何で僕を?

大器晩成らしい

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風呂場に入りボタンを押し、クリーンをかける。

湯船の中に香油を垂らし、全身を潜らせ、髪の毛を手ぐしで、梳かす。

クリーンで体が綺麗になると言っても、気分的にお湯に入らないと、綺麗になった気がしない。

それに、ぼさぼさの髪の毛は、クリーンで整えられるわけじゃないからな。

タオルで、素早く身体を拭き、服を着替えて直ぐに部屋を出た。

扉の外に控えていた、プレナイトに先導されながら、葵ちゃんのいるという部屋に向かった。

喜びと不安と緊張がごちゃまぜで、胸がドキドキする。

痛いくらいだ。


コンコン

「月夜様がいらっしゃいました」

「どうぞお入り下さい」

呼吸を整えるのに、護衛兵が扉を開けるのを、大人しく待ってから、部屋へと入っていった。

・・・

「何で貴方がここにいるのです?」

百歩譲って、魔術師長は解かる。

召喚の、総責任者だからな。

だが、王太子が、この部屋で寛いでいる意味が解からない。

「隣に居たのを、追い出されたからな」

「隣?追い出された?そういう意味で訊いたんじゃないのですが?葵ちゃんはどこです?」

「葵様は寝室で、お休みになられています」

「眠ってる?」

本人だと、確認が取れたと言っていたから、起きているものとばかり思っていたのに。

プレナイトに視線を向けると、

「わっ私が、陛下と月夜様の許へ、お知らせに行く為に、この部屋を出る迄は、起きていらっしゃいましたよ」

「先程まで、起きていらしたのですよ。いろいろとあって、お疲れだったのでしょう。お食事をご用意するとお伝えしたのですが、眠いからいらないと仰られて、そのまま、お休みになられてしまいました」

「あらかじめ、お伝えしておきたいのですが、召喚されてきた時、気を失われておりまして、目を覚まされてから、体調をお聞きした所、動けない事が判りましたので、王室医薬師長に診察して頂いております。召喚の際、心臓に負荷がかかり、不具合が起きていたようですが、それはすぐに、治療したそうなので心配はいらないとの事です。身体が動かない原因は、魔力酔いだろうと仰ってました。治療方法は無く、自然と動けるようになるのを待つ他ないのですが、約2~3日は様子を見るようにとの事です」

「俺の時は、そんな事なかったよな?」

「何でも、元から酔い易い体質の上、強力な召喚魔法の魔力に晒されたからだそうです。個人差があるのでしょう。動けるようになるまで、いろいろと大変でしょうから、この部屋付きの侍従が、責任を持って、葵様のお世話はさせて頂きます。ですので、どうか御安心下さい」

「えっ、嫌なんだけど。俺が自分で世話するからいいよ」

「ですが、討伐の依頼が来たら、そうは言ってられないのでは?」

「葵ちゃんの肌に、触れられたくないんだよね」

「「「「(!!既に、諸々の世話をした後とは、言い辛い(です)!!)」」」」


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