29 / 37
題名未定
29話
しおりを挟む
恋愛コラムも収録した動画の配信も順調。反響は大きく、世界中の女性からコメントをもらっている。特にホラーゲームの実況動画は人気みたいだ。
女性たちの反応はシンプルで、コメントを見ると「かわいい!」といった書き込みが多い。僕が驚いている反応が、小動物のようで女性の本能をくすぐるらしいのだ。といっても母性ではなく、狩人としての本能だけど……。
とりあえず、動画投稿は上手くいっている。それもクラスメイトがハマるほどに。
「「何このかわいい男子。見てるだけで癒される~」」
お昼休憩中の今、ハーレムに所属していないクラスメイトが集まって、携帯電話から動画を視聴している。そこから漏れて聞こえる音は聞きなれた……いや、現実逃避はやめよう。それは僕の声だった。
「みんなー元気にしてたー? ユッキーだよ♪」
普段よりやや高い声が、僕の耳まで届く。ボイスは少し加工しているので、僕だと気付いている人はいないようだ。
「みんな、視てくれてありがとう! 可愛いと言ってもらえて、すごく嬉しいよ!」
……誰だコイツ。
「今日もホラーゲームにチャレンジします! 今度こそ生き残ってみますね!」
…………ごめん。もう無理。助けてくれ!
「みんな応援してね!」
「「はーい!」」
…………逃げることも、文句を言うこともできず、頭を抱える。
こういう時、僕を心配して言葉をかけてくれる彩瀬さんが静かだ。隣の席を見ると、携帯電話で僕の動画を見ていた。
「隣に本物がいるのに、動画見ないでよ!」
思わず声が出てしまった! 慌てて周囲を見るが、心配する必要はなかったみたいだ。
「「また死んだ! かわいすぎでしょ!」」
僕より数倍大きいボリュームで、騒いでいる集団がいたからだ。
クラスメイトは舐めるような視線で、僕のアバターを見つめている。直接見られているわけじゃないのに、背筋が寒くなった。
「早く授業はじまらないかな……」
授業の鐘が鳴るまで、僕の精神はゴリゴリと削られていった。
◆◆◆
そんな拷問なような日々を数日過ごし、ライブ配信の当日が来た。僕は収録部屋となっている家の地下室で、モーションキャプチャーを身に着けている。
前方にはカメラが2台。全身を映すメインカメラと、斜め上から上半身を映すサブカメラだ。
近くにはパソコンがあって、飯島さんがディスプレイを監視している。僕の動きに連動した、アバターが表示されているはずだ。プロジェクターを通して、正面にある壁に僕の部屋を再現した空間が映し出され、アバターが立っていた。右手をあげればアバターの右手が上がる。驚いた顔をすればアバターも驚く。うん。準備は整っている。問題なさそうだ。
ライブ配信開始まで、あと20分。緊張してきた。
「ユキちゃん。準備は終わった?」
予想していなかった音にビクっと体が反応してしまった。声がした方に顔を向けると、母さん、絵美さんが階段から降りてきた。後ろには楓さん、彩瀬さんもいる。どうやらみんな、僕の事を心配して、ここまで来てくれたみたいだ。
「大丈夫だよ。リハーサルもしっかりやったし、機材に問題はないよ」
「なら良いのだけど」
「心配なら母さんたちも見学する?」
「……そうしましょうか」
「イス持ってきます!」
会話を聞いていた、彩瀬さんが階段を全速力で駆け上がる。母さんへのポイントを稼ごうとしているみたい。そんな分かりやすい行動をしても悪く思えないのが、彼女のすごいところなのだろう。皆が笑顔になっていた。僕も、配信前の緊張感がほぐれた気がする。
彩瀬が持ってきたイスに全員が座った。皆と少しだけ話してから、僕はカメラの前に立つ。
ライブ配信開始まで、あと5分。
もうすぐ人生初のライブ配信が始まる。
テレビには稀に男性が出演するけど、全て収録した映像だ。ライブに限定すれば、世界初かもしれない。
前世の感覚からすると、テレビに出て有名になりたいと思う男性いても不思議ではない。でもこの世界では、そんな存在は稀だ。周囲の女性が反対するからね。
それに男性だって、生まれた時から愛され、生きているだけでで自尊心が満たされる。お金の心配もない。そんな環境なら働く気は起きないでしょ。前世の記憶を持っている僕には、理解できない感覚だけどね。
「ユキトさん。1分前です!」
楓さんの声が聞こえて、無意味な思考を中断した。本番だ、気持ちを切り替えるぞ!
僕の方に向けられた手に入れは、5本の指が立っている。1秒経過すると、4本、3本と、立っている指が減っていく。2本、1本……ついにライブ配信が始まった。
「みんな元気にしてたー? ユッキーだよ♪」
緊張のせいで、ちょっと高めな声が出てしまった。
「ユキ村に住む、みなさんに会えて嬉しいよ!」
少し前に絵美さんから「ファンを特別な存在として扱った方がいい」と、アドバイスをされた。その結果、僕を村長、ファンを村人という設定で接することになったんだ。
壁に映し出されたコメントを見る限り、この試みは成功したみたい。僕を村長として崇めるようなコメントが流れている。
……ん? ちょっとコメントの流れが早すぎない? 同時視聴者数50万突破!?
