シャム猫

２４４

唇にそっと指を滑らす。

ハァ～

ジョエルの唇の感触が、残ってる気がする。

何だろ、さっき別れたばかりなのに、もう、会いたい。

ここに来るまで、自分がこんな風になるなんて、思ってもみない。

中毒に禁断症状。

そんな言葉がぴったりだ。

ずっと、ジョエルにくっ付いていたい。

でも、そんなのは無理だと、解かってる。

せめて、１日に１回でいいから、自由に会えればいいのに。

もちろん、会ったら抱き締めて貰いたいし、ＫＩＳＳもして欲しい。

その先も・・・（嫌じゃない///）

たった２日、会えなかっただけで、切なくて苦しい思いをした。

・・・家族旅行、３泊４日。

楽しめるか？俺。

ジョエルとこんな関係になる前なら、間違いなく楽しめたって言えたけど、今は・・・


そう言えば、〝家族の中で、俺だけなんだよね。この色。変に目立つから好きじゃない〟って話した時、〝俺は好きだよ。綺麗な色だ。家族旅行、付き合おうか？一緒に居れば、目立たなくなるよ〟って言ってくれたんだよな・・・

本当に、行けたらいいのに・・・

ジョエルがしてくれた様に、家族に、恋人だって、堂々と言えたらいいのだけれど、今、紹介するのは、正直言って、怖い。

引き離されそうで。

学生同士だったのなら、問題にはならないと思うけど、相手が、先生だから・・・

特に、紅極兄なんかが、煩く言ってきそうだ。

家族に、相手が男だってカミングアウトするのは、勇気がいるけど、覚悟はできている。

いつかはする事になるのだから、少しでも早い方が、気が楽になっていいとすら思っている。

でも、誰だって問い詰められたら、それは、答えられないというか、答えない方がいいと思う。

卒業した後なら、関係ないのだろうけど、学園にいる間は・・・

ハァ～

まだまだ、先は長いな。