シャム猫

大器晩成らしい

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皇紀の場合

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「こっちおいで」

湖箔の手を優しく引いて、腕の中に囲い、抱き締める。

「好きだ。俺を好きになってくれ。身体も心も全部欲しい」

バスローブの腰紐を解き、脱がし床に落とす。

恥ずかしいのか、目元を赤く染め、視線を斜め下に落としている。

触れている手に微かに振動を感じる。

震えているのか。

これからの行為を恐れているのか、それとも俺を嫌がっているのか。

そのどちらかでも、両方でも、もう、この手は離してはやれない。



初めて会ったのは、俺が中三の時。

街で一方的に見かけただけだったが、強烈に印象に残っていた。

はじめて見る色彩の外人。

でも、超絶可愛いと思った。

茶髪の男前を連れて、買い物をしていた。

とても、仲良さげで、女は男を、こうぎょく、と呼んでいた。

女の名前を知りたかったが、何故か男は、女の名前を呼ぶことはなかった。

名を呼ぶのではなく、一々肩を抱き寄せてから話しかけていた。

2回目に見かけた時、また同じ男と一緒にいた。

男がトイレに行っている隙を突いて、名前を教えて欲しい、付き合って欲しいと、告白した。

直ぐに男が戻ってきて、逃げられてしまったから、返事は聞けなかった。

まぁ、今思うと、彼氏連れだったし、男が戻って来なくても、断られただろうけどな・・・

そんなある夜、女が一人で街を歩いてるのを見つけた。

声をかけに行こうとしたが、同じ考えの男は、俺以外にも多くいたようだ。

女は鬱陶しそうに払いのけていたが、断っても、断っても、付きまとわれていた。

そりゃそうだろう、あれだけの美少女。

そうそう諦めるわけがない。

男達が女を巡って諍いを始めた隙を突いて、掻っ攫ってやった。

手を引いて裏道に逃げ込んだが、足早っ。陸上でもやってるのかと思う程。

「ハァ、ハァ、大丈夫か?」

「あっ、ああ、ありがとう・・・男だって言ってんのに、嘘だろって、本当にしつこくて困ってた」

「えっ・・・男?・・」

胸はないようだが、少女だからで、今後に要期待だったが・・・

そうか・・・男か・・・いやっ、本当に男か?・・・断る為に嘘吐いているのでは?
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