何で僕を?

大器晩成らしい

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「葵ちゃんのマッサージは、俺がやる」

「ただのマッサージではございません。ブライダル専用エステです」

「何が違う」

「いつもより、丁寧なマッサージはもちろんの事、クリーム等も特別なものを塗らせて頂きます。その後、明日を万全の体調で迎えられますよう、こちらの言うスケジュールに従って、お食事や仮眠をとって頂きます。仮眠をとって頂いている間に、結婚式の前準備となりますが、髪や爪の手入れも致します。夜も、早めにご入浴して頂き、クリーム等を洗い流し、軽くマッサージをしたら、そのまま、早めに就寝して頂きます。もちろん、別々のお部屋で。マットレスと敷布団が納品され、今、子供部屋に敷いてありますので、そのまま、今晩はお使い下さい。明日の朝、マットレスと敷き布団は、月夜様に収納して頂きましょう。新婚旅行に持って行きますので」

「僕、ラピスさんの方に、清き一票を入れたいと思います」

「何で!!」

「こういうのって、プロにして貰うものでしょ?普通」

「うっ」

「それに、月夜にマッサージして貰ったら、体調が崩れるからね」

「えっ?」

月夜の耳元で「(だって、悪戯するでしょ?それとも、しない?)」って訊いてみた。

「うぐっ、しない、とは言い切れない」

「ほらね?だから、ダメ~。それに、結婚式とか(初夜とか)眠くなったら嫌だからね。明日の朝まで、ゆっくり休ませて欲しいかな」

「む~。しょうがないなぁ。初夜に眠られたら、切ないからね」

ぎゃ~。

僕、そこ小声で言ったよね!

ラピスさんがいるんだから、察してよ!恥ずかしいでしょ?

「でも、寂しいから、ちょっとだけ抱き締めさせて」

「・・・ちょっとだけね。待っててくれてるから///」

「お気になさらず」

いえ、お気にするのが日本人なんです。

月夜は例外です。




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