死神令嬢は年上幼馴染からの淫らな手解きに甘く溶かされる

鈴屋埜猫

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「何を……なさってるんです?」

 自分でも驚くほど、低い声が出た。ざわざわと身体中の血が沸いている感覚。いつも側にいる風の精霊・リールもレイネシアの怒りを感じてすぐ傍で渦を巻く。
 通されたバクソン伯爵家の応接間。いつもなら不貞腐れた顔でふんぞり返っているシールズと、数名の使用人がいるはずだった。

「何って、ただの戯れさ」

 髪をかき上げ、鼻で笑うシールズに吐き気がする。
 長椅子に膝立ちになっている彼の服は、僅かに乱れが見える。だが、それより注視すべきは、そんな彼の下で服を乱された女性の姿。紺色の伯爵家のお仕着せはところどころが破かれ、ほぼ胸元は露わになっている。
 歳の頃はあまり変わらないであろう彼女と目が合った。抵抗したれたのか、頬が赤く染まっている。レイネシアはすぐさまリールに命じ、彼女を彼から引き離した。

「おい! 何する!」
「……この家にいたくなければ、後で我が家に来て。紹介状を書くから」

 シールズに聞こえないよう囁き、ブルーム家の紋章が入った手巾を渡すと、大粒の涙を溢しながら彼女は頷いた。
 このまま彼女を残せば、レイネシアの帰った後にどんな仕打ちに合うか分からない。何せ、伯爵子息であるシールズに逆らったのだ。
 女性を外へと送り出し、レイネシアは彼に向き直る。婚約者とはいえ、身分は格下のレイネシアに横槍を入れられて、さぞかし気分が悪いだろう。しかし、怒り狂うかと思えば、どこか楽しげだった。

「彼女は恋人ですか? 違いますよね?」
「なんだ、嫉妬してるのか?」

 嫉妬とは、相手に好意があるからするものだ。笑いながら近付いてくるシールズには、嫌悪感しか抱かない。そっちこそレイネシアを嫌っているくせに、自分は好かれているとでも思っているのだろうか。

「他にあなたの被害にあった方は?」
「そう怒るなよ。ただの遊びだ」

 そこじゃない、と言いたくなるのを堪える。堪えなければ、レイネシアの怒りを感じてリールがすぐさま彼に害をなしてしまうだろう。それだけはダメだ。

「お前の目つきと態度は気に入らないが……身体は好みに育ったな。可愛がってやってもいいぞ?」

 近付いてきたシールズの視線がレイネシアの胸元に向かう。その舐めるような視線が気持ち悪かった。同年代の令嬢より、胸だけは大きく育ってしまったことが恨めしい。
 そして、ニタニタと笑いながらさらに距離を詰めてきた彼が、レイネシアの胸に触れようとした瞬間、堪忍袋の尾が切れた。
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