゴンを階層移動させた黒幕がいないか調査するのが目的らしい。敵は強力だから、今回は相応の実力者を選んだと聞いている」
黒幕とは、神官の体を借りた神霊のことを言っているわけじゃない。
あれは人工的に作られたのだ。錬金術師が関わっているのは間違いない。
可能性は低いだろうけど、犯人が人里離れた放置ダンジョンに隠れていることも考慮して、一斉に調査を実施すると決めたのだろう。
同じ錬金術師として、神霊をどうやって現世に呼び寄せたのか気になるところだ。出会えたのであれば、意見交換会を開きたい。
「黒幕を見つけたらさ、俺は話してみたいんだけど時間もらえる?」
「…………捕まえた後でよければ」
「やった! さすが誠、話が分かるね~!」
スマホ越しからため息が聞こえたけど、気にするのを止めた。
「出発は明日らしいんだが準備は終わっているか?」
「うん。畑仕事用の服と種は買ったら、いつでもいけるよ!」
「裕真は何しに行くつもりなんだよ……」
放置ダンジョンの調査は誠の仕事で、俺たちは畑仕事しながら、ユミやクロちゃんと遊ぶために行く。
そのついでに、探索者が消費した回復ポーションの補充をしてあげるんだけど、主目的ではないのだ。
「山小屋にはクワもあるらしいから、力仕事は任せたよ!」
「畑仕事は手伝ってやるから、裕真も放置ダンジョンの調査も手伝ってくれよ」
「うん。もちろんだよ。ちゃんと錬金術の道具は持って行くから安心してね」
「あとでユミちゃんにも伝えておくが、俺たちの調査するところが本命らしい。本当に頼んだぞ!」
「うん。大丈夫。任せて」
適当に返事をしたら、誠の通話が切れてしまった。
全く心配性だな。俺が錬金術で手を抜くなんてあり得ない。
ちゃんと準備は進めておくから。
ブルーボルド草の購入は諦めて、プチトマトや唐辛子の苗をいくつか買って、畑へ植えることにする。ユミはクロちゃんが手に入って満足しているので、種類は何でもいいといった感じだ。
買い出しが終わったので家に戻ると、さっそくユミはクロちゃんを檻から出した。
噛んでこないか身構えていたんだけど余計な心配だったみたい。ユミに顔を近づけて頬を擦り付けている。これが蜘蛛の愛情表現……?
「良い子ですね~」
ユミは俺には見せたことのない優しい表情をしている。
弟に接する姉のような感じだ。
俺もクロちゃんに触ろうとして手を伸ばすと、口を開き、毒が付いた牙をむき出しにされてしまった。さらに前足で俺の手を弾く。
邪魔するなと言われているように感じた。
「クロちゃん! マスターに酷いコトしたらダメでしょ!」
大好きなユミに頭を叩かれたクロちゃんは、素早く動いて部屋の隅で小さくなってしまった。
幼い子供のような動きだ。蜘蛛にしては体は大きいかもしれないけど、精神は未熟なのかもしれない。
「マスター、ごめんなさい。クロちゃんには、きつく言い聞かせるので捨てないでください」
「飼った責任を放棄するつもりはないよ。捨てるなんてことはしない」
「ありがとうございます! マスター!」
嬉しさのあまり、ユミは抱きついてきた。
まだまだ子供だなと思いながらも嬉しい。背中に手を回して軽く抱きしめると、視線を感じた。
部屋の隅にいたクロちゃんが俺を見ているのだ。暴れるでもなく、不気味なほど静かに。
殺気を放たれるよりも恐ろしい。
「ユミ」
「マスター、何でしょう?」
「しっかりと躾けしてね」
「お任せください!」
これで大丈夫だよね……。
寝静まったときにクロちゃんの糸で簀巻きにされて、外に捨てられるなんて事態は避けたい。
俺から離れて、早速クロちゃんに躾をしているユミに期待しておこう。
一人取り残されてしまったので、ばーちゃん家に行って素材の保管状況でも確認してこようかな。
立ち上がって転移門を床に置いていると、スマホがブルブルと震えた。ユミが充電をしてくれたので、珍しく電池が残っていたみたい。ディスプレイを見ると誠の名前が表示されている。
ドラゴン討伐の報酬で何かあったのかな。
もしかして分け前がもらえるかも。ウキウキした気分で通話ボタンをタップする。
「裕真か? それともユミちゃんか?」
「俺だよ。ドラゴンの素材をくれるから電話してくれたのかな?」
「そんなわけないだろ……」
どうやら俺の予想は違っていたみたいだ。残念だなぁ。
ドラゴンの素材はもっと欲しかったのに。
「じゃあ、何で電話してきたの?」
「知晴さんにギルドの仕事を回されたらしいな」
「放置ダンジョン調査のこと?」
「ああ、そうだ。俺たちのパーティが探索担当に選ばれたんでね。事前に伝えておこうと思って電話したんだ」
誠は2級探索者だ。しかもドラゴン討伐に貢献したので1級に近い評価を受けているはず。
放置ダンジョン調査は4級が経験を積むために担当することが多いので、参加するには違和感があった。
「どうして誠に話が回ったの? おかしくない?」
「探索者ギルドは放置ダンジョンの一斉調査するらしく、人材が足りないらしい」
「あー。そんなこと知晴さん言ってたね。それでも2級の探索者を派遣するほど人材不足には思えないけど」
「ドラゴンを階層移動させた黒幕がいないか調査するのが目的らしい。敵は強力だから、今回は相応の実力者を選んだと聞いている」
黒幕とは、神官の体を借りた神霊のことを言っているわけじゃない。
あれは人工的に作られたのだ。錬金術師が関わっているのは間違いない。
可能性は低いだろうけど、犯人が人里離れた放置ダンジョンに隠れていることも考慮して、一斉に調査を実施すると決めたのだろう。
同じ錬金術師として、神霊をどうやって現世に呼び寄せたのか気になるところだ。出会えたのであれば、意見交換会を開きたい。
「黒幕を見つけたらさ、俺は話してみたいんだけど時間もらえる?」
「…………捕まえた後でよければ」
「やった! さすが誠、話が分かるね~!」
スマホ越しからため息が聞こえたけど、気にするのを止めた。
「出発は明日らしいんだが準備は終わっているか?」
「うん。畑仕事用の服と種は買ったら、いつでもいけるよ!」
「裕真は何しに行くつもりなんだよ……」
放置ダンジョンの調査は誠の仕事で、俺たちは畑仕事しながら、ユミやクロちゃんと遊ぶために行く。
そのついでに、探索者が消費した回復ポーションの補充をしてあげるんだけど、主目的ではないのだ。
「山小屋にはクワもあるらしいから、力仕事は任せたよ!」
「畑仕事は手伝ってやるから、裕真も放置ダンジョンの調査も手伝ってくれよ」
「うん。もちろんだよ。ちゃんと錬金術の道具は持って行くから安心してね」
「あとでユミちゃんにも伝えておくが、俺たちの調査するところが本命らしい。本当に頼んだぞ!」
「うん。大丈夫。任せて」
適当に返事をしたら、誠の通話が切れてしまった。
全く心配性だな。俺が錬金術で手を抜くなんてあり得ない。
ちゃんと準備は進めておくから。
74
あなたにおすすめの小説
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる