何で僕を?

大器晩成らしい

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チャポン・チャポン

お湯から出ている肩が冷えないよう、優しくお湯をかけながら、月夜がこっちに来てから遭遇した、魔物の話を聴かせてくれた。

ゲーム定番のスライムがいなくて、がっかりしたとか、ゴブリンもいなかったけど、こっちはホッとしたとか、さすがに、子供のような見た目の生物を殺すのには、抵抗があるだろうからだそうだ。

この感じだと、オークも存在しないかと思っていたら、これはいて、初遭遇の時は感動したって言われた。

こっちの料理は、普通にオーク肉が出されるけど、二足歩行で、武器を持って闘い、人を襲って食べると聞いてから、手を付けるのに勇気が必要だったって聴いた。

確かに、人肉が、血肉になってると考えれば、食べるのを躊躇するだろう。

それに、よくよく考えたら、オーク自体がオークと人とのハイブリットって事だよね。

余計、食べたくないというか、食べられなくなった。

あれっ、そういえば、食べる人と、苗床にする人の判断ってどうしてるんだろう?

男しかいないのに・・・


ステータス・・・雪華、教えて。

《何をですのん》

オークが、食べる人と苗床にする人を、どう分けているか?教えて。

《健康か健康じゃないかですのん。苗床にするのは健康な方ですのん》

健康かそうじゃないかって、どうやって判るの?

《口臭ですのん。口臭から病気の有無を判断してるんですのん。犬が、癌患者を嗅ぎ分けるより、高性能ですのん》

なるほど。

ありがと、教えてくれて。

《どう致しましてですのん》


健康な方を食べるんじゃないんだ。

余計、オークを食べたいとは、思わなくなった。



月夜が初めて倒した魔物は、野犬のような集団で、いきなり、団体さんが来て、焦ったけど、出だしから、ステータスが滅茶苦茶高かったから、相手の攻撃を余裕でかわせて、虐待じゃないかってくらい、圧勝だったらしい。

「葵ちゃんも、初期値が高い筈だから、ある程度は倒せると思うけど、ちゃんと、弱いのからにするから、安心して。俺がフォローするし、絶対にケガなんてさせないから」

「うん、ありがとう。頑張るね」

魔物を倒す事を考えると、今からどきどきするけど、実践に出る前に、きちんと魔法の出し方や、武器の使い方を教えてくれるっていうから、それはちょっと、楽しみでもある。


「温まったね。じゃっ、そろそろあがって、マッサージしようか」




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