何で僕を?

大器晩成らしい

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本当の事を伝えて、葵ちゃんからこんな言葉を貰えるなんて、思ってなかった。

生きててくれて、ありがとうって・・・

迷惑じゃないって・・・

逢えて、とても嬉しいって・・・

そんな風に、言って貰えるなんて。

ちゃんと聞いてた?道連れにしたんだよ?

なのに、責めるような事を、一つも言わない。

「ありがとう・・・ごめん・・ほんとに・ごめん」

「泣かないで。上手く身体が動かないから、涙を拭ってあげられない。月夜は悪くないよ。何も悪くない。こんな事言うのどうかと思うけど、最初に、天涯孤独で、地球から離されても、未練が無い、それでもって、正義感が強い、成人した大人の人を召喚するべきだったんだよ。月夜を召喚した人達が悪いんだよ。だから、謝らないでいいよ。長い間、一人で頑張らせちゃったね。どうせなら、二人一緒に召喚してくれれば良かったのにね」

葵ちゃんが優しすぎる・・・

「召喚するには、召喚用の魔石に魔力を溜めないといけなかったから、すぐには呼べなかった。4年経って、やっと準備が整って、葵ちゃんを召喚しようとしたんだ。結果は、失敗だった。成功していたら、同い年だったんだけどね。それからさらに4年経った。今回、召喚を実施するって事、俺には連絡が来ていなかった。応援要請が出て、海まで、巨大な蟹を倒しに行ってたんだけど、帰ってきた途端、知らされて、驚いた。汚れた格好で、逢いに来れなかったから、急いで綺麗にして、着替えてから来たんだ」

「素っ裸だったよね。何故か」

「うん。そうそう蟹だけど、いっぱい茹でたり焼いたりしてあるから、後で一緒に食べようね」

「えっ、本当?巨大なんでしょ?美味しいかな?楽しみ・・・じゃなくて、裸だった件、軽く流さないで」

「追いはぎに「そんな訳ないでしょ?」」

「魔法が解けて「嘘」」

「全身で葵ちゃんを感じたかったから」

「うっ(それはそれで何と答えたら・・・)」

「寝ている間に、全てを奪うつもりはないから安心して」

「安心できない。途中までは奪われそうで」

「・・・」

「えっ、否定してくれない?」

「・・・」

「ちょっと、何か喋って・・・ねぇ」

すっ、鋭い。

最後の一線は越えないから、準備くらいは良くない?

寝てる間の方が、力が抜けてるだろうから、痛くないように解してあげれるんだけど・・・

優しく、丁寧にするんだけどなぁ・・・ダメ?



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