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出会いは待っていてもやって来ない、と言っていたのは一昨年結婚した友人だっただろうか。職場恋愛など考えたこともないし、仕事関係で出会いがあってもそれは仕事でしかなく、結局はそこ止まり。だから合コンやらお見合いパーティーやら、積極的に参加すべき、と力説していた友人は見事に良い人をゲットした。
あの行動力は尊敬に値するな、と奈月は漠然と考えながらグラスの中のワインを揺らす。
1人5分の持ち時間で、男性がグルグルと席を移動しながら始まった自己紹介タイムで心身共に疲弊した奈月は、フリータイムが始まるや否や会場の隅で身を潜めている。食事も立食形式で用意されていて、お酒もあり、他の参加者たちが楽しげに会話を繰り広げているのぼんやりと見つめているだけ。
亜也に連れられて参加することになった街コンの会場は、なんと料理に定評のある超高級ホテルのグリシーヌホテル東京。街コンの主催はイベント会社らしいのだが、会費は女性が3000円で、男性はもう少しお高いらしい。
別にお金を払うことはいい。それに、超高級ホテルの食事が楽しめるだけでも、この会費はリーズナブルだ。
だが、想像していたより参加者の本気度が高いことに奈月は尻込みしてしまっていた。最初に記入を求められたプロフィールカードには、喫煙の有無や離婚歴などがあるか、果ては子供が欲しいかまで項目があったのだ。
付き合った人数まで聞かれなかったのは、不幸中の幸いだろうか。この歳で今まで付き合った相手がいないというのは、大抵の男性は引くのだとどっかの雑誌で読んだ記憶がある。
服装も男女共にカジュアルな人が多いのだが、人気が高いのはキチンとした服装をした人物らしい。その証拠に、男性人気はブルーのサテンワンピースを着た清楚系の黒髪美女。女性人気はストライプの紺色のスーツの男性のようだ。
奈月もキチンとめの服装ではあるが、営業に回るため黒のパンツスーツに薄いピンクのブラウス。女性らしさには欠けるな、と自己評価を下し、早々に食欲を満たすことに頭を切り替えた。やはり自分は恋愛には向かないと思う。
一緒に来た亜也はというと、一番人気には及ばないながら、数名の男性たちと会話している。彼女のスーツは薄いベージュのスカートタイプで、今はジャケットを脱いでいる。会場に入る手前で、彼女がいそいそとジャケットを脱ぎ出した時は何事かと思った。だが、その下から現れた服に妙に納得した。
彼女が着ていたのはデコルテが垣間見えるカットソー。デザイン的には落ち着いているが、彼女の美しい身体のラインが浮き彫りになり、可愛らしさの中に妖艶さが醸し出されていた。
なるほど、これも戦略なのか、と年下の彼女に頭が下がる思いだった。
「どうかされましたか?」
上手くいっているらしい後輩を微笑ましく見守っていると、ふいに声をかけられた。視線を巡らせた先にいたのは、カッチリとしたグレーのスーツ姿の男性。周りに女性の姿はなく、どうやら相手もお一人様のようだ。
あの行動力は尊敬に値するな、と奈月は漠然と考えながらグラスの中のワインを揺らす。
1人5分の持ち時間で、男性がグルグルと席を移動しながら始まった自己紹介タイムで心身共に疲弊した奈月は、フリータイムが始まるや否や会場の隅で身を潜めている。食事も立食形式で用意されていて、お酒もあり、他の参加者たちが楽しげに会話を繰り広げているのぼんやりと見つめているだけ。
亜也に連れられて参加することになった街コンの会場は、なんと料理に定評のある超高級ホテルのグリシーヌホテル東京。街コンの主催はイベント会社らしいのだが、会費は女性が3000円で、男性はもう少しお高いらしい。
別にお金を払うことはいい。それに、超高級ホテルの食事が楽しめるだけでも、この会費はリーズナブルだ。
だが、想像していたより参加者の本気度が高いことに奈月は尻込みしてしまっていた。最初に記入を求められたプロフィールカードには、喫煙の有無や離婚歴などがあるか、果ては子供が欲しいかまで項目があったのだ。
付き合った人数まで聞かれなかったのは、不幸中の幸いだろうか。この歳で今まで付き合った相手がいないというのは、大抵の男性は引くのだとどっかの雑誌で読んだ記憶がある。
服装も男女共にカジュアルな人が多いのだが、人気が高いのはキチンとした服装をした人物らしい。その証拠に、男性人気はブルーのサテンワンピースを着た清楚系の黒髪美女。女性人気はストライプの紺色のスーツの男性のようだ。
奈月もキチンとめの服装ではあるが、営業に回るため黒のパンツスーツに薄いピンクのブラウス。女性らしさには欠けるな、と自己評価を下し、早々に食欲を満たすことに頭を切り替えた。やはり自分は恋愛には向かないと思う。
一緒に来た亜也はというと、一番人気には及ばないながら、数名の男性たちと会話している。彼女のスーツは薄いベージュのスカートタイプで、今はジャケットを脱いでいる。会場に入る手前で、彼女がいそいそとジャケットを脱ぎ出した時は何事かと思った。だが、その下から現れた服に妙に納得した。
彼女が着ていたのはデコルテが垣間見えるカットソー。デザイン的には落ち着いているが、彼女の美しい身体のラインが浮き彫りになり、可愛らしさの中に妖艶さが醸し出されていた。
なるほど、これも戦略なのか、と年下の彼女に頭が下がる思いだった。
「どうかされましたか?」
上手くいっているらしい後輩を微笑ましく見守っていると、ふいに声をかけられた。視線を巡らせた先にいたのは、カッチリとしたグレーのスーツ姿の男性。周りに女性の姿はなく、どうやら相手もお一人様のようだ。
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