シャム猫

大器晩成らしい

文字の大きさ
181 / 514

紫艶の場合9

しおりを挟む
11時少し前に、フロントに鍵を借りに行ったが、前の人がもう戻していたおかげで、早めに借りる事が出来た。

脱衣所で、服を手早く脱ぎ、なるべく、湖箔の方を見ないようにして、浴室へ入った。

身体に軽くお湯をかけてから、風呂の中へ。

3畳くらいある。

思ったより大きいな。

「こっちも、いいな」

「結局、入ってたのかよ。猿の話で聞きそびれてたよ」

俺の隣に浸かりながら、大浴場の話を訊いてきた。

「ここの5倍くらいの広さはあったな。源泉かけ流しで、滝みたいに、上の方から湯を落としていて、肩に当たる様に座ったら、丁度いい加減の強さで、気持ちよかったよ」

「へ~、いいね~・・・でっ?本当は?」

「本当だ」

「本当にホント?」

「本当だ。そんなに疑うなら先生に訊いてみろ」

ジョエルは、湖箔を挟んだ向こう側に座っているんだけど、すげぇ、距離感が近すぎる。

湖箔の肩に触れそうなんだけど。

「ジョエル。紫艶が、大浴場の露天風呂に、滝があったなんて言うんだけど、本当?」

「クスッ、あったよ」

「本当なんだ。いいなぁ、俺も、滝に打たれたい」

「何?肩、凝ってるの?マッサージしてあげようか?」

「う~ん、悪いから、いいよ」

「気にしないで。やってあげるよ。その代わりに、俺も、肩とついでに腰を、マッサージして欲しいかな。でも、のぼせちゃうだろうから、部屋に戻ってからしてあげるね」

「うん、分かった。俺も、ジョエルにマッサージするね」

・・・マジか。

俺もして欲しい。

何というか、ジョエルは、要領がいいんだよな。

「そういえば、俺、家族以外とお風呂に入ったの、初めてだ(皇紀とも入った事はない)」

「修学旅行とかは?小学も中学も、あるだろ?」

「・・・何か、俺だけ、大浴場立ち入り禁止だった。だから、一人だけ部屋の風呂を使ってた」

「えっ、あ~、まぁ、そういう事もあるよな」

「ないよっ、普通。だって、俺だけだったもん」

まぁ、そりゃ英断だな。

一緒の風呂になんか放り込んだら駄目だろ。

いろいろとヤバイ。

ぬけるような白い肌が、ほんのりと赤く色付いていて、妙に艶めかしい。

自然と手が伸びそうになった。

湯煙も相まって、余計女に見える。

最後に湯船を出ようと思うほどに、愚息がヤバイ状態に陥ってるし。

勘弁してくれ・・・

タオルで隠せるのか?

これ。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】その少年は硝子の魔術士

鏑木 うりこ
BL
 神の家でステンドグラスを作っていた俺は地上に落とされた。俺の出来る事は硝子細工だけなのに。  硝子じゃお腹も膨れない!硝子じゃ魔物は倒せない!どうする、俺?!  設定はふんわりしております。 少し痛々しい。

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

百戦錬磨は好きすぎて押せない

紗々
BL
なんと!HOTランキングに載せていただいておりました!!(12/18現在23位)ありがとうございます~!!*******超大手企業で働くエリート営業マンの相良響(28)。ある取引先の会社との食事会で出会った、自分の好みドンピシャの可愛い男の子(22)に心を奪われる。上手いこといつものように落として可愛がってやろうと思っていたのに…………序盤で大失態をしてしまい、相手に怯えられ、嫌われる寸前に。どうにか謝りまくって友人関係を続けることには成功するものの、それ以来ビビり倒して全然押せなくなってしまった……!*******百戦錬磨の超イケメンモテ男が純粋で鈍感な男の子にメロメロになって翻弄され悶えまくる話が書きたくて書きました。いろんな胸キュンシーンを詰め込んでいく……つもりではありますが、ラブラブになるまでにはちょっと時間がかかります。※80000字ぐらいの予定でとりあえず短編としていましたが、後日談を含めると100000字超えそうなので長編に変更いたします。すみません。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

処理中です...