6 / 8
初めての従魔契約!
しおりを挟む僕は見上げたまま固まってしまった。まさかこのスライムがファングボアを倒したのか?
混乱中の僕をよそに、まるで何事もなかったようにそのスライムは、僕の目の前に飛び降りてきた。
改めてそのスライムを観察すると、どうも普通のスライムと違うように見える。僕が今まで見たことのあるスライムより体は一回り大きく、色も濃い。普通のスライムなら身体が透けて見えるのに。
それと一番目についたのが、もしこちらを向いていればだけど、向かって右側にやや斜めに伸びる大きな傷と、その傷とクロスするようにある小さな傷。十字架のような傷がある。
こんな傷が出来た時点で普通のスライムなら破裂して死んでしまうはずじゃないか?。
なんなんだろう?このスライムは
そんな事を考えていると、それまでぴくりとも動かなかったスライムはコロコロと僕の方へと転がって来たと思ったら、
【スライムが仲間になりたそうにこちらを見ています
仲間にしますか?】
【Y/N】
と、どこからともなく声が聞こえたと思ったら、目の前に文字が現れた。これが従魔契約のスキルかな?
僕はもちろんYESを押した。元々スライムをテイムするつもりだった。さっきは大量に現れすぎてビックリしただけだ。
押した瞬間、目の前のスライムと何かが繋がった感覚が。これで契約完了かな?もしファングボアを倒したのがこのスライムだったとしたら、僕が薬草採取している時に護衛してもらえるよね?
【スライムの従魔契約を確認しました】
【スライム念話を解放しました】
【スライム成長速度 極大を解放しました】
契約が完了したと思ったら、立て続けに声が聞こえて来た。ギルドカードの機能を思い出し早速ギルドカードでスキルを確認してみる。
スキル スライム鑑定
スライム従魔契約
スライム念話
スライム成長速度 極大
◼️◼️◼️◼️
おお!!二つも解放された!えっと、一つ目はスライム念話?文字通り受け取ると、スライムと念話が出来るってことかな?二つ目はスライム成長速度 極大。これも多分スライムを物凄く早く成長させることが出来るスキルなんだろう。
契約してからみょんみょんと縦に伸びているスライムに向けてスライム念話を使用してみた。使い方はスライムブリーダーのお陰か、何となくわかる。
「スライムさん、スライムさん、聞こえますか?」
スキルを使用しながら話しかけてみた。
『!!?聞こえる!聞こえるぞ主人あるじ殿!』
やった!成功だ!
「こんにちはスライムさん、僕はエルムって言います。このファングボアを倒したのはあなたなの?」
『ああ、最近この獣の様な輩がこの辺りを荒らしていてな、丁度攻撃を仕掛けようとしたところ、いきなり主人殿が走って現れたのだ。急な事で呆けてしまったが間に合った様で何よりだ』
「助けてくれて、ありがとうございます」
いきなり後ろにファングボアが現れたと思ったけど走った先にいただけなんだ。
『むっ、礼を催促する様な言い方になってしまったか?すまない。久方ぶりに会話をするのでな。私が勝手に助けたのだ。何も気にすることは無い。この程度の輩、造作もないのでな。それに礼を言うならこちらの方だ。主人殿のお陰で随分と思考がハッキリする様になった』
見た目がスライムなのに、喋り方に威厳って言うか風格がある。結構レアなスライムなのかな?
『それで主人殿……』
「ん?どうかしたのスライムさん」
『その……一つお願いがあってな、私に名をくれまいか?その「スライム」と言うのは種族名であろう?』
そうだよね。僕も人間さん、人間さんって言われたらちょっと気分が悪くなるかも。
「ごめんね、気付かなくって。因みに僕が決めてもいいの?」
『名付けとは従魔師と従魔の絆をより強固にするもの。主人殿は恐らく高名な従魔師なのであろう?以前従魔師と仕事をした事があったが、この様に意思疎通出来ている様には思えなかった。主人殿から名を頂戴出来るのであれば、どんな魔物でも、より強力に、そして主人殿の支えになれるであろう』
従魔師ってテイマーの古い呼び方だったよね?長生きなのかな?
「何か、こんな名前がいい!って言うのある?」
『主人殿に、付けてもらえるなら、例え「糞」でもなんでも……』
エミリーさん、僕の相棒、糞です!
行くよ糞!
それじゃ糞、僕は薬草とって来るね!
糞!危ない!
「駄目ーーー!僕がちゃんと考えます!」
糞とかあり得ないよね?でも、名付けかぁ。村でもペットとか飼ったことないから名前なんて初めて付けるよ。
「ごめんね、まだスライムさんって呼ばせてもらうけど、スライムさんに性別はあるの?」
『私は女だ。だがあまり可愛らしい名前でなくてもいいぞ。女性らしく生きては来なかったからな』
これも従魔契約した影響なのか、スライムさんから、とても暗い気持ちが伝わって来た。もしかしたら本当に可愛らしい名前は望んでないのかも知れないけど、少しは女性らしい名前をつけてあげたいな。
スライムさんをよぉーく見る。
薄い青では無く、とても濃い青。ブルー……全然女性らしくないよね。
丸みを帯びたボディ。丸、マル、マール。女性っぽいけど、なんかなぁ……
目立つ傷痕。十字の傷、クロス、ちょっといじってクロシュ……!そうだ!
「クルシュ!君の名前はクルシュに決めた!」
瞬間、クルシュの体から暴力的な光が溢れた。
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。
彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
辺境で静かに暮らしていた俺、実は竜王の末裔だったらしく気づけば国ができていた
平木明日香
ファンタジー
はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。
それから幾千年。
現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。
そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。
ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。
だが彼自身はまだ知らない。
自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。
竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。
これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー
白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。
その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。
人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。
異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ
主人公はあまり戦ったりはしません。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。
山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。
異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。
その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。
攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。
そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。
前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。
そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。
偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。
チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる