毒を盛りましたが後悔はしていません。殿下と結婚するのは私です。

Hibah

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10 クラリス視点③

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メリッサは青い顔をして戻ってきた。体調が悪いのかしら?

私はメリッサにきいた。
「メリッサ、大丈夫? 体調悪いならベッドの上で休んだほうがいいわよ? 使用人に言ってあげようか?」

「……。いや、大丈夫」

「とりあえず少し水分取ったほうがいいわよ」

我ながらスムーズな流れだった。介抱するフリをしてメリッサに毒入りの水を飲ませた。体調が悪いときは水を飲むほうがいいものね。

やってやった。
これでメリッサの寿命と私の寿命が入れ替わった。

身震いした。あまりにそわそわしていては不自然なので、肩を軽く回す。すると、メリッサが突然水を吐き出した。毒がバレた!?

…………!!! ゲホッ!! ゲホッゲホッ!!!!!

私はすぐにメリッサの父親を呼んで、メリッサを引き渡した。メリッサの両親があわてているのとは対照的に、私は笑いをこらえていた。気を抜いたらニヤついてしまいそう。寿命はもらった。私がメリッサの分まで生きてあげるわ。

はは……はははははははは!!!!!!!


私はお茶会のあと、スケジュールどおり入院した。病院で一夜を過ごし目覚めると、気持ちは晴れやかだった。あきらかに肺の違和感はなくなった。メリッサと交換したのだから、当然よね。すぐに退院できるだろうと思った。

しかし検査のあと、医者は私に信じられない事実を告げた。
「肺は大丈夫ですが、胃の病気ですね。余命2か月といったところです」

「ど、どういうこと!? なんで胃の病気なの?」

「あなたを診断した医者は偽物の医者でしたよ。昨日逮捕されたばかりです。嘘の診断書を書いて私の病院に送り込み、紹介料をもらおうとしていたみたいです。詐欺医者ですね」

「え、じゃあ私は肺病じゃなかったってこと? 肺の違和感は勘違いだったの?」

「そうなりますね。肺の病気というより、気胸だったのかもしれませんよ。肺に穴があくやつです。安静にしていたら治ります」

「そんな……なんてこと……うぅうぅ!!! お腹が痛い! 痛いよお!」

医者はすぐに私を支え「安静にしてください、鎮痛剤を打ちますから」と言った。



それから、私はお腹が痛すぎて動けない日々を過ごした……。あの薬をまたメリッサに使うこともできない。メリッサはどうしているのだろう。私の代わりに気胸になっているのだろうか。わからない……。ああ、あんな毒を使うんじゃなかった……。
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