何で僕を?

大器晩成らしい

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結婚式の前日までに、どうにか料理を作り終えた。

部屋中、美味しい匂いが充満して、壁にも、油とか匂いが染みついてそうだったから、朝、昼、晩、毎日3回、換気した後、部屋にクリーンをかけた。

思った以上に大変だったから、こっそり、出来上がった料理は複製してある。

あんまり、多用してると、ラピスさんに気付かれるかもだけど、その時は、城勤めを辞めて貰って、僕が、僕達の専属侍従として雇用してもいいかも。

それだけのお金はあるし、月夜だけに頼らないで、僕もちゃんと、稼ぐつもりだし。

もちろん、労働条件は、ちゃんと、同等以上を保障するもんね。

お金を出す相手と、仕える相手が、完全に僕になるだけで、仕事の内容は変わらないしね。

ただ、雇用主として、守秘義務を設けて、許可した事以外、他者へ、僕達に関する報告はしないって制限は付けるけどね。

ここ、一番重要なとこね。


ラピスさんのブライダルエステを受けながら、そんな感じの話をちらっとした。

「僕達には、公にできない事がいろいろある。でも、それを知るかもしれない位置に居るラピスさんを、情報漏洩を防ぐ為といって、外れさせたくない。こっちの世界の人の中では、一番に信用をしていて、頼りにしてるから。なんといったって、王太子と魔術師長を追い帰す事ができる人だからね。ただ、もし、陛下に命令されたら、たとえ意に沿わなくても、報告しなくちゃいけなくなるでしょ?流石に。でも、僕達は、それじゃ困る。だから、よりこっち側に来て欲しいって思う。居て欲しいって思う。考えておいて。もし、考えが決まったら、教えてくれる?」

「とても、嬉しいです。私も、何時でもいいですよと言いたい所ですが、出来るだけ、お2人の経済的負担にはなりたくないので、このまま、城勤めをして、国からお金を頂きます。今の所、何の報告の義務はございませんので、安心して下さい。もし、何かしら報告をしろと言われたら、その時は、潔く辞めてきますので、雇って下さいね。葵様や月夜様の、好きな物、欲しい物を教えて欲しいとか、その程度の事なら辞めませんけど。お二人に、堂々と質問して、報告をしても構わないか、確認をとってから報告してきます」

「フフッ、ありがと。それでいいよ」


ブライダルエステをするってなった時、月夜が、俺がやるって騒いで大変だったけど、やっぱり、ラピスさんにして貰って正解。

とっても、気持ちいいし、何より、リラックスできる。

月夜だと、必ず悪戯を入れてくるからね。

安心できない。






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