あ、映像が止まった。
数秒後には「準備中です」の画像が表示される。
「回線の問題で映像が落ちたと思います。これから背景を無くして、アバターの容量を落としてから再開します!。ユキトさん、その間、トークでしのいでもらえませんか?」
飯島さんがマウスとキーボードを、忙しなく動かしている。僕は無言で頷くと、メインカメラの方を向いて話しかける。
「ごめんなさい! 機材のトラブルで映像が止まってしまいました!」
まずは、集まってくれたファン――住人のために謝罪をした。するとコメント欄に、励ましの言葉が書き込まれ、止まることなく流れていく。
「みんな、温かいコメントありがとう! もう少し時間がかかるみたいだから、僕の話をしようかな。実は僕、本を読むのが好きなんだけど……」
僕は芸人ではない。とっさに面白い話などできないのだ。必死に頭を動かし、身近な話題を選んだ。どうってことのない、友達同士で話すような内容だ。それでも住民のみんなは喜んで聞いてくれて、コメント欄に感想を書き込んでくれる。
「すごい……ユキトが紹介した本が、売り切れています」
楓さんが唖然とした表情でつぶやく。どうやら住民のみんなが買い占めたみたいだ。僕の軽はずみな一言で売り切れてしまうなんて、ちょっとした恐怖を覚える。何かを紹介するのは、やめた方が良いかもしれない。
「映像を再開します」
飯島さんが言い終わった数秒後に、動画サイトに僕のアバターが表示された。
「住民のみんなー。お待たせー!」
画面の向こうにいるはずの女性に向かって手を振る。コメント欄がすごい勢いで流れて読めないけど、多分、喜んでくれているんだろう。
「部屋を急いでリフォームしたら見れるようになったよ!」
背景が真っ白くなった理由を「リフォーム」ってことにしてみた。すると新しいコメントが続々と書き込まれ、古いコメントは消えてゆく。さらに英語に始まり様々な言語で書き込まれている。
多言語が高速で流れ、どう反応してくれたのかわからない。きっと僕だけではなく、誰もわかってないのだろう。バーチャル空間なのに彼女たちの熱い気持ちが伝わってくる。目の前にいると、錯覚するほどだ。
みんなと会話しながら進めたかったけど、これじゃ無理だね。仕方がない……か。コメントを読み上げるのは諦めて、そろそろ番組のコーナーを始めようかな。
女性たちの反応はシンプルで、コメントを見ると「かわいい!」といった書き込みが多い。僕が驚いている反応が、小動物のようで女性の本能をくすぐるらしいのだ。といっても母性ではなく、狩人としての本能だけど……。
とりあえず、動画投稿は上手くいっている。それもクラスメイトがハマるほどに。
「「何このかわいい男子。見てるだけで癒される~」」
お昼休憩中の今、ハーレムに所属していないクラスメイトが集まって、携帯電話から動画を視聴している。そこから漏れて聞こえる音は聞きなれた……いや、現実逃避はやめよう。それは僕の声だった。
「みんなー元気にしてたー? ユッキーだよ♪」
普段よりやや高い声が、僕の耳まで届く。ボイスは少し加工しているので、僕だと気付いている人はいないようだ。
「みんな、視てくれてありがとう! 可愛いと言ってもらえて、すごく嬉しいよ!」
……誰だコイツ。
「今日もホラーゲームにチャレンジします! 今度こそ生き残ってみますね!」
…………ごめん。もう無理。助けてくれ!
「みんな応援してね!」
「「はーい!」」
…………逃げることも、文句を言うこともできず、頭を抱える。
こういう時、僕を心配して言葉をかけてくれる彩瀬さんが静かだ。隣の席を見ると、携帯電話で僕の動画を見ていた。
「隣に本物がいるのに、動画見ないでよ!」
思わず声が出てしまった! 慌てて周囲を見るが、心配する必要はなかったみたいだ。
「「また死んだ! かわいすぎでしょ!」」
僕より数倍大きいボリュームで、騒いでいる集団がいたからだ。
クラスメイトは舐めるような視線で、僕のアバターを見つめている。直接見られているわけじゃないのに、背筋が寒くなった。
「早く授業はじまらないかな……」
授業の鐘が鳴るまで、僕の精神はゴリゴリと削られていった。
◆◆◆
そんな拷問なような日々を数日過ごし、ライブ配信の当日が来た。僕は収録部屋となっている家の地下室で、モーションキャプチャーを身に着けている。
前方にはカメラが2台。全身を映すメインカメラと、斜め上から上半身を映すサブカメラだ。
近くにはパソコンがあって、飯島さんがディスプレイを監視している。僕の動きに連動した、アバターが表示されているはずだ。プロジェクターを通して、正面にある壁に僕の部屋を再現した空間が映し出され、アバターが立っていた。右手をあげればアバターの右手が上がる。驚いた顔をすればアバターも驚く。うん。準備は整っている。問題なさそうだ。
ライブ配信開始まで、あと20分。緊張してきた。
「ユキちゃん。準備は終わった?」
予想していなかった音にビクっと体が反応してしまった。声がした方に顔を向けると、母さん、絵美さんが階段から降りてきた。後ろには楓さん、彩瀬さんもいる。どうやらみんな、僕の事を心配して、ここまで来てくれたみたいだ。
「大丈夫だよ。リハーサルもしっかりやったし、機材に問題はないよ」
「なら良いのだけど」
「心配なら母さんたちも見学する?」
「……そうしましょうか」
「イス持ってきます!」
会話を聞いていた、彩瀬さんが階段を全速力で駆け上がる。母さんへのポイントを稼ごうとしているみたい。そんな分かりやすい行動をしても悪く思えないのが、彼女のすごいところなのだろう。皆が笑顔になっていた。僕も、配信前の緊張感がほぐれた気がする。
彩瀬が持ってきたイスに全員が座った。皆と少しだけ話してから、僕はカメラの前に立つ。
ライブ配信開始まで、あと5分。
もうすぐ人生初のライブ配信が始まる。
テレビには稀に男性が出演するけど、全て収録した映像だ。ライブに限定すれば、世界初かもしれない。
前世の感覚からすると、テレビに出て有名になりたいと思う男性いても不思議ではない。でもこの世界では、そんな存在は稀だ。周囲の女性が反対するからね。
それに男性だって、生まれた時から愛され、生きているだけでで自尊心が満たされる。お金の心配もない。そんな環境なら働く気は起きないでしょ。前世の記憶を持っている僕には、理解できない感覚だけどね。
「ユキトさん。1分前です!」
楓さんの声が聞こえて、無意味な思考を中断した。本番だ、気持ちを切り替えるぞ!
僕の方に向けられた手に入れは、5本の指が立っている。1秒経過すると、4本、3本と、立っている指が減っていく。2本、1本……ついにライブ配信が始まった。
「みんな元気にしてたー? ユッキーだよ♪」
緊張のせいで、ちょっと高めな声が出てしまった。
「ユキ村に住む、みなさんに会えて嬉しいよ!」
少し前に絵美さんから「ファンを特別な存在として扱った方がいい」と、アドバイスをされた。その結果、僕を村長、ファンを村人という設定で接することになったんだ。
壁に映し出されたコメントを見る限り、この試みは成功したみたい。僕を村長として崇めるようなコメントが流れている。
……ん? ちょっとコメントの流れが早すぎない? 同時視聴者数50万突破!?
あ、映像が止まった。
数秒後には「準備中です」の画像が表示される。
「回線の問題で映像が落ちたと思います。これから背景を無くして、アバターの容量を落としてから再開します!。ユキトさん、その間、トークでしのいでもらえませんか?」
飯島さんがマウスとキーボードを、忙しなく動かしている。僕は無言で頷くと、メインカメラの方を向いて話しかける。
「ごめんなさい! 機材のトラブルで映像が止まってしまいました!」
まずは、集まってくれたファン――住人のために謝罪をした。するとコメント欄に、励ましの言葉が書き込まれ、止まることなく流れていく。
「みんな、温かいコメントありがとう! もう少し時間がかかるみたいだから、僕の話をしようかな。実は僕、本を読むのが好きなんだけど……」
僕は芸人ではない。とっさに面白い話などできないのだ。必死に頭を動かし、身近な話題を選んだ。どうってことのない、友達同士で話すような内容だ。それでも住民のみんなは喜んで聞いてくれて、コメント欄に感想を書き込んでくれる。
「すごい……ユキトが紹介した本が、売り切れています」
楓さんが唖然とした表情でつぶやく。どうやら住民のみんなが買い占めたみたいだ。僕の軽はずみな一言で売り切れてしまうなんて、ちょっとした恐怖を覚える。何かを紹介するのは、やめた方が良いかもしれない。
「映像を再開します」
飯島さんが言い終わった数秒後に、動画サイトに僕のアバターが表示された。
「住民のみんなー。お待たせー!」
画面の向こうにいるはずの女性に向かって手を振る。コメント欄がすごい勢いで流れて読めないけど、多分、喜んでくれているんだろう。
「部屋を急いでリフォームしたら見れるようになったよ!」
背景が真っ白くなった理由を「リフォーム」ってことにしてみた。すると新しいコメントが続々と書き込まれ、古いコメントは消えてゆく。さらに英語に始まり様々な言語で書き込まれている。
多言語が高速で流れ、どう反応してくれたのかわからない。きっと僕だけではなく、誰もわかってないのだろう。バーチャル空間なのに彼女たちの熱い気持ちが伝わってくる。目の前にいると、錯覚するほどだ。
みんなと会話しながら進めたかったけど、これじゃ無理だね。仕方がない……か。コメントを読み上げるのは諦めて、そろそろ番組のコーナーを始めようかな。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる