きまぐれ哲学チック

きーち

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化け物は化けの皮を被っていない。

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例えば、会社の女性の同僚を思い浮かべてみる。それも、上司に媚びへつらう、仲間から嫌われるタイプを。
あなたはどうだろう。

私はどちらかと言うとそう、ではない。
特にそれを見ても何も感じないが、時折このような言葉を耳にする。
「あいつは化けの皮を被っているのだ」
へぇ、そうなんだ。
これで解決できないから人は困る。
被らせておけばいいとはならない。それで周りの人が迷惑するなら尚そうである。迷惑とは。それは、heart breakerになり得る事である。
本能なのか、人は人と比べる。化けの皮は、人との差を突き放す大きなツールなのである。
人同士で競り合うのだから、当然人はそれをよしとしない。
だから、人は"化けの皮"を剥がす。死に物狂いで剥がしにいく。競争社会において必須のスキルと言える。

ここで、私の頭上には1つクエスチョンマークが浮遊している。既に。
そもそも化けの皮とは何だ。化けの皮の本質とは何だ。

化けの皮は、皮なのか。皮なら剥ぐことは出来るな。
私が生きてきた中でみた"化けの皮"を被った人というのは、とても醜いものだった。しかしそれは化けられていない当人が、間抜けで、残念で仕方なかったからだ。
化け物だから醜いのではない。しかしその間抜けな姿は見方によれば化け物だ。

あの可愛らしい女の子は好きな男の子の前になると化けの皮を被る。
あの同僚は上司の前になると化けの皮を被る。
あの生徒は先生の前になると化けの皮を被る。
恐ろしいのは、化けの皮を被って人が照準を向けた人は盲目になってしまうことだ。これは化けの皮の特性だ。醜いと感じるのはその周りだけで、むしろ剥がそうとする者が盲目には醜く見える。酷いものだ。

ただ……化けの皮を被った人というのはそう強くない。enemyでいう雑魚キャラである。醜い度合いとしてはまだまだ低い。
きっと続かないからだ。所詮名前もつけられないだろうenemy1はいつしか盲目の前にいられなくなる。やはり客観視の目は盲目の霞みを晴らす。

しかしそうならない例も多い。
とするなら…………そいつは、化けの皮なんて被っていない、化け物だ。
こればかりはどうもならない。
つまり、根っから、ということになるのだろうか。このことは少し後で述べよう。

そして、次の例がこの回においてメインである。
化けの皮を被っているうちに、それを剥がせなくなること。
周りも、もちろん自分も。自分をも見失い、"化けの皮"が皮膚にぴったり癒着する。それは空気すら通さないから、いずれ熱がこもり、皮膚から腐っていくのだろう。
ああ、そんなのは見るに耐えない。勝手に皮を身に纏い、勝手に内から腐っていく人を。 
だから、人は化け物にはなり難い。難関のメタモルフォーゼだ。
きっと化け物になる手前で尽きてしまう。

もしも、もしも化け物がいるなら。もちろん元は人間だろう。化けの皮を被り、我を失った。その化けの皮は、皮ではなく、体に溶け込み、骨の髄に深く浸透してしまったもの。これを化け物の定義にする。
化け物は化けの皮なんて被っていない。
被った人間が哀れなことに一体化してしまい、剥ぐこともされずに、そして出来ずに、一体化してしまっているから。
被っていないというより、被っていた。  
そして今度は盲目になってしまったから、自らをどこだどこだと彷徨っている。内で。

だから、化けの皮をかぶるのは好きにしてもらって構わないが、成功はしないのだから、おすすめは出来ない。


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