浮気した婚約者は慰謝料地獄。過酷な労働を強いられる。

Hibah

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2 アリアの手紙 2/5

先生はよく、「隣人を愛しなさい」とおっしゃっていました。

私の愛の旅は自身の感情からではなく、婚約者の行動から始まったのです。

セリーヌに会いたいがために、フィリップは私との用事を作るようになりました。セリーヌと私は同じ学年ですので、婚約者の私に会うふりをすれば、必然的にセリーヌに会えます。

(私は誰からも愛される資格がないんだ……)

フィリップが目に見えるようにセリーヌへ心を寄せるたび、私の胸の内では何かが切り裂かれるような痛みが走りました。

逢瀬の口実にされるくらいなら、二人で内密に会っていてほしかった。何度そう思ったことでしょう。フィリップの視線がセリーヌに優しく注がれるのを見ると、私は自分が二人の間に立っていることさえ忘れてしまいそうになりました。

いっそ、フィリップから「セリーヌのことが好きだ。君とは家の関係のために結婚するが、セリーヌとも仲良くさせてもらう」とでも言ってくれれば、どれだけほっとしたことでしょう。そうなれば、「ああ、そういう人なんだ」と諦めがつきます。フィリップが嫌な人で、話がまったく合わず、好意も持てない世界線であれば!

でも……私は学校に入学して以来、自分の気持を一直線にフィリップへ向けてしまっていました。フィリップのことを、素敵な人だと感じてしまっていたのです。私の気持ちは空中分解してしまい、私の心の穴を埋める愛はどこにもありませんでした。

この時期に、私は自分の気持ちと矛盾する行動を取ることもありました。未来の妻として、フィリップの恋を応援しようと考えたのです!

セリーヌがフィリップのことを何とも思っていないのはわかっていました。なのでセリーヌに悪いなとは思ったのですが、私はあえてフィリップをセリーヌとの場によく誘うようにした時もあったのです。先生が名付けてくれた「仲良し四人組」の実態は、まやかしでした。私は一緒にいたくない人と一緒にいるよう努力し、その恋を応援し、楽しそうに笑う自分を演じていました。

私は自分の恋ですら知らなかったのに、恋というものがどれほど残酷なものであるかということを、婚約者の姿を通じて知りました。「仲良し四人組」で歩く時、フィリップが視線を向けるのはいつもセリーヌです。彼女の存在が彼の世界にどれほどの輝きを与えているか。その明るさが私にはまぶしく、時には目をそらしたくなるほどでした。彼がセリーヌのそばで自然体に笑う様子は、私には見るにたえない光景でした。

しかし、フィリップをかばうつもりではありませんが、彼は彼で当時、婚約者としての私を尊重してくれていました。彼はただ、自分の気持ちが表に出やすいタイプなだけだったのです。わかりやすい人です。セリーヌのことを好きだと口にすることはありませんでしたし、私との時間も大切にしてくれました。少なくとも表面上は私たちに何の問題もありませんでした。

あるのはただ、私の心の問題でした。どうしても割り切れなかった。フィリップの心が完全にセリーヌに奪われていると感じると、私という女は政略結婚の道具でしかないと思えてなりませんでした。

今思うと、周りの大人たちが裏では「政略結婚に愛を求めるな」と言っていたのはこういうことなのかと、理解していくきっかけになったかもしれません。しかし、それが意味することを真に理解するには、私はあまりにも子どもでした。

政略結婚に個人的な感情が必要ないというのは、言葉ではわかります。でもいざ結婚する相手が自分ではない別の女性をすぐ隣で見つめているとなると、話は別です。今すぐ逃げ出したいのに、金縛りにあったかのように身動きができなくなりました。学校を卒業したら一生この人の家に住み、近くにいなくてはならないのかと想像すると、吐き気がしました。

私は自分がフィリップにとってどれほど重要な存在か、常に自問自答していましたし、自身の感情と向き合い続けました。でも、愛されることへの渇望が消えることはありませんでした。私は自分の感情をどのように収めればいいのか、その答えを見つけることができませんでした。
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