何で僕を?

大器晩成らしい

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「・・・ねぇ、結局、これって、どういうこと?」

思っていた以上に低い声が出た。

でもしょうがない。

胸の奥も、頭の奥も、いろんなものがぐるぐるとして、意識して言葉を紡がないと、叫び出して、何もかも、滅茶苦茶にしてしまいそうなのだから。

「申し訳ございません!!座標がずれていたみたいです」

「座標がずれていたみたいです?ふざけるな!!」

「申し訳ございません!!」

土下座して謝る奴等を残して、部屋から出た。

でないと、怒りに任せて、殺してしまいそうだ。

「?どちらへ?」

扉の前で控えていた護衛兵が尋ねてきたが、無視して、最上階へと向かう。

この破壊衝動を、どうやって抑える?

胸が気持悪い。

歯を食いしばらないと、みっともなく泣いてしまいそうだ。


見晴台に出て、街を一望する。

この4年、葵ちゃんに逢える事だけを励みに、頑張って魔物と戦い、この国を護ってきたのに、召喚が失敗するなんて!!

ガンッ

・・・

あっ、やべぇ、柱、曲がった?

軽く拳をぶつけただけなのに・・・

俺に罪は無いな。

きっと、手抜き工事だ。

粗悪な材料を使ったんだな。

うん。

俺は下に下りながら、目に付いた花瓶や絵画を壊して回った。

なんだ?どれもこれも脆いな。

強化魔法くらいかけとけよ。

さては、安物だな。

じゃあ、遠慮なく。

ザシュッ

ガチャーン

皿割りで、ストレス発散させる商売って、確かあったよな?

もったいねぇって思ってたけど・・・

癖になるな、これ。


俺が、物を壊して回るのを見て、何か知らないけど、皆逃げてく。

まっ、いっか。

ガチャーン

ザシュッ、ガターン

「月夜殿!!おやめ下さい」

護衛兵を引き連れ、凄い勢いでおじさんが走ってきた。

ん?誰だっけ?・・・あぁ宰相か?久々に見たな。

「どうか、お願いします。お鎮まり下さい」

「無理。それ以上近寄るな。近寄ったら・・お前達を代わりに・・・切る!」

潮が引くかのように、俺から距離をとった。

ガシャーン

「あ~、その壺は~」

ザシュッ

「あ~、その絵は先々代国王の~。お願いします。もう御止め下さい~」

「煩い」


・・・


いつの間にか、召喚の間の前まで戻ってきていたようだ。

魔術師長や王太子が、部屋の前に出てきていた。

「この度は、召喚に失敗してしまい。本当に申し訳ありませんでした。早急に不具合を修正し、召喚の準備を始めます」

準備って、魔石に魔力を溜めるってやつだろ?

また時間がかかるんじゃないのか?

「でっ?結局いつ、葵ちゃんと逢えるの?」

「6年以内には必ず」

やっぱりか。

でも6年だと?

それだけ待って、また失敗されたら最悪だ。

「必ず?本当だろうな?・・・いいか?もし、次、失敗したら、この城の消滅どころか、この国自体を滅ぼす。アブソラーノの名が地図から消えるって事だ。しっかり覚えておけ」



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